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2・3年目で明らかな差が出る世代特性から紐解く、配属後フォローで抑えておきたいポイントとは

2・3年目で明らかな差が出る世代特性から紐解く、配属後フォローで抑えておきたいポイントとは

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著者

長畑 和子

著者

長畑 和子

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員・若手から管理職まで幅広い階層を支援している。また、キャリア自律をテーマとした新商品開発や社内の新入社員育成の推進メンバーとして組織風土づくりに取り組んでいる。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

どんな研修があるか見てみる

今年も100社を超える新入社員の皆様と4月の新人研修をご一緒して参りました。

業種・業態を問わず、研修期間の様子・変化を拝見し、今年さらに強まっていると強く感じるのが「平均レベルでありたい。平均以下は絶対に嫌だ。目立ちたくはないが、できないやつだと思われたくない」という性質です。

上記に加えて、「指摘に対して(意図が理解できればなおさら)すぐ改善される素直さ」も挙げられます。こちらも、数十年前と比較して「個のとがり」がどんどんと丸く収まり、いわゆる「優等生タイプ」が増えているといわれるゆえんにもなっているかと思います。

もちろん、この2つの性質だけを切り取って良し悪しを一概に判断することはできませんが、各社、新入社員が配属される環境の観点から、この性質がどのようなリスクをはらんでいるかを研修内でみられた様子を踏まえ、考えました。

  1. 失敗したくないが、何も考えていないと思われたくないため、どうやって答えを教えてもらうかが前提のホウレンソウになってしまいやすい
  2. 上司や先輩からの指摘に対してすぐ対応することに対して、「言われたから対応した」という目的無き改善が生まれてしまいやすい

いずれも、2024年度に限らず起こりがちなケースではありますが、これらのリスクが年々高まっていることは明らかだと感じています。

短期的(1年目のうち)には「素直で真面目、指摘したことに対してすぐ行動できる良い新人だ」といわゆる順調判定になりますが、2年目・3年目と自ら考える比率が増えてくる頃には「言われないと自分で考えたり行動できない停滞・受け身な若手」が出来上がってしまう落とし穴とも言えるのではないでしょうか。

これらの特性や配属後のリスクを踏まえ、主体的な新人・若手を育てていくために何がポイントになるのか?

それは、「いかに内省→持論化する機会を持つか・自己決定感を醸成できるか」です。

配属後は具体的かつ、簡単な仕事を任せる機会が多いのが一般的かと思いますが、

例えば、そういった中でもすぐ答えを出さず、「AとBならどっちがいいと思うか?」と一度考える機会を作ったり、新入社員が自分で考えた部分に対して承認し、より良くするための観点を伝える、という工夫も、一見遠回りに見えて、長期的に自ら考え、決める力を育てる意味では、近道といえます。

新入社員育成の肝は「一刻も早く仕事を終わらせるためのかかわりをすること」ではなく「最初は多少時間がかかっても、自ら考える習慣づけをすること」です。

自社の現在の若手社員の主体性は求めたい水準に達しているか?より主体性を育んでいくために、1年目から、より工夫できることはないか?の観点で少しでもお役に立てば幸いです。