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現場に求められる真の「やさしさ」とは~あなたの現場は「優しい」?「易しい」?~

現場に求められる真の「やさしさ」とは~あなたの現場は「優しい」?「易しい」?~

<a href=髙嶋 耕太郎" width="104" height="104">

地方広告代理店、地方公益社団法人での勤務を経て、バックオフィス支援を行う会社に入社。社内コミュニケーション活性施策の営業、新卒合同説明会の制作、総務常駐チームのリーダーを務める。2022年に株式会社NEWONEに入社後は、研修をメインとした人材育成・組織開発のHRパートナー、研修ファシリテーターとして従事。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

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優秀な新人たちと、やさしすぎる育成現場

私は2025年、多くの新入社員研修に登壇・立ち合いさせていただきました。

新入社員の皆様は、もちろんグラデーションはあれど、総じて能力・意欲ともにアベレージが高いと感じました。自分の成長に対して貪欲で、組織に対しても率直なまなざしを持っています。

その一方で、彼らを受け入れる育成側の社員、そして職場の風土は、総じて「やさしい人」が多い傾向があります。もちろん、それ自体は素晴らしいことですが、ここに一つの落とし穴があります。

「やさしさ」が「易しさ」にすり替わってしまうことがあるのです。

  • 厳しいフィードバックを避けてしまう
  • 明確な基準を示さず、「まあいいか」で済ませてしまう
  • 本人が本気で悩んでいる課題に、「気にしすぎだよ」と流してしまう

このような関わり方が続くと、新人たちの中に徐々にモヤモヤが溜まっていきます。

「この会社にいたら、自分の基準が下がってしまう気がする」と思い始める可能性もあります。

結果として、ポテンシャルのある若手ほど、離職を選ぶ/ぶら下がってしまう/不満分子となってしまうという事態が起こり得るのです。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。

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真に「やさしい」育成とは何か?

ここで改めて問いたいのは、「やさしい上司」とは何か、ということです。

本当に部下想いな上司は、部下の将来を見据えて“厳しさ”を伝えられる人ではないでしょうか。

  • 抽象的な物言いでごまかさず、最後まで具体的に考えさせる
  • 現状に対して厳密に不足を伝え、その乗り越え方を共に考える
  • フィードバックを避けず、信頼関係の上でストレートにぶつける

「やさしさ」とは、感情的な迎合ではなく、相手の可能性を信じること。
「易しさ」とは、自己保身や面倒くささから生まれる、関係性の放棄です。

この違いに気づけるかどうかが、育成現場の質を左右すると感じています。

推奨する2つの施策

こうした現場課題に対して、私たちがお勧めしているのが以下の2つの研修です。

① 新人向けフォロー研修

一度研修で伝えた「自分の基準を自分で守る」という考え方も、現場に出れば揺らぎます。だからこそ、現場での実践経験をもとに、仲間と対話しながら自分の成長戦略を再設計する場が必要です。

「どうすれば今の職場で学びきれるか?」
「自分の基準を保ち、引き上げていくには?」

そんな問いを軸に、現実と向き合いながら行動を選び取っていくことができます。

② 育成者向けマインド&スキル研修

育成者にも、“やさしく”あることと“易しく”あることの違いに気づいてもらう必要があります。

特に、目標に対してのシビアなフィードバック力、抽象から具体へと導く対話力などは、育成現場で欠かせないスキルです。

また、こうした関わりを可能にするには、「信頼貯金」を築いておく日頃の対話が鍵を握ります。スキルとマインドの両面から、自分なりの「育成のスタンス」を築ける場をご用意しています。

「やさしい上司でありたい」――その気持ちは決して間違っていません。

けれど、そのやさしさが「易しさ」にすり替わっていないか?

一度、立ち止まって見直してみる価値があるのではないでしょうか。

真にやさしい上司とは、可能性を信じて、時に厳しく、最後まで見捨てない人。
そんな上司を一人でも多く増やしていくために、私たちはこれからも研修という形で伴走してまいります。