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階層別研修とキャリア研修の差別化をどう図るか?重複感の是非に向き合う

階層別研修とキャリア研修の差別化をどう図るか?重複感の是非に向き合う

NEWONE事務局

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NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

どんな研修があるか見てみる

人材の流動化の加速、若手層を中心とする労働観の変化、ジョブ型雇用の浸透等を背景に、「キャリア自律=自らの意思で、自身のキャリアを主体的に描く」というメッセージがここ数年でよく聞かれるようになりました。「キャリア研修」の位置づけも変わり始めるとともに、各社様でのキャリア研修の実施数も数年前と比較しても伸びています。

また、一連の流れの中で、キャリア自律はいち階層施策のいちテーマというより、管理職層も含めた複数階層への介入による風土づくりという側面を持つようになりました。

しかし、キャリアに関する研修が拡充される一方で、昔からある階層別研修では3年目~7年目の階層を中心にキャリアを扱うこともあり、若手層に求めたいマインドセットとキャリアのテーマで重複感が生まれることもあって「それぞれの目的をどうセットするべきか」「結局何やったらいいか分からない」「逆に、階層別研修で何を扱うべきか迷う」というご相談をもらうことが増えてきました。

こちらの記事では、キャリア施策についての現状を整理したうえで、各社でのキャリア研修の狙いと階層別研修の狙いを紹介しつつ「それぞれの目的や狙い、コンテンツをどのように整理するか」という観点で、各社の取り組みや課題等をご紹介しながら一緒に考えていきます。

◆こんな方におススメ

  • 階層別研修、特に若年層研修とキャリア研修の線引きがあいまいに感じている
  • 「キャリア研修」を実施しているが、いまいち手ごたえが感じられない
  • 他社の事例や取り組みについての情報が欲しい

(※本内容は、2024年8月26日実施セミナー「階層別研修とキャリア研修の差別化をどう図るか?重複感の是非に向き合う」の内容をまとめたものです)

階層別研修・キャリア研修はいずれなくなるのか?

 結論、階層別研修は、会社として成し遂げたいものやそれに対する人物要件を定義している以上、なくならないと考えています。前提、階層別研修は、会社の理念や人事制度に基づいた「能力成長」に対して設計するものであるため、このような組織構造をとっている限りなくなることはないでしょう。

キャリア研修に関しては、すぐには無くなることはないですが、特に若年層向けのキャリア研修に対する位置づけは世代の価値観の変化と共に、徐々に変化すると考えています。以前は、成功基準が一律の”組織内キャリア”が主流で、若手社員の多くも正解探しの文化で育ってきました。

しかし、現代社会においては正解が定まってない”キャリア自律”が求められているため、キャリア研修を通じてキャリアオーナーシップやジョブクラフティング等「自分にとって」のやりがいや目的(心理的成功)を意味づけをしていく必要があります。

どこが重複していいのか、させるべきか?

 階層別研修とキャリア研修において、会社から求められている役割に対して「自分にとってどんな意味があるのか」、「なぜ今の会社に存在しているのか」を考えることが重複するのは良いと考えます。

最近の若手の特徴として、「この会社で働き続けていいのか」「他社の同期に比べて成長しているのか」という不安が募って辞める傾向にあります。変化の激しい現代では、不安や悩みを完全に解消することは難しいため、不安や悩みがある前提で自ら仕事を面白くする技術を得ることが重要です。

そこで、階層別研修をする際は会社が求める役割定義を一方的に押し付けるのではなく、「この役割は自分にとってどんなメリットがあるのか」「会社の理念と自分をどう紐づけられるか」と自分なりに意味づけることで、エンゲージメントを高めることができます。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。

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もし今の研修に変化を加えるとしたら?

自律型エンプロイアビリティ

 大前提、「人材の流動化」の時代において「社内に留めること」に限界があります。企業は、働き手から選ばれる立場へと変わってきていることを 認識し、働き手から選ばれる魅力(エンプロイメンタビリティ)を高める必要があります。人材が育つ組織として自社をアピールできなければ、優れた人材を採用し、定着させることは難しくなるでしょう。 他方、働き手には、自身のキャリアビジョンを描き、主体的に社内外における自身の価値

(エンプロイアビリティ)を磨いていく意識と行動力を持つことが求められています。高いエンプロイメンタビリティを有する企業と、優れたエンプロイアビリティを持つ働き手が互いに「選び合い」、組織の目標と働き手のキャリアビジョンのベクトルを合わせて、ともに成長していくことが重要です。そこで、研修では「選ばれる自分づくり」になるためのアクションを考える要素を入れると効果的です。

トランジション

 我々人間の脳は、節目節目における刺激によって認知に転換が起きると行動変容が起きる構造になっています。幼稚園から小学校に上がった時、学生から社会人になった時、新人からOJTトレーナーになった時など、全ての移行期(トランジション)において必ず何かを手放し、何かを新たに得ています。階層別研修は、年次が上がったタイミング・昇格したタイミングで実施されることが多いので、トランジションにおける「やめること」と「始めること」を明確にすることが重要です。

セミナーアンケート(一部抜粋)

  • キャリア研修のどんな要素を今後の階層別研修に活かすポイントを教えていただきました。
  • キャリア研修⇒階層別研修へのつなげ方、マインドセットの考え方、参考になりました。
  • 階層別とキャリア研修では、全く違うものを準備しなければ受講側の満足度は上がらないのかと悩んでいましたが、重複があってもよいと客観的視点から伺えたことで、すっきりすることができました。有意義な1時間をありがとうございました。
  • キャリアという言葉ではなく、その目的や位置づけに応じて施策検討を行う必要があると改めて認識いたしました。
  • 人事を担当して期間も短いため、用語も飛び交って混乱してしまいましたが、勉強になりました。

登壇者の声

階層別研修やキャリア研修を長らくご支援させて頂いておりましたが、いずれも「受講者にとってのめんどくさい研修を、ファシリテーションの中で彼ら彼女ら自身に意味付けする」ということが必須となっておりました。しかし人材流動化の時代、自分でエンプロイアビリティを高める時代になれば「意味付けされなければエンゲージできない」方は自然と居づらくなる組織が増えてくるのではとも思います。躾けられた自律から、自然と自律する世界も、そう遠くないのかもしれません。

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