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若手社員の自律自走を引き出す「キャリア自律」と「エンプロイアビリティ」育成とは?

若手社員の自律自走を引き出す「キャリア自律」と「エンプロイアビリティ」育成とは?

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“キャリア自律”という言葉が一般的に使われ始めて、しばらく経ちます。社会の変化、価値観の変化とともに「キャリア自律=ポジション論」ではなく、個の自己実現を求めるようになりました。企業もジョブ型に移行し、個が自ら専門性を高めるようになるといった「個の時代」に突入しつつあります。

企業側はキャリア自律という方針は示しつつも、具体的に何をすれば良いのかを明示することが難しい状況です。

人材の流動化の中で若手層に向けて、どのようなマインドセットをすれば良いのか、またそのための人事施策や研修設計のポイントは何かという点について紹介します。

※本内容は、2023年11月7日実施セミナー「若手社員の自律自走を引き出す「キャリア自律」と「エンプロイアビリティ」育成とは?」の内容をまとめたものです

環境の変化とキャリア自律

なぜ若手社員のキャリア自律が必要とされるようになったのか、環境の変化から見ていきます。

まずは人生100年時代の到来です。

・老後の資金形成のために80代まで働く
・生涯の間に、労働市場に存在する職種が変化・交代し続ける
・3ステージ型の人生が過去のものとなり、人生がマルチステージ化する
・終身雇用制度の限界、これまで以上にキャリア開発は自己責任に
・ジョブ型雇用への転換が加速化する

といった時代にシフトしつつあります。

また、少子高齢化が進むことで労働人口が減少し、これまで働いていなかった人を再雇用したり、今働いている人のパフォーマンスを上げる必要があります。さらに、M&Aやビジネス環境のスピード変化によって企業の寿命は年々短くなっています。

Z世代と呼ばれる若手層の就業意識も変化しています。転職サービス「doda」の2023年のデータでは転職サービスに登録する人数が10年前と比較して約30倍に増えていることや、「ファーストキャリアは御社を志望します」といった言葉も聞かれるように、人材の流動化がますます加速しています。

株式会社パーソル総合研究所「従業員のキャリア自律に関する定量調査」(2021年)によると、企業がキャリア支援に取り組むことで社員のパフォーマンス向上に繋がるというデータもあり、こういった背景から「自律的なキャリア形成」に向けた個人の支援や組織づくりに組織として手を打つ企業が増えてきました。

キャリア自律における大きな問い

日本の人事部HRペディアによるとキャリア自律は、

「キャリア自律」とは、企業や組織に依存するのではなく、個人が自身のキャリアについて向き合い、主体的にキャリアを開発していくこと

と定義されています。

過去、キャリア自律は2つの文脈で使われ、対立してきました。

冒頭の時代変化にあるように、若手世代は特に、右側の個人視点でのキャリアを重視する人が増えてきました。つまり組織と個人の関係性が縦の状況から、対等になりつつあります。

ここで重要になってくるのは、「自社のみで活躍できる能力を育成し、自社を辞めずにぶら下がる若手社員」を増やしていくことではなく、「社会の中で活きる自律・主体性を開発し、主体的に自社にいることを決める若手社員」を増やすことを目指すということです。

若手のエンゲージメントを高めていくためにも自律支援は必要ですが、同時に魅力的な組織づくりをして、求心力を高めることも求められています。

注目される自律型エンプロイアビリティ

若手のキャリア自律を支援するうえで、若手が持つべき重要な考え方が自律型エンプロイアビリティです。

雇用され得る能力とも言われますが、組織に求められる事だけではなく、主体的に自分自身の成長や能力を高めていくかということです。

組織と個々人のエンゲージメントを高めていくためにも、環境に依存するのではなく、環境に適応そして活用していく感覚を持つことが若手には求められています。

研修にどのように組み込むのか

キャリアという考え方は本質的に「答えを自身に内包する性質」を持つため、「過去」を振り返り「未来」を見て「今」始める一歩を決めるという、一般的なキャリア研修の構成があります。

では、研修後に「自分の強みが見つかりました!」「10年先のキャリアイメージが描けました!」といった声が聞かれている状態は、果たして「キャリア自律」していると言えるのでしょうか?

キャリア自律のゴールを、得たいやりがいや目的を「自己決定」し、そのために取り組むことや、取り組み方を「自己決定」できている状態とした時に、研修の中で達成すべきことは、得たいやりがいや目的に向けて自己決定する手ごたえをつかむことです。

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3つの気づきと仕掛け

研修の中で、若手の気づきを生み出すために、設計や伝えるメッセージの仕掛けとして以上のような考え方を紹介させていただきました。

セミナーアンケート(一部抜粋)

・若い方の離職が多いため、勉強のために受講したが気づきが得られました
・キャリア自律の定義とどうあるべきかを考えるヒントを頂きました
・キャリア自律を進めるべき背景など、なんとなくで把握していたものが言語化されて理解が進みました。また、キャリア自律を進めるために個人・組織双方にアプローチをするべき前提で、個人のマインドにアプローチするには、環境適応に重点を置いた研修をすべきだという点に納得感がありました
・施策浸透のステップを体系的に知ることができ良かったです
・「不満」ではなく「不安」で辞める、と言うのが、なるほど納得でした
・新入社員や若手社員のキャリア研修の企画にあたり、大変参考になるお話が多かったです。ありがとうございました

登壇者の声

ジョブ型の風潮やキャリア自律の必要性、転職へのハードルの低さ等もあり、人材への流動化はこれから先もある一定加速すると考えています。その中で、「転職さえすれば何かが変わる」と幻想を抱くジョブホッパーが増えてしまったり、本来はその企業に定着し活躍していく可能性があったにも関わらず活かしどころを見失ってしまう若手中堅が生まれてしまったりしないように、是非企業サイドのみならず、働く一人ひとりが自分のエンプロイアビリティに向き合って欲しいなと思います。

まとめ

本ページでは、人材の流動化の中で若手層に向けて、どのようなマインドセットをすれば良いのか、またそのための人事施策や研修設計のポイントは何かという点について「キャリア自律」と「エンプロイアビリティ」をキーワードにご紹介させていただきました。