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人材流動化時代における研修の価値とは?~エンゲージメントを高める“場”について考える~

人材流動化時代における研修の価値とは?~エンゲージメントを高める“場”について考える~

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著者

青木 美奈

著者

青木 美奈

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員・若手から管理職まで幅広い階層の研修設計を支援。特に女性活躍、ダイバーシティ推進に注力している。社内では、メソッド記事の作成を推進している。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

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労働人口の減少、人材の流動化が進んでいる現代において、優秀な人材を採用し、育成することに各社様の関心が高まっています。

加速度的に変化するHR領域において、人材開発、組織開発はどんな価値があるのでしょうか。

(※本内容は、2023年10月19日実施の「人材流動化時代における研修の価値とは?~エンゲージメントを高める“場”について考える~」セミナーをまとめたものです)

今の時代に求められる人材開発とは?

時代の変化に伴い、採用がしづらく、人材の流動化によって各社様で優秀な人材を惹きつけ、育成することが難しい状況があります。採用コストはリスキリングコストの6倍かかる、と言われており、現代においては優秀な人材を新たに採用しようとするより、自社の人的資本を最大化していくことが重要です。

これからの人材開発では、多様なキャリアニーズへの対応×戦略的な人材開発がポイントとなります。

これまでは、長期雇用と画一的な育成が前提となり、階層別研修やスキル向上を目的とした研修が実施されてきました。これからは、多様なキャリアニーズへの対応による働く人にとって魅力的な組織作りと、経営戦略と紐づけた戦略的な人材開発が前提となってきます。それに伴い、人材開発の施策としても、多様な学習機会の整備や戦略的な次世代リーダー育成が必要となってきます。

多様なキャリアニーズに対応しながら、求める人材に選ばれる魅力的な組織作りをするために、組織と個人のニーズをつなげて、エンゲージメントを向上させることが、より一層重要になってきます。

これからは、多様なキャリアニーズと組織として求める人材を結びつけ、エンゲージメントを高める人材開発へと変化していくことが必要です。

エンゲージメントが高まるメカニズムとは?

エンゲージメントを高めるためには、以下のエンゲージメントサイクルを回し続ける事が重要です。

エンゲージメントが高まるメカニズム(=エンゲージメントサイクル)

①好意的な感情
②主体的な行動(自己決定感)
③行動に対する報酬

この3つの段階を踏んで、エンゲージメントは向上していきます。

エンゲージメント向上のメカニズムは、何かに「のめり込む」メカニズムと同じで、趣味に没頭したり、推し活にハマる時と同じステップです。

このエンゲージメントサイクルは誰が回すのでしょうか。

上司と回す、個人が自ら回す、仕組みやカルチャーによって回す、と3つの方法がありますが、人とカルチャーが相互に影響しあいながら回していくと効果的です。

その一方で、エンゲージメントを高め続けるためには多くの壁があり、エンゲージメントが高い状態を維持し続けることは難しいです。

エンゲージメントは個人と組織、個人と仕事の関係性を示す概念であるため、課題の多くは関係性の中で生じる適応課題です。そのため、エンゲージメント向上のためには、「場」を活用して関係性を再定義することが重要です。

関係性の問題を考えるうえで、2者間では適切な距離感を定義できません。適切な業務量や適切な人間関係の距離感は、あなたと私だけではない、第三者の存在によって相対化され、適切な関係を考える事ができるのです。社会環境や市場、第三者を介在させて関係性を相対化するために、「場」を活用するのがおすすめです。

関係性から生じる課題が多いエンゲージメント向上においては、誰か1人がエンゲージメントサイクルを回し続けようとするのではなく、「場」において関係性を客観視することが重要です。

エンゲージメントを高める研修デザイン

エンゲージメントを中心とした人材開発が注目される今、研修ニーズも多様化してきています。学習が個別化している状況に合わせて、スキル系の研修だけではなく、関係性を再定義する「場」としての研修へのニーズが高まってきています。

