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若手の成長を後押しする仕事の任せ方とは

若手の成長を後押しする仕事の任せ方とは

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著者

掛井 柾樹

著者

掛井 柾樹

大学卒業後、新卒で通信会社に入社。モバイルブランドの新規立ち上げ、サービス仕様の運用・管理を担当。2023年に株式会社NEWONEに入社後は、研修をメインとした人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。社外で取り組む個人向けのコーチング経験を活かし、新入社員から管理職の方々が「変わりたいと思える場」の設計を行う。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

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このような仕事をしていると、部下・後輩を持ち、OJTを担当している方々から、

「最近の若い人たちとの接し方が難しい」「どのようにかかわれば成長してくれるだろうか」

といったお声をよく聞きます。

世間一般的に見ても、転職が当たり前になり、終身雇用が無くなりつつある社会において、これからの自社を担ってほしいと期待している若手に対するかかわりは課題視されるようになってきました。

そこで今回は、若手社員とのかかわりについて、著書「若手育成の教科書」を参考に考えてみたいと思います。

参考:「若手育成の教科書

なぜ早期退職が発生してしまうのか

若手へのかかわりを考える前に、そもそもなぜ若手の早期離職が発生してしまうのかということについて触れさせてください。

2023年6月、転職サイトdodaでは、4月新卒社会人による登録者数が2011年比で約30倍増加したことが発表されていますが、このことからも若手の離職・転職に関する関心が高まっている傾向にあると言えます。

では、何がこのような動向の要因になっているのでしょうか。

世には既に様々な要因が発信されていますが、私はその中でも「あらゆるものとの比較」が要因ではないかと考えています。

具体的には、①他者との比較、②自身の理想との比較の2点です。

①「他者との比較」は、SNSをはじめとして、多様な他者の情報にアクセスしやすくなったことから発生した要因かと思います。

他者の情報にアクセスすることで「自分はこうなのに、あの人は良いな」という比較が生まれ、よく言う「隣の芝は青く見える」という状態により転職・離職を考えるのではないでしょうか。

②「自身の理想との比較」はリアリティ・ショックとも言われている現象に近しい要因です。

自身が描いていた理想、認識していた情報と現実との間にギャップに壁を感じ、自身の理想を叶えてくれる環境を外に探しに行くことが2つ目の要因です。

このような比較が起こる中、それでも若手社員が現状に目を向けて、一歩ずつ自社において成長していく。そのために組織・育成側はどのようにかかわることがポイントなのでしょうか。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。

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若手を信じて、仕事を任せる

それでは、若手社員に対するかかわりのポイントを考えてみたいと思います。

今回の参考著書である「若手育成の教科書」から借りると、若手育成のポイントは、
『成長実感』という根拠のある自信をつけさせること」にあります。

自信というものは経験を通して得られるものであり、誰かに与えられるものではないと言われています。

若手育成の文脈から考えると、先輩・上司が若手に自信を直接与えることはできず、自信のもととなる経験を与えることしかできないのです。

では、若手に自信をつけさせるにはどのようなかかわりが必要なのでしょうか。

本書では、重要なかかわりとして”自走サイクル”が紹介されています。

  1. 抜擢
  2. 決断
  3. 失敗
  4. 学習

これらのサイクルは、はじめにある”抜擢”、いわゆる「信じて任せる」が第一歩です。
そして、組織が一番難しいと感じる点でもあると感じています。

一方で、組織の中では、

「まだスキル・能力がない若手にどこまで任せればいいだろう」
「若手が失敗して、プロジェクトが上手くいかなくなったらどうしよう」

等、様々な懸念が起こっていることと思います。

その中でも、任せられる範囲で仕事に抜擢し、若手の自信を高めるかかわりをしていけると、自組織で活躍・貢献する若手人材が育っていくと考えています。