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Z世代にだって厳しく接しても良い【育成のコツとよくある落とし穴】

Z世代にだって厳しく接しても良い【育成のコツとよくある落とし穴】

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著者

山口 陽輝

著者

山口 陽輝

大学卒業後、株式会社NEWONEに入社。HRパートナーとして、新人・若手から管理職層までの研修設計や新人・若手領域を中心に、ファシリテーターも行う。
社内では、新入社員育成の責任者として社内の育成体系づくり・育成風土醸成を推進する傍ら、Unitのリーダーとしてもメンバー育成を行いながらプレイヤーとして活動している。

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最近、若手社員育成に悩む人事の皆様からよく上がるお悩みは、「Z世代の育成の難しさ」です。Z世代とは、今の新入社員~4,5年目社員あたりが該当する世代で、急速に進んだデジタル化やコロナ禍の経験が価値観に大きく影響している世代と言えます。

そんなZ世代について、「厳しくしてはならない」という思い込みが広がっているように感じます。しかし、Z世代もアプローチ次第で厳しく接することがより効果的になります。そのアプローチこそ、「高い目標を自己決定させ、その目標と現状のギャップにフィードバックしていく」ことです。
ここでは、Z世代に効果的に接するための方法として、「高い目標を自己決定させる」「具体的なフィードバックを行う」ためのポイント、よくある落とし穴、その対処法を紹介します。

1. 自己決定感を尊重する

Z世代は自己決定感を非常に重視します。これは、多くの情報、仕事等があふれる社会で生きる中で、「やらされる」のではなく「自分で意味・価値を感じたものを選びたい」という彼らの傾向からくるものだと考えられます。彼らは、上司からの指示を受けるだけではなく、自ら考えて目標を設定し、その目標に向けて行動することを望んでいます。そのため、Z世代に対して厳しく接する際も、彼らが自ら高い目標を設定できるように促すことが重要です。これによって、自己決定した目標に対する責任感が芽生え、成長意欲が高まります。

【よくある落とし穴】

選択肢の少ない状態で目標を自己決定させてしまうことです。選択肢が限られていると、彼らは「上司が決めた目標に従っているだけ」と感じ、自己決定感が薄れてしまい、結果としてモチベーションが下がります。

【対処法】

この落とし穴を避けるためには、目標設定時に幅広い選択肢を提示し、その中から自分で選ぶ自由を与えることが大切です。上司は目標設定のサポートをしつつ、最終的な決定はZ世代本人に委ねることで、「自分で決めた」という感覚を持たせることができます。

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2. 具体的なフィードバックを行う

Z世代には、抽象的な指摘ではなく、「何がいけなかったのか」と具体的かつ明確な改善点を伝えることが重要です。これは、幼少期や学生時代からあたり前にスマートフォンを使って「正解」を検索してきた世代だからこその傾向と言えます。具体的なフィードバックを通じて、目標と現状のギャップを理解し、何を改善すればいいかを明確に把握することで、成長意欲を保ち続けることができます。

【よくある落とし穴】

ネガティブフィードバックをオブラートに包みすぎてしまうことです。指摘を遠回しに伝えすぎると、彼らにとって重要な改善点が不明瞭になり、行動の変化が起こらない可能性があります。Z世代は具体的で明確なフィードバックを好むため、曖昧な指摘は逆に不満を招くことがあります。

【対処法】

この落とし穴を避けるためには、フィードバックは事実に基づいた具体的なものにすることが重要です。「この部分をこう改善すれば目標に近づける」と具体的なアクションプランを提示し、理解を促すことが必要です。また、ネガティブな点だけでなく、ポジティブなフィードバックも併せて伝えることも重要です。先ほどお伝えした「正解を求めている」傾向にも重なりますが、彼らは良いことはきちんと褒めてもらうことで、「これを続けると良いんだ」と安心することが出来るため、褒めることで彼らのモチベーションを高めながら改善を促進することが出来ます。

まとめ

Z世代に対して厳しく接することは、彼らの成長を促すために重要です。しかし、選択肢の限られた目標設定や曖昧なフィードバックなど、よくある落とし穴に注意する必要があります。自己決定感を尊重し、具体的で事実に基づいたフィードバックを提供することで、Z世代の成長をサポートし、組織全体の成果向上に貢献できるでしょう。