最終更新日:

新入社員育成における「斜めンター」活用メソッド

新入社員育成における「斜めンター」活用メソッド

<a href=桶谷 萌々子" width="104" height="104">

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。キャリア自律の育成体系構築や、管理職のマネジメント強化施策など幅広く支援。また、組織開発の一環としての社内イベントの企画・運営を行う。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

どんな研修があるか見てみる

新入社員の育成においては、業務指導だけでなく、心理的な安心感や将来への視野を広げる支援も求められます。

その中で注目されているのが、直属の上司や同じチームの先輩(タテの関係性)ではなく、別部署や異なるチームの先輩(斜めの関係性)が関わるメンターです。ここでは「斜めンター」とでも呼んでおきましょう。

一般的なメンターはタテの関係にあることが多いと思います。

タテの関係性のメンターは、業務の指導を受けやすく、日常的に接する機会が多いため、仕事の進め方や考え方を間近で学ぶことができるのが利点です。

ただし、直属ゆえの評価関係があるため、新入社員は「期待に応えなければ」「失敗できない」とプレッシャーを感じやすくなります。また、同じ部署内でのロールモデルが限られることで、自身のキャリア像が固定的に捉えられやすくなる傾向もあります。

一方、斜めンターには次のような価値があります。

  • 利害関係が少ないため、新入社員が素直に悩みを話しやすい
  • 「自分の部署でもないのに、自分のことを気にかけてくれている」という事実が、自己効力感や安心感につながる
  • 異なる部署・視点からのフィードバックにより、業務の枠を越えた視野の広がりや、新たなキャリアの可能性を見出すことができる

したがって、新入社員にどのような成長を促したいのか、その目的に応じて「タテ」と「ナナメ」の関係性を意図的に設計することが育成において重要です。業務遂行力や組織理解を深めたいフェーズではタテの支援が有効であり、一方でキャリアの視野拡大や心理的な安心感を育む場面ではナナメンターの関わりが力を発揮します。

ナナメンターの活用は、部署を越えた学びとつながりを生み出し、組織全体としての育成文化を醸成する一手ともなり得るのです。