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「不満の声」を「当事者意識」に転換させるには

「不満の声」を「当事者意識」に転換させるには

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著者

長畑 和子

著者

長畑 和子

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員・若手から管理職まで幅広い階層を支援している。また、キャリア自律をテーマとした新商品開発や社内の新入社員育成の推進メンバーとして組織風土づくりに取り組んでいる。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

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人事施策を実施していると、ある時は新入社員から、またある時は管理職から「もっとこうしてほしい」と不満の声が上がってきた、という経験はされたことがありませんか?

そういった声を耳にしたことがある方の方が多いのが実態なのではないかと日々ご支援をしていると感じます。これらの「声」をただの「不満・愚痴」とするのではなく、「当事者意識」に転換させられたら素敵ではないか?と考え、本記事を作成いたしました。

過去の経験を再定義し、未来の経験に意味づけを行うもの

そもそも、人が何か「不満」を言う(言いたくなる)のはなぜでしょうか?

それはいたってシンプルで「自分自身に何かデメリットが発生しているから/自身の価値観や思想に反するものであるとストレスを感じているから」。
もっとこうしてほしい、こうならないのか。
そういった感情が沸き起こった時、この問題を軽減・解消するために、人は不満を言うという手段に出るといえます。

ですがそもそも、組織の課題は、様々な背景・状況が複雑に絡み合って生まれていることがほとんど。特定の何かが一つ、変わることですべての問題がなくなる、ということはまずありえないのが現実です。
立場があればそれだけの役割(と紐づく主張)があり、不満になりうる種があります。

だからこそ、実体を持たない組織が上手く成り立って行くには、1人1人の不満を当事者意識につなげることがとても重要になります。

それはどのようにつなげるのでしょうか?

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。

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当事者意識を育むうえで向き合いたいこと

ポイント①:自身が感じている問題の当事者は誰か?

完璧に白黒分けましょう、ということができず、グレーなところもあるものだからこそ「私にはまったく、みじんも関係ない」と言い切れることの方が少ないことに

目を向ける、少しハッとする瞬間を作ることが大事になると考えています。
ここでキーになるのが「一旦、今感じている問題をあえて無責任に吐きだし切った後に、上記の問いをふと、本人に投げかける」というプロセスです。

自分の役割範囲の中だけに意識をとられていないか。
全社最適・チーム最適ではなく「自分最適」へと視座・視野が狭く低くなっていないかに向き直るステップが大事です。

ポイント②:当事者意識=すべてに問題意識を持つことではない

では、今自分自身が感じている問題すべてに対して、「自分の視座・視野を広く高く持つことで解決しようとする」ことが当事者意識を持つということなのでしょうか。

もちろん、それが体現できれば理想ですが、制約もある中で現実的に難しいでしょう。ここで大事なのは「当事者意識をもつ=自分が意思をもって行動する範囲を考え決める」という点にあります。

例えば、「すべての問題に自分でできることを考えます!」というAさんよりも「プロジェクトに対して年末内の実施にむけて、早速上司に協力を仰ぎ論点整理します」というBさんの方が、自分で考え行動する姿勢が感じられないでしょうか。

組織は1人ひとり、違う価値観や立場から作られます。
改めて注目したいのは「各自が感じている問題(不満)がある=もっと現状がより良くなる伸びしろに気づけている」という点です。

気づいている問題に対して、自分にできることを少し考えてみて後押しをする、そこから自分でも変えられること・工夫できることがあるかもしれないぞ、と気づかせる設計で不満を当事者意識に切り替えてみませんか。