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目次
人材の流動化や労働観の変化を背景に、「エンゲージメント」と「キャリア自律」が注目されています。それに伴い、求められるマネジメントにも変化が生じ、「管理統制型」から「支援型」に変わってきています。今回は、エンゲージメントとキャリア支援の関係を踏まえた上で、現場でエンゲージメントを高めながらマネジメントするポイントについてご紹介します。
(※本内容は、2024年6月24日実施セミナー「エンゲージメント向上にキャリア支援は果たして本当に意味があるのか?~関係性を改めて紐解く~」の内容をまとめたものです)
マネジメントとエンゲージメントの関係性
人材流動の激化や終身雇用の終焉、ジョブ型雇用への転換等により、会社と社員のどちらが上で、どちらが偉いか、という時代ではなく、対等な関係になってきています。
そのため、会社は「良い会社」にならないと人は集まらなくなってきており、「良い会社」に入ったからと言って、社員は一生安泰というわけでもないという時代に突入しているのです。
そんな時代背景の中、これから先の時代に求められるマネジメントとは何でしょうか?
これまでは、「管理統制型のマネジメント」という、自分と同質の人に対して、管理・伝授するといったスタイルが主流でした。
価値観や働き方が多様化している今の時代は、「支援型のマネジメント」という、多様な働き方、価値観、強みを持った人を活かしていくマネジメントスタイルが求められてきています。
マネジメントスタイルを変えていく上でキーワードとなるのは、「エンゲージメント」です。
エンゲージメントとは、会社と社員が双方向につながっていることで、組織に対する自発的な貢献意欲があったり、主体的に仕事に取り組んでいたりする心理状態を意味します。
エンゲージメントに影響を与えるものの上位には、能力活用・やりがい・達成感・成長機会等が入っており、上司からの支援に関連する項目の割合が大きいことが判明しました。
加えて、エンゲージメントを高めることで、企業の収益性や生産性の向上だけでなく、離職率や品質の欠陥、欠勤の低下に効果的であることも明らかとなっています。
これらのことから、マネジメントをする上で、エンゲージメントの向上が重要になってきていることが分かったかと思います。
「キャリア支援」の価値
続いて、エンゲージメント向上における「キャリア支援」の価値について触れていきます。
キャリア支援とは、従業員のキャリア形成を企業が支援すること、昨今ではとりわけ「管理職が部下のキャリアを支援すること」を指しています。
調査によると、キャリア自律している人はキャリア自律していない人よりも、パフォーマンス、ワークエンゲージメント(仕事に対する没頭感)、学習意欲、仕事の充実感、人生の満足度等の項目で高いことが分かりました。
改めて、キャリア支援は組織マネジメントにおいてはエンゲージメント向上にも繋がり、重要なのは分かってきましたが、とはいえ、現場の管理職にとっては、「中々実行しづらい」
「実行してみても、うまくいかない」壁のようなものがあります。
NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。
現場のマネジメント環境における3つの壁とポイント
ここからは、現場のマネジメント環境における3つの壁に対するポイントについて考えていきたいと思います。
①言葉の定義を分かりやすく書き替え、腹落ちさせる
1つ目の壁は、そもそも、エンゲージメントとは何か、キャリアとは何かの目線が合っていないことです。
言葉についての前提が揃っていないまま、施策だけ1人歩きしていると、管理職からは「もうやってるよ」「そもそも意味あるの?」といった声が出てくることになります。
そこで、大切になるポイントが、言葉の定義を分かりやすく書き換え、腹落ちさせることです。
エンゲージメントではなく、愛着ややりがい。キャリア支援も「キャリアを支援する」のではなく、その人の「やる気スイッチ」を探して押してあげること、等という風になるべく分かりやすく言い換えることが大切になります。
②キャリア支援はマネジメント全体の土台に混ざり込むものである
2つ目の壁は、マネジメントにおいて、キャリア支援と仕事を切り分けて捉えていることです。
多くの管理職にとって「キャリア支援」は新たなタスクと捉えており、日常業務を分断するように見えています。
そこで、大切になるポイントは、キャリア支援はマネジメント全体の土台に混ざり込むものであり、言い換えると、日常のマネジメントやタスク管理のすべてにキャリアの要素が含まれてくるということです。
仕事を渡す際にも、単なるタスクを出すのではなくその人の「やる気スイッチ」に紐づくようにして意味付けをして渡してあげること。つまり、仕事と人をつなげて渡すことが大切です。
③自分のマネジメントスタイルを見直し、アンラーニングする
3つ目の壁は、具体的に自分の日常行動の「何」を変えたら良いのか分からないことです。
ここまでの内容を具体的に変えようにも、既にこれまでのマネジメントスタイルの成功体験を積まれている場合なかなか変えることは難しいです。
だからこそ、研修で手法を学ぶ前に、まずは自分のマネジメントスタイルを見直しその中から手放せることは何なのかというのを見つけて行くこと(アンラーニング)が肝となります。
セミナーアンケート挿入(一部抜粋)
- 3つの壁を教えてもらったが、確かに目線が合ってなかったり、現状を振り返ることができてないかもしれないと思いました。
- 今回も短時間なのに学びが大きかったと感じました。1on1やエンゲージメントはやらされ続けるものでなく、金銭以外の報酬・やる気スイッチを探すツールであり、組織も人も変化するので定期的に探すツールが提供されているとより意味を見出せたことはよかったです。
- 昨年からキャリア支援研修を導入し、「キャリア」という言葉の定義に関する(主に世代的な)ギャップの大きさに愕然としたところでしたが、「エンゲージメント」に関しても同様で、社内で統一の定義を持てていないまま「エンゲージメントが下がっているのが問題だ」等と議論しているのだと痛感しました。
- キャリア支援はマネジメント全体に混ざりこんでいるというご説明が参考になりました。支援=1on1というイメージがありましたが、自身の考え方を柔軟にしていきたいと思います。
- 「マネジメントの土台にキャリア支援がある」という言葉は管理職にぜひ伝えたいなと思いました。
登壇者の声
エンゲージメントもキャリア支援も、概念としては実は全く新しい、というものではありません。シンプルに仕事や会社、職場に対する愛着はどうやったら湧くのかを考えたり、キャリアとは言わずその人の「やる気スイッチはどこか」を見つけることと言えます。昔と今で違うのは、「やる気スイッチ」が多様化したこと、またそのスイッチを探す機会が減り、探しに行かないと早期に辞めてしまうという難しさもあることです。会社や人事から落とし込むメッセージも、なるべく翻訳し、届きやすくしてあげることが大切です。
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