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人が辞めない組織に必要な“3つの実感”とは?

人が辞めない組織に必要な“3つの実感”とは?

中村 紗和

著者

中村 紗和

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中村 紗和

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員・若手から管理職まで幅広い階層を支援している。また、組織開発の一環としての社内イベントの企画・運営を行う。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

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昨今、社員の定着が大きなテーマになっています。私も、自身の実感に加え、研修や日々お客様との会話を通じて「なぜ人が定着しないのか/辞めてしまうのか」という観点に触れる機会が多くありました。
その両方を振り返り、「成長実感・貢献実感・安心感」という3つの実感が、人が辞めない組織をつくる大きなカギになっているのではないかと感じました。

①成長実感

社員が日々の仕事を通じて成長を感じられているかどうかは、人が辞めてしまう組織と辞めない組織の大きな指標になります。実際、「仕事を通した成長実感が持てないこと」は、よく挙げられる転職理由の一つです。特に最近の若手は、将来への不安から成長を求める傾向が強まっており、昨今さらに重要性が高まっている指標とも言えるのではないでしょうか。

組織としては、日常の小さな成長を本人が自覚できる仕組みを整えること/個人のWillと組織を繋げることが重要です。

例えば、定期的な1on1やキャリア面談の仕組み化、キャリア支援の文脈で、個人の目指す先と組織との繋がりを見出す場を作るといった仕掛けが有効です。

②貢献実感

自分の仕事が意味を持ち、誰かに影響を与えていると感じられること、これが貢献実感です。自己決定理論の枠組みにおいても「関係性」や「有能性」の欲求を満たすことが、人のモチベーション維持に不可欠だとされています。どんなに小さな業務でも「この仕事は最終的にお客様の提案に使われる」「チーム・組織の中でこの役割があるから全体が回る」と理解できるだけで、自分の存在意義を強く感じられるようになります。

組織としては、業務が全体の成果にどうつながるのかを理解できる仕組みを提供することが重要です。また、社内のつながりを促進する機会の提供や、組織が目指す社会貢献/価値提供の形に、いかに共感している人材を採用できるか、といった観点も重要になってくるのではないでしょうか。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。

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③安心感

最後に、安心感です。心理的安全性という言葉でも表現されますが、これは決して居心地の良い、優しいだけの状態を指すわけではありません。安心感とは、意見を出したり挑戦したりする際に「否定されない」「失敗しても支えてもらえる」と思える状態を指します。真の安心感がある組織では、生産的なコンフリクトが生まれるはずです。

組織としては、挑戦や失敗を“許容する”に留まらず、“学びに変える”文化を仕組みで支えることが重要です。組織風土、文化の刷新変革は一筋縄ではいきませんが、日常の中に対話や振り返りの機会を設ける、部署を越えて意見を交わせる場をつくるといった小さな仕掛けからでも、一歩ずつ前に進むことができます。

おわりに

「成長実感」「貢献実感」「安心感」の3つは、社員が辞めない組織をつくるための重要な要素です。いずれも個人の努力や適性だけに任せるのではなく、組織として、持続的に実感できる仕組みや文化を築いていくことが大切なのではないでしょうか。