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候補者に選ばれる“体験”ベースの採用設計とは?

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「求職者優位の転職市場」といわれて久しい採用市場。

ますます人材獲得競争が激しくなる中で、自社の魅力をきちんと求職者に伝えるにはどうしたらよいのでしょうか?

採用手法の多様化で、リファラル採用の重要性はさらに上がり、もはや社内で働く社員全員がリクルーターとなりうるといっても過言ではありません。社員が自分の職場を紹介したくなる「推せる職場」をどうつくっていくのか、どのように発信して採用力を強化していくのか、Beyondge株式会社代表取締役CEO 野上隆徳氏を交えて紐解いていきます。

※本内容は、2024年6月28日実施セミナー「“推せる職場”をつくり、採用力を高める方法とは?の内容をまとめたものです

採用力もあがる「推せる職場」とは?

NEWONE実施の調査によると、自分が働く職場を「働きがいを感じ、働きやすい職場」であると回答した人のうち約6割の方が自分の職場を“推せる(人に推奨できる)”と回答しています。

「働きがいを感じ、働きやすい職場」で働くビジネスパーソンほど、自分の職場を”推せる職場”と捉えている傾向が高いと分かりました。このことから、”推せる職場”ではリファラル採用が起きやすく、”推せる職場”づくりが採用力を強化するためにも重要なことがわかります。

こうした自分の職場をリファラルしたくなるような仕組みづくりは、人事の方がつくるだけでなく職場みんなでつくるものです。

①チームや仕事への「ポジティブ感情」を持ち、
②やらされ感ではなく、「自己決定感」をもとに行動し、
③行動したことに対して、「成長実感・貢献実感」を感じる。

この①〜③のサイクルを職場全体で回していけると、エンゲージメントの高い「推せる職場」に近づきます。

※推せる職場について知りたい方は「推せる職場ラボ」をご覧ください

自組織が「推せる職場」であることと、採用力はそれほど関係のあるものなのでしょうか?

ここからは、採用候補者の体験をベースとした採用力強化を支援しているBeyondge株式会社代表取締役CEO 野上隆徳氏にお話を聞いていきます。

採用候補者の体験をベースとした採用力強化とは

「求職者優位の転職市場」とも言われる昨今、採用面でこんなお悩みはありませんか?

・中途採用中途採用者を増やしたいがどう動けばいいかわからない
・エージェントを使ってはいるものの推薦数が減ってきている
・採用メディアが増えて何を使えばいいかわからない
・採用候補者からの辞退が多くてなかなか決まらない   等

情報収集の仕方や情報発信のされ方がどんどん変わっていくなか、採用候補者にとって必要な情報を届け、魅力的に感じてもらい選ばれる。そんな採用活動が求められています。そこでポイントとなるのが、「採用候補者の体験」をベースにした採用設計です。

実は、「認知・興味関心→応募→選考→内定・入社」という採用プロセスは、皆さんが普段使うようなECサイトでの購買プロセスと似ています。サイトを眺めて興味を惹かれるものを探したり、類似商品と比較したり、口コミを見たりして購入を決める方が多いです。

しかし、サイト上で商品を購入するまでに「商品の使い方がわからない」「購入方法がわかりづらい」「手元に届くまでに時間がかかる」「口コミの点数が悪い」ということがわかると、興味をひかれたものでも不安になりますよね。採用プロセスも同じです。

採用候補者もネット上での情報収集、意思決定に慣れているため、サイト上の体験で違和感があると途中で離脱してしまいやすくなってしまうのです。

例えば

・社員の口コミが悪い
・悪い口コミに対して面接時になぜそうなっているのかを説明されない
・サイトによって説明が違う
・サイトに書いてあることと面接官が言っていることがちぐはぐである

(例:「若いうちから裁量権がある」ことをサイト上ではアピールしているのに、面接官が年配の方で細かいところばかりきいてくる)

・採用プロセスが不明  

こういったことが採用プロセスの中で起きると候補者は途中で心が離れてしまいます。

人材不足が叫ばれる昨今、選ばれる会社であるためには「認知・興味関心→応募→選考→内定・入社」という採用プロセスの中で、いかに採用候補者を惹きつける体験を設計できるかが重要になります。

”体験”で選ばれる会社とは?

