NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。
目次
人材流動化の加速、若手層を中心とする労働観の変化、ジョブ型雇用の浸透等を背景に、
「キャリア自律=自らの意思で、自身のキャリアを主体的に描く」というメッセージがここ数年でよく聞かれるようになりました。「キャリア研修」の位置づけも変わり始めるとともに、各社様でのキャリア研修の実施数も数年前と比較して伸びています。
そんな中でも、労働観の変化の激しい新入社員こそ、自身のキャリアを描き、主体的に成長をつくっていく感覚が大切となります。一方で、会社から新入社員に対する期待としては、まずは社会人として必要なスキルインプットが中心となり、自律というよりは受け身的になってしまい、中々キャリア自律意識というのが育ちにくい状況になっているのが、多くの企業様での新人育成の実態です。
そこで本日は、新入社員の育成におけるキャリア自律をテーマに考えていきたいと思います。
(※本内容は、2023年11月22日実施の「新入社員にこそ根付かせたいキャリア自律意識とは?」セミナーの内容をまとめたものです)
「キャリア形成」に関する環境の変化
冒頭、「キャリア自律」が注目されている背景を少しだけお伝えしましたが、改めてまとめてみると、次のような整理ができます。
人生100年時代と表現される程の長寿化と、労働人口の減少。企業寿命・職業寿命の短命化と、終身雇用制度の崩壊。
これからの時代、間違いなく企業が「選ばれる組織になる」必要性が高まるなかで、労働観の変化にどう対応し、パフォーマンスの高い人にどう定着してもらうかを考えなければならない。
このような背景の中で、自律的なキャリア形成に手を打たない理由はないと言えるでしょう。
キャリア自律をどうとらえるか
しかし企業として従業員の自律的なキャリア形成をサポートする必要性を考える際、「キャリアを考える=転職を考えることになるのでは?」という懸念から、自社がキャリア自律を謳う理由を見失っている、という方もいらっしゃるかもしれません。
果たして我々は、キャリア自律をどうとらえ、社員と組織の関係性としてどこを目指すべきなのでしょうか。
「いい会社」にならないと人が集まらないし、「いい会社」に入ったからと言って、従業員は一生安泰というわけでもない。
そんな時代において、「他社でも活躍できるけど、自社で活躍することを自分で決めた従業員が集まっている」組織を目指すべきというのが、弊社が考えている高いレベルでwin-winな関係です。
しかし、昨今の若手の方は「タイムパフォーマンス重視」「不満ではなく不安で転職を考える」等、「主体的に自社にいることを決める」ことへのハードルが高い傾向も伺えます。
そんな中で、高いレベルのwin-winな関係をつくるために、新入社員の育成におけるポイントを3つに絞ってご紹介します。
①本人にとってのキャリア自律の意味づけをする
タイムパフォーマンス重視の新人に限らず、ただ受けるだけの研修は苦痛でしかありません。そのため、新入社員研修の段階から、「本人にとってキャリアを広げる・豊かにする意味」「会社が研修を実施する理由」を考えてもらうという仕掛けが必要です。そして、自分の言葉で意味づけをすることが、研修を受ける姿勢を変化させるうえで非常に有効です。
②成長の定義をアップグレードする
不満でなく、不安が原因で転職を考える新人は成長をどのように捉える傾向にあるのでしょうか。一概には言えませんが、1つの傾向として「自分が成長するかどうかは環境で決まる」と捉えていることがあります。
そのような新人の方に対して、ただスキルや知識を与えるだけでなく、マインド・スタンスの変化こそが自身の成長につながると定義することがポイントになります。
③成長に対する手応えの獲得と自覚
上記2つは高いレベルのwin-winな関係をつくるきっかけになりますが、2つだけでは高いレベルのwin-winな関係を持続させるうえで充分ではないことも多くあります。
高いレベルのwin-winな関係を持続させるうえでカギとなるのは、
・定期的な振り返りとしてフォロー研修を設定する
・上司からの声掛け
の2つです。
フォロー研修を実施し、グループワークを通して同期と経験を内省することは、成長の手応えを獲得することにつながりますし、気づきや学びを持論化することはさらなる成長実感につながります。
また、自己内省だけで難しい場合には、上司からのマインド・スタンスの変化に対するフィードバックや、普段と違う切り口での問いかけ・声掛けが、成長していると気づくきっかけになることも非常に多くあります。
NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。
セミナーアンケート(一部抜粋)
・キャリア自律の考え方について基礎的な部分からご説明いただき再整理できました。環境適応の重要性も含め社内に発信できるように進めていきたいと存じます
・キャリア自律の定義や位置づけをさまざまな角度から教えていただくことができました
・若手の転職の原因が不安によるものということを初めて知りました。研修設計するうえでのヒントになりました
・冒頭の「キャリア自律と転職意向は無相関」というキーワードが印象に残っており、新たな気付きでもありました。だからこそ、組織としてキャリア自律支援の 必要性を改めて感じました
・成長の定義づけなどの具体的なワーク・解説イメージも共有いただき参考になりました。 研修設計において、どんな価値観のもとに意思決定しているのか、キャリア自律について考える機会を定期的に作るなど、取り組んでいきたいと思います
登壇者の声
環境依存型の社員が増えることは、組織と本人双方にとって不幸になる可能性があります。良い人材が離職すればせっかくかけた採用コストはもとより、中長期的な人材の損失になりますし、定着しても上司や職場次第でパフォーマンスに差が出る社員になる可能性があります。社員側としても、そうして環境依存した結果「自分はこんなものではないはずだ」と他責的な人材になる可能性があります。
高いレベルでのエンゲージメントを持つ、環境創出型の人材育成をすることが、企業と個人、ひいては日本全体の発展に寄与するものと信じております。
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