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繰り返しの日々に新しい視点を届ける重要性

繰り返しの日々に新しい視点を届ける重要性

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著者

渡部 亮太

著者

渡部 亮太

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員の育成体系構築から、管理職主導の組織開発まで支援。社内ではスキルの可視化等、若手が自律的に成長する仕組みづくりを行っている。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

どんな研修があるか見てみる

「毎日同じ業務の繰り返しでやりがいが分からない」
「特定の業務しかやっていないから、本当に成長できているか不安」
「ここから先自分は本当にやっていけるのだろうか」

こんな将来への閉塞感や、不安を抱える若手社員は多いのではないでしょうか。

特に製造現場で働く若手社員が、上記のような感情を抱え、業務にあたっているという話を人事の皆様からお伺いします。

そんな中、成長実感を少しでも獲得してもらおうと、「経験学習サイクル」のフレームに沿って、入社してからの経験を振り返り、手に入れたスキルを言語化する、といった手法を取り入れる企業様も多いのではないかと思います。

「経験学習サイクル」を回すために必要になるいわゆる「内省→持論化」という思考プロセスは、抽象と具体の往来が必要です。しかし、繰り返しの業務が多い彼らにとっては、慣れない思考プロセスであり、内省を促そうにも、アウトプットが進まず、結局成長実感が湧かない、といったパターンもよく耳にします。

ある製造現場の若手社員の方を対象に、まずは普段の業務に対して新しいとらえ方を提供する、というワークショップを行いました。

・成長を、スキルを身につけることだけではなく、人脈や経験を積むことも含まれるとしたとき、これまでの経験で積み重ねてきた成長ポイントは何か?

・これまでの業務経験が育ててきた自分の価値観は何か?
・これから自社で手に入れられそうな経験や人脈、知識は何か?

経験から次に繋がる持論は何か?といったことを問いかけるのではなく、自身の成長を、スキルだけではなく、人脈、経験、価値観といったさまざまな見方で見つめ直す、お互いに見せ合う、フィードバックを送り合う、といった内容で実施いたしました。

ワークショップの中では、自分が獲得した成長ポイントを小さな付箋に一つずつ書き出すのですが、お互いの対話を通して、付箋が増えていき、それぞれのシートが埋まっていく様子を見ることができました。

最後に受講者の一人が、

「自分の成長をスキルだけでとらえていたけど、とらえ方を変えれば、これまでの経験で獲得してきたものがたくさんあることに気づいた」

と発言しており、成長実感を感じていただいたのではないかと思います。

若手社員、特に製造現場においてはどうしても同じ業務の繰り返しになり、閉塞感や得ているものが見えづらくなってしまいがちなようです。

一方で、社会を見渡せば、同年代で多様なスキルを持って活躍している人を見てしまいます。

そんな時、新しい視点で業務を見てみると、意外にも自分に持っているものが多いことに気づいたり、まだまだ手に入れたいものが職場に眠っていることに気づいたりします。

内省→持論化ももちろん成長のために重要なフレームワークですが、多様な視点を渡し、同じ業務であっても見え方を変えることを促すアプローチも有効かもしれません。