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当事者意識は当事者しかもてない

当事者意識は当事者しかもてない

<a href=小野寺 慎平" width="104" height="104">

大学卒業後、(株)シェイクに入社。企業の人材育成や組織開発のコンサルティングを行う。2018年1月(株)NEWONEに参画。商品開発・マーケティング、組織開発、研修のファシリテーターなどで活動する傍ら、「仕事そのものが面白いと思う20代を増やす」をテーマに20代向けの能力開発の新規事業を立ち上げる。

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人材開発や組織開発の領域で「当事者意識を持て」ということはよく言われます。

なぜなら、良いチームをつくっていく、各自がリーダーシップを発揮していく、一人ひとりが豊かなキャリアを築いていく、など人材開発・組織開発の重要テーマは尽く当事者意識(Ownership)から始まるためです。

しかし、当事者意識を持て、と、その必要性を説いても、当事者意識が高まらないどころか、むしろ逆効果になることがほとんどなように思います。

当事者意識は当事者になることを「決める」ことから


当事者意識は当事者しか持てないと書きましたが、当事者になることを決めることは出来るのではないかなと思います。

震災があった地域にボランティアとして駆けつける人は、確かに震災の当事者ではないですが、間違いなく当事者意識があるように思います。

悩んでいる後輩に親身になる先輩も、もちろん後輩その人ではないわけですが、その親身さに偽りはなく、私のように企業支援をしている立場の人もクライアント企業に対して当事者意識をもっていると自負しています。

どれももちろん全く同じ、とはいかないですが、何と言うか、当事者意識チームにジョインすることは決められることのように思います。

この自分で決めた感覚(=自己決定感)がやはり当事者意識には不可欠です。

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当事者意識を高める2つのアクション

さて、当事者意識は当事者しか持てないのだとしたら、他者やチームの当事者意識を高めるのは難しいのではないか、と思われる方は多いように思います。

もちろん当事者意識を「持て!」「はい!」のように簡単ではないですが、当事者意識は当事者しか持てない、という前提に立ったうえで、むしろ立ったからこそ当事者意識を高める作戦はいろいろと考えられるように思います。

今回は以下2つのキーワードをご紹介します。

  1. 2回転の法則
  2. 巻き込まれアクションの奨励

①2回転の法則

ホラクラシー経営を実践されている方から教わった考え方です。

2回転とは、まず「これについて意見をもとめています、意見がある人は教えてください」と当事者意識を持ってほしい人に、プロセスの段階で意見を求めます。
そのうえで、「求めた意見を踏まえて、こうなりましたが、どうですか?」と結論をいったん戻します。

このように意思決定プロセスに2回巻き込まれることで、当事者意識を高めることができる、という考え方です。

シンプル!という感じですが、この整理を知ってから、確かにそうだなあ、、と感じることが多いです。

この考え方のミソは、必ずしも届いた意見を取り入れないといけないわけではない、という点です。

仮に自分の意見が採用されなくとも、プロセスに2回関与しているだけで、想像以上に物事がスムーズに進んでいく印象があります。

②巻き込まれアクションの奨励

上記は巻き込む側に主導権がある考え方ですが、特に意見を求められたわけではない人も、場合によっては意見を言える余白を作っておくことが大事です。これが巻き込まれアクションの奨励です。

つまり、巻き込まれたいかも!と声をあげた人を称賛し、意見を歓迎するということです。

これも必ずしも意見を取り入れる必要はないと思いますが、巻き込まれはwelcomeという共通認識をつくることができれば、逆説的に、巻き込まれないことを選んでいる、という自己決定感を高めることができます。

この2つにより、当事者意識を高めることができますし、必ずしも全員に意見を聞く必要がなく、多数決といった曖昧な手法に頼る必要がなくなります。

実際に実践していて手ごたえのある2つの作戦をご紹介しました。

また別の作戦も少しずつご紹介できればと思います。