NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。
目次
エンゲージメント向上に向けて、真っ先に注目されるのが「マネジメント問題」
多くの企業様とマネジメント変革を行う上で、より本質的にエンゲージメント向上を推進していくためには、「エンゲージメントを高めるマネジメントが上手い管理職を増やす」ことの先に、「管理職に依存せず、エンゲージメントが高い組織カルチャーの創出」という目的を見据えることが重要だと感じています。
そこで、今回は組織カルチャー変革の中でも、エンゲージメントサーベイ取得後、よく課題としてあがる「挑戦する」組織に向けたカルチャー変革について4つのポイントに分けてご紹介します。
(※本内容は、2024年6月19日実施セミナー「マネジメント問題で終わらせず組織カルチャーと向き合う~「挑戦する」組織カルチャーについて考える編~」の内容をまとめたものです)
管理職の意識変革だけでなく、組織の体質(カルチャー)変革を行う
エンゲージメント向上するためには、エンゲージメントサイクル※1を回すことが大事です。サイクルを回し続けるためには、各関係者からの働きかけに加えて、回しやすい組織カルチャーをつくることがポイントになります。どの組織においてもカルチャーは存在するからこそ、変革のためには、組織カルチャーの質をエンゲージメント向上ができる基準に向上させていくことが大事です。組織カルチャーの質を向上させるためには、マネジメントの変革も大事ですが、組織の体質、カルチャーの変革を行うことが重要になります。
※1 エンゲージメントサイクルとは
エンゲージメントを高めるメカニズムのこと。エンゲージメントを高めるには、①ポジティブ感情②自己決定感③成長・貢献実感という3つが必要。これらのサイクルを回すことで個人の感情が変化し、エンゲージメントが高まる
カルチャー=行動パターン 組織の行動パターンを変える
そもそも、カルチャーとは何なのでしょうか?
組織の中には、何らかの明文化されてない暗黙の行動パターンが存在します。この行動パターンの集積のことをカルチャーといいます。「挑戦する」組織カルチャーを作っていくためには、挑戦する行動が当たり前に行われる状況を作っていくことがポイントになります。
「人材」「構造」「業務」といった要素の一貫性によって「挑戦する」カルチャーはつくられる
「挑戦する」カルチャーをつくることを考える前に、「挑戦」について2つの種類に分けて考えたいと思います。
挑戦は、
- 全社/事業部全体に影響があり変革リーダーシップが求められる大きいスケールの挑戦
- 部門/チーム内での役割からはみ出るリーダーシップの発揮が求められる小さいスケールの挑戦
の2種類があると考えます。自社にとって、必要な挑戦は何か、から考えることが大事です。
その上で、「挑戦する」という組織カルチャーを作るためには結局どうしたら良いのでしょうか?
ここでは、ナドラー氏とタッシュマン氏が提唱したコングルエンス・モデルを参照して考えていきます。コングルエンス・モデルとは、「組織カルチャー」「人材」「構造」「業務」の要素がフィットしている状態にあると、組織は機能し、成果を創出するというモデルのことです。
つまり、「挑戦する」という組織カルチャーを作っていくためには、人材・構造・業務が「挑戦する」にフィットしているのか、「挑戦する」を促すものになっているのか向き合うことが大事になります。
具体的には、以下のような観点(例)で、「挑戦する」を促すことができているのか
考えると良いと思います。
人材:人材育成/人材の活用を行えているか
- 挑戦を奨励するリーダーがいるか?/管理職が挑戦を要求するビジョンを掲げられているか?
- 挑戦に向けて、必要なスキルや知識を身につけるトレーニングが提供されているか?
- 挑戦するための内発的な動機があるか?
構造:組織構造(制度や体制)を構築できているか
- 階層が少なく、コミュニケーションがオープンか?(特定の人物との関係性に依存せず、挑戦できるか?)
- 挑戦を公式にサポート/承認する体制が浸透しているか?
業務:業務プロセスや内容を整えられているか
- 担当業務の主要指標が見える化されており、指標改善に取り組みやすいか?
- 失敗を受け入れ、リスクを許容する余地があるか?
NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。
挑戦を促進する対話(組織内ワークショップ)を習慣化することで組織開発をはじめる
とはいえ、「挑戦する」を促すことは難しく、「組織カルチャー」「人材」「構造」「業務」の一貫性をつくることは簡単ではありません。
なぜなら、組織を運営する上では、自分自身のものの見方や周囲との関係性が変わらないと解決できない問題(=適応課題)があるからです。
適応課題は、関係性の中で生じる問題です。
起こっている事実に対して、人によって解釈が違い、その結果見え方のズレが生じるからこそ、関係性を再定義し、ズレをなくすこと(=組織開発)が大切になります。
このズレをなくすこと(=組織開発)を行う上で、重要なことは対話です。対話とは、互いの前提や意見の“違い”を見つけ、“違い”を知り合うことであり、ダイバーシティを活かすコミュニケーション方法のことを言います。対話の価値は2つあります。
- 自分が相手の持っている「解釈の枠組み」を変え、自分の中で「新しい関係を構築すること」が可能
- 自身のストーリーを他者に語り、対話することにより、自分自身の中でのナラティブを再構築することができる
組織には、多くの適応課題が発生し、「ズレ続ける」からこそ、組織開発を習慣化するために、組織にあった適切な「対話」を習慣化することが大切です。
セミナーアンケートコメント(一部抜粋)
・体系的、そして概念図も多用していただいたおかけで、頭の中で整理されました。
・「内発的な動機」を最近のテーマとしていて、組織におけるポイントであることを改めて認識できた。
・組織開発における「対話」の重要性をあらためて認識できたように思います。
・たくさんのヒントを得ました。ありがとうございました。チェックポイントにもありましたが、ミドルマネージャーのレベルアップが必須であり、高いハードルだなと感じました。
・挑戦という言葉だけ独り歩きしかねないので、しっかり考える時間を持てたことが大変有意義でした。
登壇者の声
昨今良く言われる「挑戦する風土」ですが、挑戦する風土をつくる目的や、そもそもどのような行動を挑戦と言っているのか、といった定義があいまいなことが多いです。まずは本当に挑戦って必要なのか?といったことから問いはじめ、そのうえで、上述のようにカルチャー以外の要素と整合性を取りながら、一歩ずつ目指す組織像を実現する対話(組織内ワークショップ)習慣を持つことが大事だと考えています。このように難しい課題と向き合われている方々のお役に立てるようNEWONEも一層精進して参ります!
まとめ
「挑戦する」組織カルチャーをつくるためには、管理職の意識変革だけではなく、組織のカルチャー(=行動パターン)を変えることが重要です。
行動パターンを変えるためには、「人材」「構造」「業務」といった要素の一貫性が求められます。しかし、この一貫性をもつことは難しいからこそ、挑戦を促進する対話(組織内ワークショップ)を習慣化することで組織開発をはじめると良いと考えます。
とはいえ、「「対話」をどう進めていけば良いか分からない」という企業様も多いからこそ、職場での組織開発を促していくために、対話の価値や方法を弊社の実践型プログラムを通して学び、ご支援させて頂いております。