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『若手は「不満」ではなく、「不安」で退職する』
最近、多くの書籍やメディアで同一の傾向が語られています。
2023年6月、転職サイトdodaによると、入社直後(4月)の新卒社会人によるdoda登録数が、過去13年間のうち最多となり、2011年比では約30倍になったというデータもあり、転職・キャリアに少なからず関心を寄せている若手が増えてきています。
現在の若手社員はいったい何を考えているのかという疑問が立ち、若手社員の本音はどこにあるのか、若手社員を育成するにはどのようなかかわりが必要なのかという点で、昨今では1on1を導入される組織が多く見られています。
一方で、1on1を制度として導入されている組織においても、上手く活用できていなかったり、形式だけになってしまったりといった状態があります。
そこで本日は1on1を考えていくにあたり、「1on1は誰のために実施するのか」という問いを考えてみたいと思います。
そもそも1on1とは?
そもそも1on1とは、1対1の面談や会話のことを指しており、特に企業内での1on1は、マネージャーや上司と部下、もしくはメンバー同士のコミュニケーションツールとして注目されています。
1on1を行う目的は組織によって様々かと思いますが、例えば「従業員とのコミュニケーションを円滑にし、メンバーの意欲向上や生産性の向上につなげる」等があります。
よく弊社がご一緒する1on1研修では、1on1は「マネジャーのための時間ではなく、メンバーのための時間」とお伝えさせていただいております。
背景には、上下の関係において1on1のような面談の場は、業務の進捗確認やフィードバック等の上司からの矢印ではなく、メンバー起点(成長やキャリア)からの矢印で時間を使うことがあるととらえています。
この前提を踏まえた上で、私は改めて「1on1は誰のために実施するのか?」という問いを考えてみたいと思います。
NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。
メンバーとマネジャーのために1on1を実施する
早速結論ですが、1on1とは「メンバーとマネジャー双方のために実施するもの」と考えます。
本日の考えに至るに、著書「静かに退職する若者たち」を参考にさせていただきました。
本書では、
・1on1で成長するのは部下ではない。あなただ。あなたのために部下は時間を割いている。
・1on1で助けられているのは部下ではない。あなただ。部下はあなたの部下をより良くしようと働いてくれている
とあります。
これを見た時、「そんなことなら、1on1なんかやらない」という声も聞こえてきそうですが、昨今の外部環境の変化に沿うと、重要なとらえ方だと感じています。
というのも、筆者は友人から、「1on1の時間がもったいない」「忙しいのに、時間をもらうのが申し訳ない」という遠慮しがちな話をよく聞きます。
一方で、上司側はというと「メンバーが何を考えているかわからない」「育成に当たって、意向や本心を聞く必要がある」等のメンバーと話す必要性を感じている方が多くいます。
この声から、前提としてメンバーの成長やキャリア支援に1on1の目的が置かれる一方で、結果的に双方に得られるものがあるのが1on1であると考えます。
なぜ1on1を実施するのかをメンバーに伝える時、「あなたのための時間」とだけ伝えるのではなく、「私にとっても大切な時間」と双方にとっての時間と伝えるのはいかがでしょうか。