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転職が容易にできる時代となり、「新入社員や若手社員の組織に対する当事者意識が高まらない」という声がよく聞かれます。
実際、若手の本音からすると「別にこの会社でずっと働くわけじゃないしな…」というのが本心で、組織に対する当事者意識が上がりにくいのも事実ではないでしょうか。
このような若手社員にとっては、なるべく早いタイミングから自身のキャリアについて考え、「この組織でまだまだ成長できる」と感じさせることが大切です。
とはいえ、人によっては「まだ将来のことなんて考えられない」という声もあります。若手社員のみならず、人事様からも「うちの若手は目の前のことで精いっぱいで、まだキャリアを考えるのは早い」という声が聞かれるケースも多く見受けられます。
ここで問題になるのは、「キャリア」という言葉の定義の曖昧さです。
「キャリア」という言葉は「キャリアアップ」等の言葉で使われるように、仕事(昇格・昇給)を示すイメージがあったり、キャリアビジョンという言葉が一般的していく中で、キャリアとは大きく華々しいものだというイメージがついていたりする等、人によって「キャリア」と聞いた時のイメージがバラバラになっています。
このような「キャリア」という言葉のイメージのずれ(特に拡大解釈)が、若手社員にとってキャリアを考えるブレーキになるのであれば、あえて「キャリア」という言葉にこだわらないキャリア支援を行うことも一つの手なのではないでしょうか。
そこで効果的なのが、キャリアアンカーの考え方です。
キャリアアンカーとは、自分が人生で大事にしたい価値観を示す言葉ですので、あえて「キャリアアンカーを考えよう」と伝える必要はなく、「価値観」「大事にしたいこと」という表現で十分です。
若手にとって、考えることに抵抗があり、きれいごとになりがちなキャリアビジョンを描くのではなく、これまでの経験から自身の価値観、強みを整理し、今の仕事(組織)にどのように活かすか考えることが、より効果的で身近なキャリア支援となります。
「これまでこの組織でこんな強みを身につけていたんだ」「この価値観をうまく活かせば、さらにパフォーマンス発揮できそうだ」と感じられることが、組織に対する当事者意識を高め、今の組織でキャリアを描いていく自信につながります。
あえて「キャリア」という表現にこだわらず、身近なところからキャリアを描ける若手向けのキャリア研修、キャリア支援に取り組んでみてはいかがでしょうか。