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新入社員を仕事に“沼らせる”ためには?

新入社員を仕事に“沼らせる”ためには?

<a href=小野寺 慎平" width="104" height="104">

大学卒業後、(株)シェイクに入社。企業の人材育成や組織開発のコンサルティングを行う。2018年1月(株)NEWONEに参画。商品開発・マーケティング、組織開発、研修のファシリテーターなどで活動する傍ら、「仕事そのものが面白いと思う20代を増やす」をテーマに20代向けの能力開発の新規事業を立ち上げる。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

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4月は多くの企業様の新入社員研修の実施機会を頂きました。
受講頂いた皆さん真剣に、配属までの期間を過ごされている印象でした。

また例年に増して、「仕事が手段、プライベートが目的」という声が多い印象もありました。

価値観は人それぞれで、否定されることでもないとは思いますが、プライベートの充実と同じくらい、仕事の充実も可能だ、と考えることに強い抵抗感のようなものを感じ、配属前から諦めている方も一定数いる様子でした。

昨今、〇〇に沼る、という表現で、沼にハマって抜け出せくなって、周りが見えないほど夢中になることを表したりします。

アイドルに沼る、ゲームに沼る、のと同じくらい仕事に沼ることを促すためにはどうしたらよいか?ということを考えてみたいと思います。

なぜ“沼らせる”といいのか?

実際は”沼らせる”までいかなくとも、仕事に面白さを感じる、働きがいを感じるという状態を実現できれば良いかと思いますが、こういった状態を支援する理由はなんでしょうか。

それは、「主体性発揮を促す」ためです。

そもそも主体性とは、自分の意志・判断で行動しようとする態度です。

仕事の高度化が言われる現代において、この態度があるか、否かによって、これまで以上にパフォーマンスを左右します。

昨今は人的資源ではなく資本、と強調されるように、かつてないほど「人」というものの重要性に注目が集まっています。

これはまさに人が主体的に能力を向上させながらパフォーマンスを発揮する場合とそうでない場合で、大きく資本としての価値に差が出る、ボラティリティー(価値変動の度合)の高い資本であるためです。

そしてこの主体性を高めるには、いかに主体性を説いたとしても、自分の意志・判断で行動する態度とは”必要性を説いてやらせる”ということと矛盾しているため、むしろ逆効果です。

主体性を高める唯一の方法は、仕事に対するエンゲージメントを高める(沼らせる)ことにあります。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。

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新入社員を仕事に”沼らせる”ためには?

現場の上司・トレーナー視点で、新入社員を仕事に”沼らせる”3つのステップを今回は簡単にご紹介します。

  1. 不安の解消(信頼関係の獲得)
  2. 面白さの演出
  3. 成長支援

まず重要なことは、新入社員を受け入れた上司・トレーナーの役割である「成長支援」は沼らせる(エンゲージメントを高める)上では3段階目の関わりである、ということです。

一見遠回りに見えるこの①や②をいかに行えるかが重要です。

①不安の解消(信頼関係の獲得)は人によっては時間がかかりますが、丁寧に対応していくことが大事です。

今年お会いした新入社員の方も、ほとんどの方が、人間関係や業務内容、働き方についての不安を感じている様子でした。

中にはそれは望みすぎ、わがまますぎると思われるような不安や要求があることもありますが、基本的には不安だ!という訴えの表出なので、まずは不安への理解を示すことが大事です。

この不安は放っておくと、不満になり、最終的には敵意になるとも言われています。

何でもかんでも要望を聞き、迎合する必要はありませんが、不安な新入社員の味方であることを伝え続ける、少なくとも職場の何人かは味方になってくれる体制をつくっておくことが重要です。

その上で、②面白さの演出というプロセスは、まさに沼らせる上でのキープロセスになります。

イメージは、バレーボールを始めたばかりの人に、バレーのネットを下げてスパイクが決まる楽しさ、を体感してもらうようなイメージで、やや一人前基準でなくても、本人の手応えを優先するプロセスを取るということです。

ここでいう面白さ、とは必ずしも本人がやりたいことである必要はなく、「上手くできた!面白い!」という感覚の獲得が重要です。

一朝一夕では実現できませんが、今期強くこのプロセスを続けていくことで、仕事に良い意味で沼ら方が増えることを願っています。

職場の社員は沼っているのか

最後に考えたいことととして、職場の社員は沼っているのか、という点があります。
ほとんどの新入社員が最終的には、現在の先輩社員のエンゲージメントの、平均値に落ち着く、ように思います。

朝練当たり前のサッカー部では、ほとんどの方が朝練にくるように、受け入れ側の基準が伝播します。

新入社員の受け入れを通して、職場の状態を見直す機会にしていくとが重要です。