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キャリアが築ける組織を作るには?〜「自社ではキャリアが見えない」への対策を考える〜

キャリアが築ける組織を作るには?〜「自社ではキャリアが見えない」への対策を考える〜

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一社に依存しない働き方が当たり前になり、キャリア支援に力を入れる企業も増えてきています。「自社ではキャリアが見えない」という従業員の声にどう対応できるのか、

キャリアが築ける組織を作るためにはどうしたら良いのか、NEWONEが担当した事例を紹介しながら考えていきます。

(※本内容は、2023年6月9日実施セミナーの内容をまとめたものです)

一社に依存しない働き方が当たり前になってきた時代、組織内でのキャリア自律より社会の中のキャリア自律がより求められています。「企業がキャリア支援を行うと辞めていくのでは?」という懸念もありますが、多くの企業がキャリア支援に力を入れ始めているのは、社会の中のキャリア自律が自社のエンゲージメント向上につながるからです。

人材流動化の時代になり、多くの人が採用された後も採用市場にさらされ、自社の中で働き続けるか新しいチャレンジをするのか、常に選択肢がある状態にいます。

キャリアに対して主体性が高まり「自分は〇〇がしたい」という内発的な動機が強くなると、「だから自分にはこの会社が一番だ」と自信を持って言える状態になります。多様な選択肢の中で、進んで自社を選んでいるという感覚がエンゲージメント向上につながります。

エンゲージメントとキャリア自律の関係から、企業がキャリア支援を行う意味について詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。

「キャリアが見えない」のはなぜか?

キャリア支援に対する取り組みを始めているが、効果を実感できていないという相談もよくありますが、エンゲージメントサーベイ等で「キャリア」の項目が低いことには以下のように様々な要因が考えられます。

ダイアグラム

中程度の精度で自動的に生成された説明

さらに、「キャリアが見えない」と言う人たちが指す「キャリア」を具体的に捉えることも改善のためにとても重要です。例えば、「ロールモデルがいない」ことを「キャリアが見えない」と言っていることもありますし、成長実感や達成感、昇進・昇格のことを「キャリア」と言い換えている場合もあるでしょう。

このように、キャリアの定義や認識(キャリア=〇〇)は人によって異なります。その人がどの「キャリア」を指しているのか、できるだけ具体的に共通認識を持った上で、なぜそれが見えないのか原因を明らかにしていく必要があります。

キャリアの捉え方は大きく4つに分類されます。従業員はキャリアの“なに”が見えていないのか、考える際の参考にしてみてください。

従業員一人ひとりによって、キャリアの”なに”が見えないのか、その要因が異なることからもわかるように、「キャリアが見えない」には多様なパターンがあります。

キャリアを具体的にどう捉えているのか、今後どうしていきたいか、まずは本人が自分のキャリア意向をしっかりと把握することが重要です。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。

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多様なキャリアニーズへの対応を考える

常に選び、選ばれる会社であるという時代、どれだけ「惹きつけたい人のニーズを満たせるか」が重要なポイントになってきます。企業側は従業員のキャリア自律意識を高めたうえで、多様なキャリアニーズに応えていく必要があるのです。

難しい問題ですが、キャリアニーズが多様化している中で「すべてのニーズに応えられる魔法の一手」は存在しません。多様なニーズに対して、いろんな方法をとっていく必要があります。

また、キャリアニーズに対応する施策として、キャリア研修や上司による1on1強化、公募や副業などの制度強化などを実施することが多いですが、施策が点になってしまい、「キャリアが見える」状態に至らないケースも多くあります。

例えば

  • キャリア研修に参加して意向を整理するも、上司が相談に乗ってくれない(職場が忙しくて、言い出せない)
  • 公募制度を導入しているが、あまり使用されない
  • CDPシート(キャリア開発シート)の運用を促しているものの、”提出もの”になってしまい活用されていない

様々な施策が連動しない、必要としている層に届かない、という難しさもあるのです。

そこで紹介したいのが、マーケティングの考え方を転用するやり方です。マーケティングの世界では、「ターゲット(ペルソナ)」を決めて、「線(面)でアプローチ」する考え方が一般的です。これを参考にすると、どんなキャリアニーズに応えたいのか、対象者(ペルソナ)を決めて、「どうやってもキャリアが見える」状態を作るまでの導線を描くことを考えていくことができます。

