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キャリア自律している人にこそ、キャリア支援ができる

キャリア自律している人にこそ、キャリア支援ができる

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著者

山口 陽輝

著者

山口 陽輝

大学卒業後、株式会社NEWONEに入社。HRパートナーとして、新人・若手から管理職層までの研修設計や新人・若手領域を中心に、ファシリテーターも行う。
社内では、新入社員育成の責任者として社内の育成体系づくり・育成風土醸成を推進する傍ら、Unitのリーダーとしてもメンバー育成を行いながらプレイヤーとして活動している。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

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若手社員や部下のキャリア支援を行うことは、現代の管理職に求められる重要な役割です。

しかし、実りあるキャリア支援を実践するためには、まず管理職自身がキャリア自律している、もしくはキャリア自律を目指していることが大前提です。単にキャリアを考えるだけではなく、自分のキャリアビジョンやキャリアアンカーを何度も見つめ直す姿勢が必要になります。

なぜ、管理職のキャリア自律が大切なのか

現代の働き方は多様化しており、キャリアは固定的なものではなく、時代や自分の成長に合わせて変化させることが求められます。このような状況において、部下にキャリア自律を促し、主体的な成長を支援するためには、管理職自身がキャリア自律の姿勢を持ち、その重要性を自ら示すことが不可欠です。

自己を見つめ、意識的にキャリアを築いている管理職だからこそ、部下が信頼を寄せ、自らも積極的にキャリア形成に取り組む姿勢が育まれます。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
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キャリア自律とは何か

管理職のキャリア自律とは、単にキャリアビジョンを描くことに留まらず、キャリアアンカーという自分の根本的な価値観や動機付けにまで立ち返ることが重要です。

キャリアアンカーとは、エドガー・シャインによって提唱された概念であり、個人が働く上で最も大切にしたい価値観や基盤となる指針です。これは、目標を超えて「なぜ働くのか」「どんな働き方が自分に合っているのか」といった深い部分に触れるものです。

キャリア自律とは、キャリアビジョンに沿って自己成長を図るとともに、キャリアアンカーを定期的に見つめ直し、現在の役割や目標が自分の価値観に一致しているかを確かめることです。

こうすることで、単なる成果の達成にとどまらず、自分の根本的な目的と結びついた充実感を得ることができます。これにより、管理職自身がキャリアの土台をしっかり持つため、部下に対して説得力のあるキャリア支援が可能になります。

キャリア自律をどのように実現するか

1. キャリアビジョンとキャリアアンカーの定期的な内省

自分のキャリアビジョンを描き直すだけでなく、キャリアアンカーも定期的に見つめ直す時間を設けることが重要です。半年や一年ごとに内省の機会を持ち、「今の自分にとって大切なものは何か」を問いかけます。

これにより、目指すキャリアが自分の価値観と一致しているか確認でき、部下に対しても「なぜそのキャリアを大切にすべきか」を具体的に伝えられるようになります。

2. 部下との対話を通して新たな発見を得る

似た境遇にある部下や同僚とキャリアについて対話することで、新たな視点を得ることができます。キャリアビジョンやアンカーについて意見交換を行うと、自分のアンカーを再定義するきっかけにもなります。こうした対話を重ねることで、部下は管理職のキャリア自律の姿勢に触れ、自らも自律的なキャリア形成に取り組むようになります。

3. キャリアアンカーに基づく柔軟な対応力を身につける

環境や業務内容が変化しても、自分のキャリアアンカーを基盤としながら柔軟に対応する力を養います。目標や役割に変化があっても、キャリアアンカーを軸に進むことで、ぶれない姿勢を維持でき、部下も「自分の根本的な価値観に基づいて働く大切さ」を実感できるでしょう。

キャリア自律を通して、管理職がキャリアビジョンとキャリアアンカーの両面をしっかりと見つめ直し続けることは、部下への信頼性のあるキャリア支援につながります

部下にキャリア自律を求めるなら、管理職自身がその姿勢を持ち続け、自らのキャリアを再確認し続けることが不可欠です。変化の速い現代において、キャリアを「一度決めたもの」ではなく、「自分の価値観に応じて見つけ直し続けるもの」として示すことで、部下の成長と企業の発展に大きく貢献できるでしょう。