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多種多様な研修を取り扱っております。
目次
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2023年の傾向から紐解く、新人育成のポイント
新人研修を振り返り、24年度の新人研修の準備を始める時期になってきましたが、新人研修の「効果」はどのように測っていますか?
何をもって「良い新人研修ができた」といえるのでしょうか?
働き方やキャリア観の多様化により新人育成においても1つの「正解」はなくなったといえるでしょう。
今回は、立教大学経営学部教授の中原淳先生をお招きして、自社にとって「良い新人育成」は何なのか、「自社に効果的な新人育成」をするためにどう育成設計をすべきなのかを紐解いていきます。
(※この記事は、10月13日に行われた「中原淳教授と考える「キャリアモデル無き時代」の新人育成の設計方法」セミナーを要約したものです)
◎個別性が高いからこそ、特性に合わせたアプローチが必要
早期離職の主な原因の1つに「キャリアが見えない」というのが挙げられますが、今の世代のキャリア形成の特徴、難しさ、障壁になっているものってなんだと思われますか?
個別性がとても高いことですね。
全体的に、一つの企業で長く勤めるというキャリア観は年々減少しているということはいえると思います。あくまで私の周りの学生は、の話にはなりますが、よく言われるエース級人材は、「ハイメンテナンス人材」ともいえます。自分のスキル・能力を高めたい、若いうちは経験資本をためたい、という思いが強いので、職種の規模を変えたり、面白い仕事を与えたり、適切にフィードバックを与えたりしなきゃいけないし、辞めやすい人材でもあります。
ビース・シース人材においては、ワーク・ライフバランスへの執着はすごく持っている印象です。
なるほど。人事さんは新入社員に対して公平に接しなきゃ、という感覚があると思うのですが、企業側もエース人材とそうでない人材へのアプローチを分けてやる時代、になってきたということでしょうか。
そうだと思います。ですが、びっくりするくらい、全国平均で見た時、日本企業はまだまだ長期雇用・継続内部昇進・長時間労働の3点セットのまま変わってない。選ぶ時代から選ばれる時代になってくる時に、選ばれない企業が増えていくんじゃないかと危惧しています。
1on1などを導入する企業も増えてきていますが、これも相手によって差をつけるべきでしょうか。
日本の企業は特に多くの社員になるべく長く働いてほしいという思惑があるなか、優秀層だからといって、ほっといて良いわけではなく、逆に引き止めの施策が必要になります。そういう意味で、1on1はリテンション施策になり得ますね。
◎決めてもらうために、自社の”色”を明文化して伝える
先ほど企業が選ぶ時代から選ばれる時代になる、という話がありましたが、「選ばれる企業」というのは、自社の色を出していける企業ということですかね。
そうですね。「こういうやり方でやっていく」という自社の方向性がしっかりあって、それが入ってくる人材と合致して初めてエンゲージ(=結ぶこと)できる企業が選ばれるし、定着してくれるってことになります。
採用・内定の瞬間がエンゲージの始まりだと思うのですが、採用時にどういう価値を社会に提供していくか、どういう人材育成をしているか、をちゃんと伝えて合有することが大事になってきてますよね。
やっぱり面接時に伝えたメッセージと入社後に伝えるメッセージが大きく異なると、「こんなはずじゃなかった」というギャップを感じて離職につながりやすくなります。
「自分達はこういう企業だ」とちゃんと伝えて、理解したうえで入社した方が、納得感が出ますよね。ここでも「なぜ?」に答えることが重要です。
それが本人にとっても、会社にとっても良いことですよね。
そうですね。僕が学生に言っているのは、①儲かっていて、②事業経験が積める企業であり、③魅力的な先輩・上司がいる企業がいいということです。あとは、k悪ことに慣れている企業。
なるほど。「変わることに慣れている」というのは新しいですね。
コロナ禍でも在宅になったり仕事のやり方をスムーズに変えられた企業がありますが、何が起きるかわからない、先が読めない時代だからこそ「変わること」に躊躇いがない企業は強いと思っています。
◎中間管理職・リーダー層が育成に充てられる時間をつくる
人材不足の時代、入社してくれた社員に自社でキャリアを築くことに前向きになってもらう、定着してもらうために必要なことはなんだと思いますか。
これに関しては魔法の粉・魔法の杖はない!