採用候補者の体験をデザインするには「認知・興味関心→応募→選考→内定・入社」それぞれのプロセスごとにどう思わせるか?を起点に一貫性のあるメッセージを届ける設計にしていきます。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
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体験設計における4つのポイント

Webマーケティングやデジタルマーケティングの世界で考えられる顧客体験と近年の採用候補者体験はベースの考え方が似ています。採用が難しくなってきている時代、数だけでなく質をあげていくためには、マーケティング的に採用候補者体験を設計していく必要があります。

ここではポイントとなる観点を4つ紹介します。

①採用したい候補者のペルソナを理解する

従来の求人票ベースで考えることに加え、体験ベースで考えることが狙いを定めて採用していくために必要です。体験ベースでは、転職活動の軸は何か、どんなキャリアを考えているのか、どういうメディアを使っているのか、どこから情報収集をしているのか等を考えていきます。採用したい候補者のペルソナに合わせて適切な情報を得られるように設計していきます。

②情報を発信するメディアを見直す

採用候補者がどのタイミングで、どんなメディアを使って情報収集しているのかも重要な視点です。

例えば、A社では会社サイトや採用サイトはほとんど100%の人が応募するタイミングで見ていますが、口コミサイトや社員インタビューは入社承諾時に多く見られています。一方、ブログや動画などはどのフェーズでも一定数見られています。こういったことを踏まえて、採用したい候補者に正しく情報を伝えるためにはどういうメディアを使えばいいのか自社で理解することが入り口になってくるのです。

③採用リードタイム

ある会社(B社)では、一次面接から内定まで50日かけて採用活動をしていた時は採用者数が3名だったのに対し、採用までの時間を平均15日に短縮したところ採用者数が20名に増えたという事例があります。

一次面接で面白そうな会社だと思ってもらえても、二次面接が1ヶ月先だとその間にほかの会社を選んでしまう候補者が多いのです。

B社では採用のリードタイムを短縮するために、面接優先の時間を作りカレンダーを先に押さえたり、面接回数を減らすためにどの面接で何を判断するのかを整理するなどして社内の協力を仰いでいました。

④面接を活用して口説く

社会的な構図として企業が人を選ぶだけでなく候補者自身も企業を選ぶようになってきているため、「面接で候補者を選ぶ(見極める)」だけでなく「候補者にあわせて自社の魅力を伝える」ことも必要になってきます。

そのため、1時間の面接の中で、15分から30分で一気に見極め、その後の時間で自社の魅力を伝えるという面接の進め方をおすすめしています。自社の魅力を伝えるときにしっかり候補者のキャリアを聞きながら自社で何ができるかを寄り添った形で魅力を伝えるとより効果的です。

よくあるのが、そもそも面接官が自分の会社が採用サイトでどういうアピールをしているのかを知らないまま面接をしてしまうパターン。採用候補者からすると自分が知っている情報と面接官が話す情報がずれていくと不信感につながります。自社の採用サイトがどういうアピールをしているのか、最近の口コミにどういうことが書かれているのか、どんなフォローができるのか、事前にインプットして面接の場でフォローすることが候補者を起点にした体験設計上、非常に重要になってきます。

こうした4つのポイントを意識しながら、「サイト上で得られる情報・印象」と「実際に見聞きする情報・印象」に一貫性を持たせていきましょう。

参考例)

※今回、お話いただいた野上氏が行なっている採用候補者の体験ベースでの採用支援はこちらから
https://rpo.beyondge.com/

セミナーアンケートコメント(一部抜粋)

・応募前から選考中、入社後の体験を一貫したものに設計することで、リファラル推進やミスマッチ低減につながると感じた。
・面接管と自社HPの採用の方針が統一されていることが大事、スピード感を早める。
・採用候補者に選ばれるためのポイントが確認できて良かったと思います。
・採用の新たな視点を得られてよかった
・簡潔にまとめてご説明頂き理解しやすかったです

登壇者の声

人材枯渇時代において、採用活動は非常に重要になっています。
マーケティングの世界でも、体験設計を重視し、人を惹きつけているのと同じように、採用活動も対応していく必要があります。

まずは、採用ペルソナの立場にたって、どのような体験(感情)が得られるか、想像するところからはじめていただければと思います。

まとめ

会社と個人が選び選ばれる関係になってきている今、採用候補者に選ばれる=会社で働く人にも選ばれている組織が一貫性のある強い組織になるのだと思います。組織づくり、採用候補者への魅せ方の両面を戦略的に設計していきましょう。

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