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チームエンゲージメントが下がってしまう要因

チームエンゲージメントが下がってしまう要因

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※本記事は、「対話が決め手」実践エンゲージメント読本から一部抜粋しています

今、日本の職場の多くで生じているマネジメントに関わる問題を解決するためには、やはり一番身近な存在であるチームでのエンゲージメントを高めていくことが鍵になります。そこで、「チームエンゲージメント」にスポットをあて、どのようにすれば「チームエンゲージメント」を高めていくことができるのか、これまで多くの職場で行ってきた実践から得られた知見をお伝えしていきたいと考えています。

ここで、チームマネジメントは、なぜ下がってしまうのか、その理由を考えていきたいと思います。
入社から今までを振り返って、ご自身のエンゲージメントが一番高かった時期のことを思い出してください。
それはいつでしたか?

「もう思い出せない…」「今が一番エンゲージメントが高い」など様々なお答えがあるかと思いますが、入社したばかりの時、転職したばかりの時を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

実は若手社員に対して行ったエンゲージメント調査で、一番高い時期は入社式直後で、それからエンゲージメントはどんどん下がっていく傾向にあります。これは中途採用でも同じ傾向が見られます。基本的にエンゲージメントというものは、特になにもしなければ、低下し続けていくものなのです。

なぜ社員のエンゲージメントは時間が経つと共に低下してしまうのでしょうか。

そもそも、入社直後の新入社員のエンゲージメントが最も高いのは、至極当然のことと言えます。新入社員たちは、その会社のビジョンやパーパス、カルチャーや人事制度、いきいきと活躍する先輩の姿や働きやすそうな職場環境…など、入社までの採用プロセスにおいて会社側から提供された情報に惚れ込み、「会社」に“エンゲージ”した状態    で入社しているものだからです。

ところが、入社後は、「会社」ではなく「チーム」に配属されることとなります。
残念ながら、同じ「会社」であっても、「チーム」の状態は様々です。新入社員が惚れ込んだ「会社」と、実際に配属された「チーム」との間にギャップを感じてエンゲージメントが低下してしまうのは、ある程度防ぎようのないことです。
入社直後のエンゲージメント低下に対しては、配属前後に「会社へのエンゲージメント」を「チームへのエンゲージメント」に転化できるかどうかが、鍵となってくるように思います。

しかし、その後もエンゲージメントは低下し続けます。そこには    3つほど要因が挙げられます。

エンゲージメントが下がる理由1:仕事の意味を見失う

「働きがい」を感じて働くために最も大切なのは、自分の仕事は誰のなんの役に立っているのかといった「仕事の意味」を理解し、それを実感できる機会を持つことです。入社直後は、志望動機や入社理由に立ち返り、自社が社会の中でどのような価値を発揮しているのか、誰のため、何のためにその会社が存在しているのか、その中で自分はどんなことがやりたいのかなど、入社時に実感した「仕事の意味」を意識しながら過ごしています。

しかし、社員が手掛ける仕事は会社内、チーム内の仕事のごく一部分であり、「仕事の意味」は徐々に失われていきます。上司や先輩から意識的に継続的に伝えられない限り、社員、特に若手社員が「仕事の意味」を実感するのは難しいものです。

にもかかわらず、「仕事の意味」、「なぜその仕事をするのか」といったことを伝えるコミュニケーション機会というのは減る一方です。メールやSNSなどIT技術の発達により、必要な情報を瞬時に伝達することができるようになったものの、同じ職場で机を並べ、長い時間一緒に働いていた時代にあったような雑談やちょっとした声掛けはしにくくなりました。

まして、リモートワークともなると、業務上必要な情報以外の内容を伝えることへのハードルはだいぶ上がりますし、顧客と直接会ったり、話したりする機会も失われるなど、仕事自体の手ごたえも薄くなっていき、エンゲージメントは低下し続けることになります。

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エンゲージメントが下がる理由2:チームや上司との“いい関係”が築けない

「貢献意欲」とは、「誰かのためにがんばりたい」という気持ちですので、そこには必ず「宛先」があるものです。チームへの愛着、周囲の人を大事に思う気持ちがないと、チームの人たちのためにがんばりたい、周囲の人たちに貢献したい、という思いを引き出すことはできません。

そのためには、チームメンバーとの間に“いい関係”を築く必要があります。“いい関係”というのは、単に仕事を一緒にするだけで築けるものではありません。

仕事をするうえで何を大事にしているのか、どんな思いを持っているのかといった価値観や、なぜその仕事をしているのか、といったお互いの背景を知り、お互いを認め合うことができないと、心から「このチームに貢献したい」「チームの人たちのために頑張りたい」という気持ちが沸き上がることはありません。

相手の想いを知り、相手の背景を知るためには、業務上の情報交換とは異なるコミュニケーション機会が必要です。

エンゲージメントが下がる理由3:自分の能力を発揮し貢献している手応えが無い

自分の能力発揮によって、チームに貢献ができている、という実感があるかどうか、ということもチームエンゲージメントに大きな影響を与えます。

特に若手社員には、自身の成長感、達成感を重視する傾向が強く、多くが「なぜこの仕事を自分が任されたのか」「この仕事を通して何が身につくのか」といったことに納得感をもって仕事に臨みたいと考えています。

しかしながら、あらゆる仕事が高度化している今、若手社員が任される仕事の中で大きな成長感、達成感が感じられる仕事はそう多くないのが現状です。

また、人はだれしも自分ならではの価値を発揮したいと考えているものですが、リモートワークなども増え、上司、先輩との関わりが減ったことにより、

「作ってくれた資料が見やすくて工夫されていて良かったよ」
「お客様からとても対応が丁寧で良かった、と言われたよ」などと、

日々の仕事の中で、ちょっとしたことを承認されるようなコミュニケーション機会が減ってしまっているということもあります。

「仕事の意味を見失う」
「チームメンバーや上司との“いい関係”が築けない」
「自分の能力を発揮し貢献している手応えが無い」

なぜこのようなことが起きているのでしょうか。これらはどれも、コミュニケーションの量と質が不足してきていることが原因となっています。仕事の効率化、個業化が進み、コミュニケーション機会が少なくなっていたところで、コロナ禍となり、職場のコミュニケーションは、チャットツールやオンライン会議ツールなどによって行われることが多くなりました。これらのコミュニケーションツールによって、「情報伝達」は容易になりました。

しかしながら、これまで「情報伝達」とは別のコミュニケーション機会に行われていた仕事の意味、仕事をするうえで大事にしている想いや価値観など、「想い」「認識」「考え方」といったものを伝えあうコミュニケーションは極端に減ってしまいました。

こうしたコミュニケーションが少ないと、お互いの「想い」「認識」「考え方」に違い、ズレ、勘違いが生じていたとしても気づきません。そのままでも仕事自体を進めることができますが、納得感が無いままでは、仕事の意味や意義を感じることができず、エンゲージメントが低下していきます。コミュニケーション不足によるエンゲージメント低下の影響は、若手社員ほど大きく、放置していると離職につながりかねません。

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