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昨今ハラスメントへの意識が高まり、「若手を叱ってはいけない…」と感じて、言いたいことが言えなくなっているというマネージャーの皆様のお悩みをよくお聞きします。
そんな中、TBSドラマ『不適切にもほどがある!』第1話にて若手の女性社員が放った一言は、マネージャーの皆様にとってはかなり衝撃的に聞こえたのではないでしょうか。
ドラマ内で上司との関係性に悩みふさぎこんでしまった女性はこう言いました。
「叱ってほしいんです」
マネージャーの方々のお悩みと正反対の言葉が出てきたこのシーンからも考えられるように、果たして本当に「若手は叱ってはいけないのか?」という問いについて、若手世代ど真ん中の私自身の考えも含めてお伝えできればと思います。
先日、今年就職した大学時代の同級生がこのようなことを言っていました。
「周りの人は本当に優しくて、のびのび働けているんだよね。でもフィードバックをもらったことがなくて。だからたくさん褒めてもらっていても、このままで良いのか、本当はダメなのか分からなくて不安になる」
古屋星斗氏の『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか』では、このような若手の不安は近年増えており、この不安を「キャリア不安」と名付けています。「居心地はいいけど、このまま社会で通用する人間になれるのか不安」というように、不確定要素の多い社会の中で、自分はこのままこの会社で働き続けても大丈夫なのか?と不安になる若手が増えているのです。
このことから、若手に不満を持たせないように「のびのび働かせる」育成よりも実は、不安を解消するために「のびしろに気づかせる」かかわりを若手は求めていると考えられるのではないでしょうか。
私個人の話になりますが、弊社ではフィードバックの文化が強く根付いており、私も入社当初から上司に多くののびしろに気づかせてもらいました。もちろん初めは、自身の至らなさを痛感するフィードバックをつらいと感じることもありましたが、今となっては本当にありがたく感じています。
というのも、若手のうちはまだ自分の型が定まっていなかったり、自分のあり方ややり方への自信が持ちづらかったりする中で、自身の「のびしろ」を客観的に知り、自身がやるべきことを考えられるかかわりが非常にありがたかったのです。
必ずしもすべての若手が「のびのび」よりも「のびしろ」を求めているとは限りませんが、多くの不安を抱えている若手社員にとっては、この会社、ひいては社会で生きていく上で自身ののびしろを教えてくれる上司は貴重な存在なのではないでしょうか。