管理職・リーダークラスの関わりが一番だと思いますね。
どんな調査をやっても、「丁寧に仕事を説明される」「言行一致している」「傾聴してくれる」「上の人のワークライフバランスが保たれている」という項目が重要なキーになっています。中間管理職のマネジメントを機能させることが重要です。
管理職・リーダークラスの育成力を高めることが大事ですよね。
管理職育成に力を入れようにも、管理職も「今更学ぶの?」という状況になっている会社もあると思います。人事の側面でできることはなんでしょうか。
一番は、管理職の待遇改善、仕事を減らしていくことです。
管理職が武器を持っていないのであれば育成をしていくことが必要でしょうね。
「管理職がやらなくてもいい仕事」を管理職の方がたくさん持っている状態はやっぱりよくないので、とにかく管理職を元気にしてあげることに尽きるのではないかと思います。
管理職がマネジメントに当てる時間を増やしたり、管理職が働きやすい環境を作るために何ができるかを考えることが、人事としても必要になるんですね。
そうですね。管理職の評価基準に育成が含まれている企業もあるように、「自分の時間のうち3割は育成に充ててください」と明言していいと思いますね。そういった管理職に対するメッセージング、時間資源を与えることが必要です。
◎自律を促す他律的支援
リクルートマネジメントソリューションズの調査によると、年々「自律的な行動が苦手」という人材が増えているそうです。
若い方がより自律的な行動をするためには、本人や周りはどうすればいいのでしょうか?
とにかく成功体験を積ませること。成功したことに対してフィードバックを与えること。これを繰り返していくと段々と自信が持てるようになり自然と自律的になります。
自律的であるためには、他律的である、他から支えないといけないんですね。
だから僕は、サポートするときはいつで、フェードアウトする時はいつか、を常に考えている。
フェードアウトするタイミングですか。
僕は最近、娘を自転車に乗せる練習をしているんですが、なんだか似てますね。いよいよ補助輪を外す段階に来たのですが、後ろで支えながら転ばないちょうど良いタイミングで手を離してあげないといけない。なかなか大変です。
ナイス例えですね。人材育成もまさにその通りです。
人材育成は「研修満足度」から研修の「その先」へ
これまで人材育成についてのポイントをいくつか聞いてきましたが、中原先生が思う組織開発、人材育成において、あるべき姿とは何でしょうか。
組織開発、人材育成の評価はこの20年で大きく変わっています。
研修の満足度をはかって終わりは既に時代遅れですね。研修のその先をみていくことがトレンドになっている。「研修転移」、つまり、研修で学んだことがしっかり現場で活かせているかどうかが重要になってきます。
①研修後しばらくしてから、現場での転移が起きているかどうかを聞くこと、②エンゲージメントなどの定点調査データを分析し、把握することの2点が重要です。
◎行動レベルで目標設定を明確化
◎必要な人に、必要な時に、必要な研修だけを行う
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NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。
『PANAIサーベイ』の活用
本セミナーでも研修の満足度を測って終わりは時代遅れだという話もありましたが、研修の「その先」を把握し、より効果的な研修・新人育成を設計するためにはデータを活用することが重要になります。
研修をやりっぱなしにしない。これを目的に『PANAIサーベイ』は開発されました。このサーベイでは、採用から育成まで、狙いに対して何が効果的で何を改善していくべきかを数値化・可視化できます。エンゲージメント等の定点観測で新入社員の状態を把握し、社員の行動がどう変わり、要因はどこにあるのかを分析していくことで、今年度の新入社員フォローアップ、来年度の新入社員研修設計等に活用いただけます。
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セミナーアンケートコメント(一部抜粋)
・研修をやりっぱなしにするのではなく、あくまで研修後どのように変化、転移するかを見据えて行うことが重要だと感じました
・「とりあえずやっておこう講義」を勇気をもって削減していこうと気持ちを新たにしました
・研修にできることは多くない」「目的・目標設定がすべて」「研修転移の重要性」等々多数のヒントを得ることができました
・研修効果について満足度をはかっていたところだったので、時代遅れといわれて刺さりました
登壇者の声
昨年に続き、今年も中原先生をお招きしたコラボセミナーを実施させて頂きました。
研修を「やりっぱなしにしない」ということはこれから人材育成にかかわる全員が向き合うべき課題だと考えています。
当たり前のことに聞こえるが難しい「研修後に行動を起こさせる(研修転移)」をいかに設計するのか、ということについて中原先生から生の事例をもとにご紹介頂いたため、非常に納得感高く、気づきをお持ち帰り頂いた方が多かったように思います。再配信の機会もあるので、是非、フル版の中原先生トークをお聞き下さい。
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