NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。
優秀な新人たちと、やさしすぎる育成現場
私は2025年、多くの新入社員研修に登壇・立ち合いさせていただきました。
新入社員の皆様は、もちろんグラデーションはあれど、総じて能力・意欲ともにアベレージが高いと感じました。自分の成長に対して貪欲で、組織に対しても率直なまなざしを持っています。
その一方で、彼らを受け入れる育成側の社員、そして職場の風土は、総じて「やさしい人」が多い傾向があります。もちろん、それ自体は素晴らしいことですが、ここに一つの落とし穴があります。
「やさしさ」が「易しさ」にすり替わってしまうことがあるのです。
- 厳しいフィードバックを避けてしまう
- 明確な基準を示さず、「まあいいか」で済ませてしまう
- 本人が本気で悩んでいる課題に、「気にしすぎだよ」と流してしまう
このような関わり方が続くと、新人たちの中に徐々にモヤモヤが溜まっていきます。
「この会社にいたら、自分の基準が下がってしまう気がする」と思い始める可能性もあります。
結果として、ポテンシャルのある若手ほど、離職を選ぶ/ぶら下がってしまう/不満分子となってしまうという事態が起こり得るのです。
NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。
真に「やさしい」育成とは何か?
ここで改めて問いたいのは、「やさしい上司」とは何か、ということです。
本当に部下想いな上司は、部下の将来を見据えて“厳しさ”を伝えられる人ではないでしょうか。
- 抽象的な物言いでごまかさず、最後まで具体的に考えさせる
- 現状に対して厳密に不足を伝え、その乗り越え方を共に考える
- フィードバックを避けず、信頼関係の上でストレートにぶつける
「やさしさ」とは、感情的な迎合ではなく、相手の可能性を信じること。
「易しさ」とは、自己保身や面倒くささから生まれる、関係性の放棄です。
この違いに気づけるかどうかが、育成現場の質を左右すると感じています。
推奨する2つの施策
こうした現場課題に対して、私たちがお勧めしているのが以下の2つの研修です。
① 新人向けフォロー研修
一度研修で伝えた「自分の基準を自分で守る」という考え方も、現場に出れば揺らぎます。だからこそ、現場での実践経験をもとに、仲間と対話しながら自分の成長戦略を再設計する場が必要です。
「どうすれば今の職場で学びきれるか?」
「自分の基準を保ち、引き上げていくには?」
そんな問いを軸に、現実と向き合いながら行動を選び取っていくことができます。
② 育成者向けマインド&スキル研修
育成者にも、“やさしく”あることと“易しく”あることの違いに気づいてもらう必要があります。
特に、目標に対してのシビアなフィードバック力、抽象から具体へと導く対話力などは、育成現場で欠かせないスキルです。
また、こうした関わりを可能にするには、「信頼貯金」を築いておく日頃の対話が鍵を握ります。スキルとマインドの両面から、自分なりの「育成のスタンス」を築ける場をご用意しています。
「やさしい上司でありたい」――その気持ちは決して間違っていません。
けれど、そのやさしさが「易しさ」にすり替わっていないか?
一度、立ち止まって見直してみる価値があるのではないでしょうか。
真にやさしい上司とは、可能性を信じて、時に厳しく、最後まで見捨てない人。
そんな上司を一人でも多く増やしていくために、私たちはこれからも研修という形で伴走してまいります。