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新入社員に入社時の不安を聞くと、「コミュニケーションが上手くできるか不安」という声が多く出てきます。ビジネスの中でも、グローバル化が進む社会でも、「コミュニケーション力」が昨今重要視されていますが、そもそもコミュニケーション力とは何なのでしょうか。
若手社員へのコミュニケーション教育としてオーソドックスなのは、ロジカルコミュニケーションなどの「コミュニケーションスキル」です。一方で、以前マネージャーの方のお悩みで、「最近の若手は、突飛なことを発言するから驚いてしまうよ…」と呟いているのを聞くと、果たして今求められているコミュニケーション力とは何なのだろう、と考えてしまいます。
私は、「今度の仕事で○○が不安なんだよね」という言葉に対して「大丈夫だよ!」と言われた時に、違和感を覚えた経験があります。一見ずれていないように見えるのですが、当の本人である私は、なんだか意図したことが伝わらなかったな、という感覚がありました。振り返ってみると、「不安だから○○の情報がもっとほしい」という意図で話していたのだなと思います。
私は今、ワークショップデザイナー育成プログラムを受講しているのですが、その中でコミュニケーションについて考えるヒントがありました。
講師としていらっしゃった、劇作家の平田オリザ氏の「今の若者は、”伝わらない”という経験が欠如している」という言及に非常に納得感がありました。
チャットツールの浸透などにより、わざわざ言わなくても伝わることを極限まで削ぎ落してコミュニケーションを取ってきたことで、「単語での会話に慣れている」こと、地域での交流機会の減少などにより、「話が通じない人との交流機会が減少してきた」という2つの要因から、これまでコミュニケーションが通じない経験をしてきていないのではないか、ということでした。
この考えを踏まえると、若者は「言いたいことが伝わってないかも?」「相手の言いたいことが受け止めきれていないかも?」というコミュニケーションのズレに鈍感になっているのではないでしょうか。
コミュニケーションにおいては、今重要視されている「伝える技術」ももちろん大事ですが、まずは「伝わっていない」「受け止めきれていない」ということに気づけるようになることが求められるのではないかと思います。
気づけるようになるためには、まずは「気づかせてあげる」というかかわりが必要になると思うので、若手がズレたコミュニケーションをしている時に、何がズレているのか?を伝えてあげることが必要なのではないでしょうか。