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イマドキ世代の「ガチャ思考」について考える

イマドキ世代の「ガチャ思考」について考える

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著者

本間 俊平

著者

本間 俊平

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員・若手から管理職まで幅広い階層の研修設計を支援。社内ではインナーブランディングの一環として、社内イベントの企画を行っている。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

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4月は新入社員の皆様と導入研修にて多くご一緒させていただき、現場に配属される前の新入社員の皆様の悩みや不安も多く触れる機会がありました。

今回は「配属ガチャ」について、イマドキ世代の目線からイマドキ世代がなぜ「ガチャ」思考になるのか、どのようなマインドやスタンスを持つことができれば、「いかなる環境でも活躍できる社員となれるのか」について考えていきます。

そもそも「配属ガチャ」とは、希望する勤務地や職種に配属されるかわからないことを、ソーシャルゲーム等の「ガチャ」としてなぞらえた俗語です。配属先の上司や教育担当者等との人間関係も「ガチャ」の要素に入ることもあります。ここ数年で馴染み深いワードとなってきました。

私が研修で、各社様とご一緒させていただく際にも、「希望通りの配属にならない方も居て、とはいえ、どのような配属先でも頑張って欲しいのですが・・・」と吐露される人事も少なくありません。総合職一括採用や事業の変化に合わせて、配置を決めている企業の人事として、新入社員が「配属ガチャ」がハズレだ、失敗だ、ととらえてしまうのは良くあるお悩みなのではないでしょうか。

根本的に考えると、企業は事業戦略より人材戦略を考え計画的に採用し、配置を考えているため「ガチャ」要素はありませんが、新入社員をはじめとするイマドキ世代は成功/失敗、アタリ/ハズレといったとらえ方をすることがあります。

イマドキ世代はなぜ「配属ガチャ」としてとらえるのか

今年の新入社員の様子や私の周囲の人を見て感じる中で、大きく2つの理由が考えられます。

キャリア自律意識の向上

労働生産人口が減少し、新卒採用が売り手市場となる中で、企業に選ばれるという考え方ではなく選ぶという考え方が強くなっています。私自身もファーストキャリアという言葉を使いますが、採用面接の中で「ファーストキャリアは御社に決めました」といったこともしばしば聞かれるのではないでしょうか。就職活動時から「キャリアは会社に依存するものではなく、自分で作っていくものだ」という感覚を持った人がますます増えており、コントロールできない要素として、「配属ガチャ」としてとらえるのではないでしょうか。

失敗したくない

イマドキ世代は、他の世代と比較して失敗を恐れる傾向があると感じます。インターネットやSNSを使いこなしてきた世代だからこそ、情報やノウハウ、成功パターンのようなものにアクセスしやすく、上手くいく型があるようにとらえがちです。配属においても、希望通りの部署へ行けない可能性や、新しい人間関係への不安等による失敗を恐れているのだと感じます。

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イマドキ世代へ伝えるべきこと

「配属ガチャ」としてとらえてしまうイマドキ世代に対して、企業・人事側として取り組める施策として、採用時は職種ではなく、理念やビジョンとのマッチ度を見る、ジョブ型採用への転換、面談で意向を聞く/配属の理由を伝える、配属決定プロセスを透明化する等、多々ありますが、とはいえ一朝一夕で取り組めることはなかなか少ないと思います。

ただ、イマドキ世代の自分自身から新入社員や後輩たちに伝えるメッセージとしては、「希望通りの部署に行けるとは限らない企業や環境を選択したのも自分自身だ」ということです。そもそも職種別で採用している企業や、もっと言うと自身で事業を立ち上げるといったことも選択肢の一つとしてあった中で、今の企業で働くということを選択した以上は自己責任の範疇なのではないでしょうか。

また、配属先の人間関係についても新入社員が上司や教育担当者を選べないことを事実ですが、その逆も然り、上司や教育担当者も新入社員を選ぶことはできません。同じように、どのような新入社員が配属されているのか不安に思っているかもしれないし、「ガチャ」のようにアタリ/ハズレと考えているかもしれないということを、視座を上げフラットに認識することが必要です。

 安易に「配属ガチャ」としてとらえて不安になったり、たとえ配属先が希望通りの部署でなかったとしても、「自分にできることはないのか」「この環境で得られそうなことは何か」と考え、いかなる環境でも活躍できるイマドキ世代に近づくことを切に願います。