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目次
なぜ管理職は上位方針を部下に伝えることが難しいのか
企業の方針や戦略は、多くの場合、トップ層の視点やビジョンから組み立てられます。しかし、これを現場メンバーに伝え、日常業務に落とし込むのは容易ではありません。管理職は、トップが打ち出した方針を“自分の言葉”として部下に伝える役割を担いますが、ここにいくつかの難しさがあります。
たとえば、上位方針が抽象的な場合、管理職が具体的にイメージできていないと、言葉にすることが難しくなります。また、「なぜこの方針が必要か」を部下目線で説明するには、管理職自身がその方針に対して確信を持っている必要があります。さらに、管理職自身が上位方針と現場の間にギャップを感じていると、そのまま伝えにくく、無理にそのギャップを埋めようとして苦労するケースも少なくありません。
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上位方針を部下に“自分ごと”として伝えるための3つの突破口
1.「方針の価値」を自分の言葉に置き換える
まず、上位方針の「なぜこれが重要か」という価値を管理職自身が自分なりに解釈し直すことが大切です。単にトップの言葉をそのまま伝えるのではなく、方針の意図を噛み砕き、日々の業務の中で感じた具体的なエピソードや、部下への影響に置き換えて話すと効果的です。たとえば、「この方針は自分たちの仕事にこういう変化をもたらす」といった、自分たちに関わる具体例で語ると、部下も身近な問題として受け止めやすくなります。
2.「Why」から説明を始め、部下の共感を引き出す
上位方針を部下に理解してもらうには、ただの指示として伝えるのではなく、「なぜこの方針が必要なのか」を起点に説明することが大切です。まず、方針の背景やその必要性を部下にわかりやすく伝えることで、部下の「なるほど」という共感を引き出せます。たとえば、「市場や競合の変化があるからこの方針が必要なんだ」といった具合に、方針の目的から説明することで、部下は「これなら自分にも関係があるかも」と感じやすくなるはずです。
3.部下に「解釈の余地」を与え、自分ごとにさせる
管理職が上位方針を一方的に説明するだけでなく、部下自身がその方針をどう解釈し、どう行動に移すかの余地を残すことも重要です。部下が方針に基づいて「自分ならどう貢献できるか」を考え、自分なりの意見やアイデアを持つことが、方針を“自分ごと”に変える第一歩になるでしょう。たとえば、「この方針を聞いて、皆がどんな風に感じたか、どう取り組みたいかを教えてほしい」といった対話を通じて、部下自身の言葉で考えられる場を作るとよいでしょう。
管理職自身が上位方針を確認し、すり合わせる姿勢の大切さ
部下に方針を伝える前に、管理職自身が「この方針を自分は本当に理解しているか?」と問い直すことが大切です。上位方針が自分の中で曖昧なままだと、部下に伝わる方針もぼやけてしまいます。だからこそ、疑問があれば上司や他の管理職と積極的にすり合わせを行い、「これはどういう意味なのか?」「なぜこの方針が今必要なのか?」と確認しておくことで、部下への説得力も自然と高まります。
こうして、管理職が方針の本質を理解し、自信を持って部下に語れるようになることで、その姿勢が部下にも伝わります。上位方針がただの「上からの指示」ではなく、「チーム全体が目指す方向性」として自然と共有されやすくなるのです。
こうした「すり合わせ」と「伝える工夫」を通じて、上位方針が部下にとっても“自分ごと”になり、チーム全体が同じ方向を向いて進むための基盤が整うのではないでしょうか。