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日々、人事の方々とお話する中で、最近よく耳にするテーマがあります。
それは「うちの管理職層が部下へのハラスメントを恐れてかかわろうとしないんだ。どうしたら良い?」です。
これを読んでいる方も「あるある~」と共感されているかもしれません。
今日はこのテーマに対して向き合いたいと思います。
なぜ、上司と部下の関係に変化が起きているのか?
これはシンプルに、育った環境や働いてきた時代背景が異なるからです。
例えば、現在「上司」と呼ばれる方々の中には、いわゆる「24時間働けますか?」の時代を生き抜いた方も多いでしょう。
一方で、若手層はやりがいや自己実現、ウェルビーイング(幸せや健康)を重視する傾向が強く、上司世代とは全く異なる価値観を持っています。
もし、全員が「24時間働けますか?」の世界であれば、かかわり方もシンプルで、
「これをやれ!」「はい!」というやりとりが効率的で機能していたかもしれません(もちろん、極端な表現ですが)。
しかし、現代では異なる価値観を持つ世代が混在しており、その違いが上司-部下間のかかわりや関係性を複雑にしています。
コミュニケーションスキルを教えてもこの関係性は変わらない
では、こうした状況でどのような施策を打つべきでしょうか。
よく見られるアプローチは、コミュニケーションスキルをインプットすることです。
もちろん、スキル不足で部下にかかわれない上司もいるかもしれません。
しかし、コミュニケーションスキルを学んだからといって、すぐに上司の行動が変わるでしょうか?
私は、Noだと思います。
問題の根本は、スキルの不足ではなく、「恐れ」や「不安」が何なのか、その正体がはっきりしていないことであり、それが明らかにならない限り、行動が変わることは難しいでしょう。
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やるべきことは「関係性の再定義」
では、何が必要なのでしょうか?
それは、「上司と部下の関係性の再定義」です。
まず「自分たちはどんな関係性にあるのか?」「今後、どのような関係性を築くことが最適か?」を考え、上司と部下の双方で関係性を再定義することが最も重要です。
この土台ができて初めて、コミュニケーションスキルのインプットが効果を発揮します。
最近、このコンセプトに基づいてある企業と関係性の再定義からスキルトレーニングまでをご一緒しました。
そこで多くの参加者が、「他責な態度を取る人に対して、つい冷たく対応してしまう」
「メンバーごとに接し方を見直す必要がある」などと自分の行動パターンに気づいている様子がありました。
つまり、行動を変えたい場合、その根底にある認知を変えることが何よりも重要なのです。
関係性をより良くするのは上司の努力義務?
今回最後に考えたいのは、上司₋部下間の関係性は、上司だけが歩み寄るものなのでしょうか。
関係性というのは、双方が努力することで成り立つものです。
次回は、部下側がどのように認知と行動を変えるべきかを考えていきたいと思います。