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職場全体で取り組む、若手社員のラストマンシップ醸成

職場全体で取り組む、若手社員のラストマンシップ醸成

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著者

池本 大輝

著者

池本 大輝

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員・若手から管理職まで幅広い階層を支援している。また、組織開発の一環としての社内イベントの企画・運営を行う。

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近年、多くの企業が若手社員の育成をOJTトレーナーやメンターだけでなく、職場全体で支援する取り組みを進めています。その背景には、企業が求める基準を満たす人材を育てるためには、一部の担当者だけに依存するのではなく、組織全体での関与が必要であるという考え方があります。

しかし、実際の現場では若手社員の育成がOJTトレーナーやメンターに任せきりになってしまいがちです。
その結果、若手社員が身につける仕事の基準が、トレーナー個人の価値観やスキルに左右され、組織が本当に求める水準に到達できないケースも見られます。

今回は、企業が求める基準を満たし、いざというときに責任を持って最後までやり遂げる「ラストマンシップ」を備えた若手社員を育成するために、職場全体でどのように関わるべきかを考えます。

1. 若手社員が覚悟を持てるよう自己決定を促す

ラストマンシップとは、単なる責任感ではなく、「最後までやり遂げる覚悟」を意味します。
若手社員がその覚悟を持てるようになるためには、「やらされる」姿勢ではなく、自らの意志で仕事に取り組むことが不可欠です。

これを実現するには、単に業務のやり方を教えるだけでなく、仕事の意義や期待される役割をしっかりと伝えることが大切です

例えば、「この仕事が成功すれば、チーム全体の成果につながる」「自分が最後の砦となり、責任を持つことが組織への貢献になる」といった視点を共有することで、若手社員が主体的に挑戦する意欲を高めることができます。

2. トレーナーとの約束ではなく、組織との約束にする

育成がOJTトレーナーやメンター任せになると、若手社員の意欲はOJTトレーナーやメンターに依存します。
このような状況になると、「この人の指示・指導だから従う」という意識に陥りがちです。

しかし、ラストマンシップを持つ社員を育てるには、OJTトレーナーなどの「個人との約束」ではなく、「組織との約束」として仕事に取り組む姿勢を養うことが必要です。

例えば、トレーナー個人の育成基準ではなく、職場全体として共通の基準を設けることで、若手社員が「組織の一員として最後までやり遂げる責任」を実感できるようになります。

また、成功事例を共有し、「この仕事のラストマン(やりきる当事者)は誰か?」という視点を取り入れることで、若手社員が自然と組織全体の視点で仕事を捉えるようになるでしょう。

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3. 組織全体で支援・応援をする姿勢を見せる

ラストマンシップを持つ社員を育てるには、「もし困ったり、やりきれそうにない時にどうしたら良いか」を若手社員自身が理解できている状態にすることが重要です。

このような状態を作るためには、OJTトレーナーだけでなく、上司含め職場全体でサポートできる体制が必要になります。

例えば、ベテラン社員が「困ったときにどう対応するか」をアドバイスし、上司が「最後の責任をどう引き受けるべきか」を伝えることで、若手社員は「組織が自分を支えてくれる」という安心感を持ちながら、自ら最後まで責任を持つ意識を育むことができます。

また、若手社員が失敗した際には責めるのではなく、どうすれば次に成功できるかを一緒に考えることで、「最後までやり遂げる姿勢」を養う機会に変えることができます。

おわりに

企業が求める基準を満たし、最後まで責任を持って行動できる若手社員を育成するためには、OJTトレーナーやメンターだけでなく、職場全体での関与が不可欠です。若手社員が覚悟を決めて仕事に向き合えるよう促し、トレーナー個人ではなく組織との約束として行動を定め、職場全体で支援する環境を作ることが、ラストマンシップを持つ社員の育成につながります。

若手社員の「ラストマンシップ」を醸成するためには、日常業務の中で「ラストマンシップ」を意識させる仕組みや、職場ぐるみで「ラストマンシップ」を評価する文化が重要です。ラストマンシップをキーワードに、若手社員が自発的に責任を持ち、最後までやり遂げる力を育てる環境を作っていきましょう。

若手社員の「ラストマンシップ」を醸成するためにも、組織全体での関与を意識し、共に成長を支える職場づくりを目指していきましょう。