最終更新日:

組織課題は誰が解決するのか?

組織課題は誰が解決するのか?

<a href=青木 美奈" width="104" height="104">

著者

青木 美奈

著者

青木 美奈

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員・若手から管理職まで幅広い階層の研修設計を支援。特に女性活躍、ダイバーシティ推進に注力している。社内では、メソッド記事の作成を推進している。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

どんな研修があるか見てみる

若手層向けの施策、管理職層向けの施策について、各社様とそれぞれディスカッションさせていただくと、必ずと言っていいほど、他の階層や職場環境・組織風土の話が話題に上がります。

もちろん、会社は様々な立場や視点の異なる人から成り立っているため、1階層から見える事実や課題感だけでなく、複数階層から複合的に「この組織をより良くするためには、どこをどう改善するのか」を考えていく必要があります。では、組織をより良くしていくための行動や組織開発は、誰に責任があり、誰が担当するものなのでしょうか。

組織の問題は、人と人との関係性から生じる適応課題であることが多いです。立場や視点が異なることで、認識のズレが生じることで、適応課題は発生します。
組織は、複数の人から成り立ち、常に変動していく生き物のようなものであり、問題のない完璧な組織はこの世には存在しません。

では、組織の問題は誰が解決するのでしょうか。それは、特定の階層の人や、特定の誰かではなく、組織に属している全員です。組織の構成員である私たちは、組織の問題を、他の人のせいにしてしまうことも多くあるかもしれません。しかし、組織は、複数の人が集まっているから中で成り立っており、その組織の構成員1人ひとりが、自組織を自分の視点だけから見ている限り、組織の問題に取り組むことはできません。

例えば、工場で働く人たちの中で、ベテラン層の方々の多くは、これまでの自分自身の経験や、自分が育ってきた環境が当たり前であり、自分が受けてきたかかわりを若手にしている状況があるとします。

若手の視点から見ると、「そんなに厳しく言わなくてもいいじゃないか」、「理不尽だ」と感じることでも、ベテラン層の視点から見ると、「過去に自分たちも同じように厳しく育成されたから今の自分がいる」、「多少厳しいことを言ったり、キツイ言い方をしたりしたとしても、良いものを安全に届けるためには必要だ」と感じて、良かれと思ってその行動をしている可能性もあるのです。

その人の立場や、これまでの経験、大事にしているものの違いによって、それぞれの視点から見える景色は、同じ組織の中でもズレが生じていきます。
だからこそ、相手が何を考えているのか、何を大切にしているのか、なぜその視点で考えているのか、想像したり、実際に対話をすることで確かめたりすることが重要なのです。

ベースとして、職場内での関係性が良好ではない場合は、対話をすることへのハードルが高かったり、面と向かって真剣に話すことが難しい状況もあったりするかもしれません。そのような状況の中でも、相手とかかわる中で、一歩立ち止まって、相手の大切にしていることは何か、何を気にしているのか、を想像し、分からない時は質問をしてみることで、少しずつ、歩み寄り合うことにつながるのではないでしょうか。