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2025年卒の新入社員研修に向けて、人事様と内定者の状況についてお話する中で、「控えめでコミュニケーションが慎重な方が増えている」という声が多くなりました。確かに、昨今の新入社員には消極的な印象がありますが、皆さんの現場ではいかがでしょうか?また、そのような傾向が見えるようになってきた背景はどこにあるのでしょうか?いくつかの要因を考えていきたいと思います。
なぜ新入社員は消極的か?
まず、社会的な背景として、コロナ禍を経験した彼ら彼女らにとって、目上の人と接する機会が少なかったり、ある日突然オンラインから対面での授業に参加することになったりなど、最初から積極的に自己主張するよりも、まず周囲の状況を理解し、自分の立ち位置を見極めることが必要であり、これは彼ら彼女らなりのリスク回避の方法でした。
次に、近年の教育は、協調性やチームワークを重視する傾向が強まったことも大きく影響しています。学生時代から「周囲と調和を保ちながら行動する」ことが推奨されてきたため、新入社員もその延長線上で、自分の意見を強く主張するよりも、まずは周囲の意見を尊重し、慎重に行動する姿勢を取ることが多いです。
さらに、SNSの普及も大きく関係しています。SNSでは、発言がすぐに広く拡散され、批判を受けるリスクも伴います。そのため、若者は日常的に「発言の影響力」や「場の空気を読む力」を身につけるようになっています。これが職場でも影響しており、特に新入社員は、周囲の目を気にしながら、慎重に行動しようとする傾向が強まっているかもしれません。
最後に、最近の新入社員は、学生時代からキャリアに関する授業が必須科目に入っていたりなど、自分のキャリアに対してアンテナが立っていることも特徴的です。それゆえに「失敗しないこと」「評価を下げないこと」を重視し、慎重に少しずつ職場に馴染もうとする傾向もあるでしょう。職場での経験を積みながら、自分のペースで成長していきたいという意識が強いとも言えます。
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慎重さや協調性を活かせる育成を
こうした傾向の要因を考えると、彼ら彼女らの傾向は環境変化の影響を大きく受けていると言えます。一見、消極的とも捉えられる彼ら彼女らは、必ずしもそうであるわけではありません。むしろ「周囲の状況を慎重に見極め、協調性を大切にしながら行動している」と捉えることもできるのではないでしょうか。
慎重で協調性を重んじて行動できるからこそ、主体的に経験を取りに行ったり、関係構築のためのアクションを取れるようなマインドセットを押さえて設計することで、世代傾向の強みを活かした育成設計につながるのではないでしょうか。