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若手離職率7%を実現する新人育成3.0 vol.2~新入社員育成の変革ポイント~

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NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

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vol.1の内容を踏まえて、「新入社員育成の変革ポイント」をテーマにした、田中研之輔教授、NEWONEマネージャーとして新入社員育成の研修を数多く手がける小野寺のパネルディスカッションの様子を要約してお伝えします。

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新人育成をしている人事の皆さんはその研修を受けたいですか?

田中研之輔教授(以下、田中)「今皆さんが手がけている研修を、皆さんが新人だった時に、受けたいと思いますか?」と自分に聞いてみてください。受けたいんだったら実行してください。皆さんが、本当に新人の仲間に入って、そのプログラムを「受けたい!」と思えるのであれば、皆さんのプログラムは当たっています

本当の心の声を聞いてみてください。「受けたくない」って言う方が多いんです。それにも関わらず、「新人には必要だ」、と言う。本当でしょうか?

NEWONE小野寺(以下、小野寺):僕よりもう少し世代が上の方だと、「小野寺さんは若いからイマドキの子の気持ちがわかって、そういう育成が受けたい、って思うかもしれないけど、僕は30キロ歩くとか、そういう研修をやっていたので、僕らはそういう(イマドキの若い人の気持ちは)ちょっとよくわからないです。」と言われるんですが…。ご本人たちによくよく伺っていくと、本当にそういう30キロ歩くような研修を受けたい、というよりは、受けなきゃいけなかった、ということがあるんじゃないかと思うんです。

当時の研修を受けたいのか?でいくと、やり直せるならそういった当時の研修はやりたくなかった、という方は結構多いんじゃないかな?と思うので、研修を作っている皆さんの気持ちに合っているかどうかは大事ですよね。

田中:新人育成のポイントは、とにかく透明性です。公開できるくらい透明度が高いと、やっぱり新人にとってもそこにいる自分たちの存在意義を再確認できるんですよ。

やっちゃいけないのは、「今日の新人研修に関してはどこにも言ってはいけない」、ということです。これ、まだ残ってるんです。

もっと若手を応援して、信じましょう。合言葉は、「皆さんが受けたいですか?」皆さんが、今のこのハイブリッドな複線的なキャリア形成が可能になったこの時代状況の中で新人だったとして、皆さんが受けたい研修を作ったほうが良いなと思う。

小野寺:「応援する」という感覚がすごく大事ですよね。

田中:新人だからこれくらいしかできないでしょ」、という目線は「ひょっとして我々は間違っているかもしれない」と思ってみるほうが良いと思います。

意外と任せてみるといろんなことができるから、そういう組織を作るための新人育成3.0 だと思っていますね。

小野寺:育てる側、育てられる側、という関係を崩していくのはすごい大事ですよね。

Q 新人にしっかりと教えてほしい、という現場の新人育成に対する考え方との共通認識の取り方

田中:しっかりと教えます。ただ、教え方に工夫が必要なんです。

例えば基礎スキルに関しては復習ができたら身につくので、トレーニング型で進めることが重要です。1から20を手元の紙資料を用いて、何時間もかけて解説していくことはあまり良くないですね。

今の若手は、パーソナライズにカスタマイズされたスキルアップを訓練されてきている。それなのに、また一括採用、一律研修をすると、ミスマッチが起きてしまいます。

そこで、1番若手が辞めてしまう理由は、簡単な話、会社に魅力がないんじゃなくて、その人たちの能力に合わせたプログラムを実施していないところにあります。だから飽きてしまうんですよ。「つまらない」と思って、錯覚してしまう。皆さんの会社は宝の山なのに、本人たちはそれに気づく前に「なんだかこれからやっていけないな」と思ってしまって、辞めていくんです。そうならないために、皆さんの能力はここでこうやって育成できるし、発揮できることを伝える、実感してもらう事が重要です。だからやっぱり任せてみることが効果的です。

小野寺:やっぱり、新人が教えてほしいと思っていることを教えてあげることが大事だと思います。本当に現場が望んでいることは、「知識をたくさん教えておいてほしい」、ということなのかな?と疑問に感じます。現場に出てから失敗できることに関してはむしろ失敗して、すごく勉強できましたっていう主体性を現場配属の前の研修でどれだけ育んでおくかが重要かなと思います。

田中:そうですね。だからプラクティカルで実践的な練習試合を組んだほうがいいんです。もっと本人たちの経験や能力に合わせていくためにテクノロジーってあるんじゃないかな。

Q 短いスパンで新人研修をやるのは分かる、でも実際の仕事は違うのでは?

田中:イマドキの若手の特性は、やらされて聞いている時の集中力は短いけれど、自分で集中していることに対しては長時間集中できます。そこにヒントがあって、全部の研修コンテンツを短時間・短期間にしたら良いというわけではなくて、飽きてしまうと集中力が続かないということなんです。だから、当事者意識を持って集中させるっていう仕組みを作る事が重要です。

仕事に関して言えば、新人が自分から主体的に動くことが重要で、そのためのキャリア自律なんです。新人が夢中になって集中している、という状態を作ることができれば、若手がキャリアをグロースさせていくことにつながります。

Q 新人育成3.0が当てはまらない組織でもこの育成方法は効果が出るのか?

田中:新人育成3.0が当てはまらない組織は、効果で言うとないと思います。実際には新人育成3.0ができないっていう企業さんはまだあると思う。ですが、そこで変わらなかったら、組織自体が沈みます。なぜなら優秀な人材から抜けていくんだから。

しかし、「それは市場の変化だから」だとか、「自分たちの事業モデルがあっていないからだ」、と言う責任者の方も中にはいらっしゃるんですが、それは違います。

人的資本経営が重要なんです。人をしっかりキャリア開発で伸ばせば、事業グロースも後からついてきます。事業を伸ばすために人をアサインするんじゃなくて、人を伸ばしていくから事業が伸びるんですよ。

Q 社内の環境整備が先か、新入社員のキャリアの意識づけが先か?

田中:現実的には、大きな組織改変をするのはなかなか難しいけど、スモールアクションは必ず続けたほうが良いですね。

客観的でデータドリブンに、属人的な要素を排して、こういうプログラムを実践したら何%若手の組織内エンゲージメントスコアが上がった、っていう風に語る必要性があります。そこにテクノロジーとキャリア開発、まさに新人育成3.0のフィールドがあるということです。

小野寺:こういう場じゃないと言えないことですが、配属先から辞めることを「絶対ダメだ」という風にしてしまうと、キャリアの環境整備としては苦しいかなと思っています。

自分の身近にいるロールモデルを洗い出してみましょうという、という研修をすると、自分の身近には良い要素を持っている人が少なくても、「同期の〇〇の近くにいるんだな」「自社にはまだまだ自分のキャリアの可能性あるんだな」、と感じられます。配属先でうまくいっていない方も、「この会社内での流動はまだあり得るな」と感じる機会を、入社半年から1年後くらいの時期から作っておくと、部署では合わなくても自社内で人的資本を育て続けられます。

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