◎ペルソナを決めてアプローチするステップ

Step1 対象層を定める(どのニーズに応えるのか)

会社方針・人事方針に対してギャップの大きい層や組織への影響力が大きい層などから、対象層を定める

企業のミッションや経営目標を達成するために、人的経営資源を適切にマネジメントする仕組みや考え方を「戦略人事」と言いますが、経営戦略に沿って自社に必要な人材を定義し、そういった人材をどう惹きつけるかを考えることが重要です。

テーブル

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自社ではどの課題にフォーカスしていくべきなのか、どの層にアプローチしていくべきなのか、会社の戦略によって選んでいく必要があります。

Step 2 2人(2種類)のペルソナを描き、比較する

同じ対象層の中でも、「キャリアが見えている人」と「見えていない人」、2人(2種類)のペルソナを描き、比較する

同じ対象層の中でも全員が「キャリアが見えない」わけではなく、「キャリアが見えている」状態の人もいます。

キャリアが見えていない人の課題を解決するうえで一番重要なのは、見えている人がなぜ見えているのかを明らかにすることです。2層を比較し、キャリアが見えている人に届いている施策を明らかにすることで、効果的なアプローチが見えてきます。

キャリアが見えている人と見えていない人を比較するにあたって、NEWONEではキャリアクラフト診断というアンケートツールを使用しています。

例えば、アンケート結果から「現在のキャリアへの満足度が高い人は、会社で働く意味や仕事をする意味、働くことを通じて得たいことが明確である」ということがわかれば、自分がこの会社で働く意味を考える瞬間を提供するだけで満足度が上がるのではないか、という仮説を立てることができます。

重要なのは、「キャリアが見えている人」と「キャリアが見えていない人」を比較し、その差異を明らかにすることです。「キャリアが見えない」に対してのアプローチ法を考えるというよりも、実際に「キャリアが見えている」人が、なぜ見えていると言っているのかを明らかにし、同じことを「キャリアが見えていない人」に提供していくことが近道です。

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このようにして「キャリアが見える」モデルケースが増えていくと、こちら側から意図的に働きかけなくても、職場の中で勝手に「見えていない層」が「見えている層」へ移っていくということが起こり始めます。組織の中で、小さな変化モデルを作り、それを周知していくことで、より広まり組織が変わっていきます。

Step 3 施策をデザインする

「変化を促したい人材」から「理想の人材」に向けて、線(面)で施策をデザインする

多様なキャリアニーズに対応するためには、一つの施策ではカバーしきれません。効果的な施策を組み合わせていくこと必要があります。

施策を新設し続けることも重要ですが、それが十分に活用されていなければ意味がありません。新しい施策を作ることよりも、新設した施策、あるいは既存の施策がターゲット層に認知され活用されることが何よりも重要です。

ここで、大手IT総合サービス企業A社の事例を紹介します。

4年目社員をターゲットとして、「本人のキャリアに対する主体性強化」「上司との関わりの質向上」「公募制度の活用」を強化するための支援をさせていただきました。

ターゲット層へのキャリア研修では、キャリア自律を促し、キャリア意向を臆せず上司に伝えてほしいこと、公募制度を会社が推進していることを改めてお伝えしました。一方、上司の方向けにキャリア支援の必要性とスキル強化を図る研修を行いました。

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研修後の1on1でキャリア意向の擦り合わせができ、現状と合えばエンゲージメントが向上につながり、あわなくても公募制度を活用してキャリア意向を実現できると導線ができました。

このように、施策を活用する/しないに関わらず「キャリアが見える」状態ができるようなモデル(導線)を作っていくことが、エンゲージメント向上につながります。

NEWONEでは、「キャリアが見えない」に対して、さまざまなソリューションを提供しています。

キャリアクラフト診断レポート作成

 エンゲージメントサーベイだけでは見えない、社員のキャリアに関する意識や行動を可視化し、対象別の課題を明らかにします

◎年代・テーマ別キャリア研修

キャリア自律促進×組織との接続を目的に、年代・テーマ別キャリア研修を実施し、エンゲージメント向上を狙います

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