研修という「場」で対話をすることによって、職場や仕事との関係性を見直すことができます。エンゲージメント向上のために、定期的に関係性を相対化するための「場」を持つことが重要です。

研修という「場」を通じてエンゲージメントを向上するための具体的な方法は2つあります。

①現在実施している研修を、エンゲージメントを意識することで研修転移度合いを高める
②エンゲージメント向上を目的とした研修を企画する

インプット型とエンゲージメント向上を意識した研修の最大の違いは、「認知を変えるかどうか」にあります。

関係性を再定義するためには、認知を変えて、行動を変えることが重要です。

認知を変え、関係性を再定義するための研修の場のデザインでは、認知を変え、行動を変え、手ごたえの獲得を促すことが重要です。

認知を変える

認知を変え、エンゲージメントを高めるためには3つのステップがあります。

①内発的動機の向上 やらねばならない→やりたい

やりたい、と思う内発的動機を刺激するためには、楽しさを感じるか、目的が明確で仕事の結果に価値が感じられるか、自分自身のキャリア・将来につながる可能性があるか、という直接的動機を高める事が重要です。

②認知的不協和により再選択 インプット→自己決定

やりたい、という気持ちに反して、実際にはできていない事実に触れると、認知的不協和が起きます。認知的不協和に対して、自分はどうしたいのか自己決定、再選択することでとらえ方が変わっていきます。

③自己効力感の醸成 アクションプラン→手ごたえ

アクションプランを立てて実行し、「自分にはできる」という意識(=自己効力感)を醸成することで行動の手ごたえをつかみ、行動することに前向きになっていきます。

認知的不協和について詳しくはこちら

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行動を変える

そもそも、認知が変われば行動も変わりますが、行動変容にさらに良い影響を与えるために、「研修後どんな行動を起こしてほしいのか」、を具体的にデザインすることが重要です。

研修を実施した後に促したい行動を明確にして設計することで、研修の目的やゴール、扱う内容や伝え方を最適化することで、行動変容を促すことにつながります。

手ごたえの獲得を促す

手ごたえの獲得を促すためには、イベント型の研修から伴走型の研修に転換し、変化のフォローアップや確認を行うトランジションサポートモデルで研修全体を設計することが重要です。

研修機会を活用して、受講者が変わるきっかけを作るだけでなく、組織課題を見つけ、組織開発につなげていく事も必要です。

伴走型の研修によって、効果が見えやすくなるだけでなく、組織課題に気づき、考えるきっかけとすることもできるのです。

トランジションサポートモデルについて詳しくは以下です

セミナーアンケート(一部抜粋)

・認知を変えることの重要性を再認識と、それが一番むずかしいということの再認識。認知をどう変化させるかは一番の悩み。
・今までのセミナーにはない情報もあり勉強になりました。
・従業員起点で教育を考える必要性を感じました。
・認知を変えることでエンゲージメントが変化するサイクルが興味深かった。
・十把一絡げの階層別研修を見直して、状況にあわせた個人別研修に切り替えていかなければならないと思いました。
・研修によって、認識を変え、行動を変えるという流れを作れるように今後の企画時には意識していきたいと思いました

登壇者の声

これまで企業研修は、階層別研修という形が主で、長期的で、画一的な育成が行われてきました。しかし、人材流動化、人口減少が起こる現代において、他のHR施策と同様に変化していくことが求められます。研修という形で実施していた、部門を超えて複数人が集まる「場」というものの価値を再定義し、アップデートしていくことは不可欠かと思います。

まとめ

変化の激しいHRの領域では、関係性を再定義し、エンゲージメントを高めることの重要性が高まってきています。関係性を再定義するための「場」を設定し、人材の育成と組織開発の両軸で考えていくことがこれからの研修の価値であると言えます。

株式会社NEWONEでは「すべての人が活躍するための、エンゲージメントを」をブランドプロミスとして研修やコンサルティングサービスを通じて様々な企業様とご一緒しております。

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