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キャリア意向が不明確な若手社員をどう育てる?

キャリア意向が不明確な若手社員をどう育てる?

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著者

本間 俊平

著者

本間 俊平

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員・若手から管理職まで幅広い階層の研修設計を支援。社内ではインナーブランディングの一環として、社内イベントの企画を行っている。

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なぜキャリア意向が不明確な若手をどう育てるかが重要なのか

キャリアに対する明確な意向を持たない若手社員が増えている一方で、「未来の自分」より「今この瞬間」を大切にしたいという姿勢が見られます。これは決してネガティブな状態ではなく、「目の前の小さな積み重ねがやがて大きなキャリアへと繋がっていく」ことを体感する土壌として捉えられるのです。明確な目標がないからこそ、「やりがい」「成長感」「貢献」を味わいながら、無意識にキャリアが形作られる仕掛けを提供することが大切です。

“キャリア意向”にこだわらない新しいアプローチ

「未来のキャリアにコミットしない若手」をどう成長させるか?それは、「今この瞬間の成長実感と小さな挑戦」を土台にすることです。具体的には以下の3つのポイントに注目します。

  1. 短期的なゴールの連続で、キャリアの骨格を築く
    キャリアの道筋が見えないなら、目の前の課題に向き合い、短期的な成功体験を積み重ねることで、無理なく自己成長を実感させます。これがいずれ「気づいたらキャリアができていた」と思わせる骨格になります。
  2. 「キャリアの軸」ではなく「今の自分」を探る場を提供する
    自己理解を深める場を設けることで、未来のビジョンは描けなくても「今の自分」に焦点を当てる手助けを行います。「今自分がどんな価値観を大事にしているか」を知ることで、未来に対する漠然とした不安が少しずつクリアになります。
  3. 管理職との対話で、隠れた“なりたい自分”を見つける
    明確なキャリアビジョンがないからこそ、ロールモデルや管理職との対話を通じて「自分もこんなふうになりたい」という姿を発見できる場が大事です。この無意識のキャリア探求が、若手に内なるモチベーションを生み出します。

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具体的な取り組み

  1. 細かな目標設定と「今」にフォーカスしたフィードバック
    具体的には、週単位や月単位の目標設定を行い、短期的な成果にフォーカスしたフィードバックを強化します。「今の目標達成」に集中することで、若手が目に見える成長を感じられる環境を作ります。
  2. 自己理解の場の提供:未来のキャリアよりも「今の自分」に集中するワークショップ
    簡易な自己分析ツールや、「自分にとって何が今大事か」を考えるワークショップを導入し、「自分の軸」が自然と見つかるよう支援します。若手社員が「未来への不安」より「今の充実感」に注目できる場が大切です。
  3. リーダーやロールモデルと自然に対話できる「職場メンタリング」
    若手社員が管理職や先輩社員と定期的に話せるメンタリング制度を導入し、キャリア形成における「内なる指針」を引き出します。とくに、経験豊富なリーダーとの自然な会話を通じて、無意識のうちにキャリアのヒントが得られる場が理想です。
  4. 価値観の共通理解を深める「チーム対話の場」
    チームで「この仕事をする意味」「自分の役割の意義」を共有する定期的な対話の場を設け、チーム全体が価値観を共有する土台を築きます。これにより、若手社員が自分の仕事に愛着とやりがいを見出しやすくなります。

キャリア意向が明確でない若手にとって、遠い将来の目標よりも「今ここでの成長」が重要です。むしろ、無意識に積み重ねた「今」が、結果的に未来のキャリアとなるのです。若手が「気づけばキャリアが形成されていた」と思えるような支援こそ、今の時代に適したアプローチといえるでしょう。