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若手のキャリア自律は離職には繋がらない

若手のキャリア自律は離職には繋がらない

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著者

降籏 光星

著者

降籏 光星

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員・若手の育成体系作りから管理職主導の組織開発等幅広い階層を支援している。また、一般企業だけでなく大学でもキャリア自律をテーマに支援をしている。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

どんな研修があるか見てみる

先日、新入社員フォロー研修を実施致しました。

事前アンケートをお取りした際には「仕事が面白くない」、「やりがいを感じるのが難しい」というリアルな声が挙がり、「今後の自身のキャリアに不安を抱えている」という声が多い現状でした。

そこで今回は「自身の仕事の捉え方を変え、今後の自社でのキャリアを考える」という内容を設計し終日ご一緒させて頂きました。

研修内でファシリテーター含め全員で現状を可視化する為に、①過去の満足度②現在の充実度③未来への期待度を点数付けして振り返りましたが、ほとんどの受講者の未来の期待度が低く出ている傾向にあり、深掘りすると「自分への自信がない」、「不安が大きい」という悩みを抱えている受講者がほとんどであることが分かりました。

「これといった成果を出せていないから今後も出せるか不安」
「キャリアを考えた事がないから未来に対しての期待を言われると難しい」
「正直やりたい仕事ができている訳ではないので今後も不安」
という生々しい声が多く挙がりました。

半日ご一緒させて頂く中で、仕事が面白くないのではなく、自分に自信が持てずに環境に目が向いている受講者が多くいる事が分かりました。

後半パートでは今よりも少しでも未来への期待度を高める為の1歩を踏み出すをテーマに実施させて頂いたので少しだけ中身を紹介致します。

具体的なステップは以下の通りです。

カレンダー が含まれている画像

自動的に生成された説明

午前中に振り返った経験を基に「未来に対しての再現性を高める事」を趣旨として大きく3つのステップで実施致しました。

Step2:これまで学びとして得たと感じている物から更に1段深めた気づきを促す
Step3:得たスキルをロジックツリーを活用して今まで以上に細かく細分化する
Step4:漠然とした未来から考えるのではなく、選択肢から選び1歩を踏み出す
(各Stepについて具体的な内容を知りたい場合はお問い合わせください。)

特にStep2でのスキルを細かく細分化し明確化するワークでの気づきは今回の受講者にとっては大きく、自信の獲得に繋がったと感じます。

ダイアグラム

自動的に生成された説明

この様に一見成長を感じられない、成長実感がないという状況においても細分化してみると大きな気づきに繋がることもあります。

今回の研修においては「上司を巻き込んだ新提案」をした受講者がいました。
本人としては新提案も通らずに、身に付いたスキルもなく成長実感もないという状況でしたが、上記のフォーマットを活用し棚卸をすると①交渉力やコミュニケーション力②新しい企画を考える発想力③情報収集力という要素が挙がりました。
更に得たスキルを分解すると9個ものスキルが可視化でき、成長を実感する機会に繋がったと感じます。

上記で可視化し、自身の成長実感を感じると未来に対する期待度、ワクワク感が醸成されます。今後どの様なスキルを得ていきたいかという問いには全ての受講者が何かしらのスキルをワークシートに書き出し、受講前との違いを感じました。

どの企業でも若手のやりがい問題は出てくると思います。とはいえキャリア自律を促すと離職に繋がるという考えも分かります。
ただ、キャリア自律はポジションで捉えるのではなく、得たいスキルを可視化し、それを自社と紐づけてあげることが離職にも繋がらずにエンゲージメントを高めることに繋がると感じました。

特に自分に自信がないという課題に目を向け適切な振り返りの機会が何よりも重要な事であると感じたフォロー研修でした。