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「情報のインストール」で終わっていませんか?社員の行動変容を生むための当事者意識の高め方とは

「情報のインストール」で終わっていませんか?社員の行動変容を生むための当事者意識の高め方とは

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著者

長畑 和子

著者

長畑 和子

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員・若手から管理職まで幅広い階層を支援している。また、キャリア自律をテーマとした新商品開発や社内の新入社員育成の推進メンバーとして組織風土づくりに取り組んでいる。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

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人材育成・組織開発において、必ずと言っていいほど議題に上がる「当事者意識」ですが、よくご相談いただくこととして、「上位方針に対して従うだけになっている」「上司や組織がどうにかしてくれると、他責的である」等々、もっと当事者意識をもって業務にあたってほしいと社員に課題感を感じている組織は少なくありません。

本記事ではこの当事者意識を高めるために、抑えるべきポイントをご紹介します。

辞書を引いてみると当事者意識とは

「自分自身が、その事柄に直接関係すると分かっていること。関係者であるという自覚」

とされています。ここでは当事者意識を持つ=「組織における自身の役割・目の前の事象に対して、自分自身も関係していると自覚がある」と定義づけてお話を進めます。

よく「当事者意識が無い」というお悩みから「では、各社員に自分の役割を理解してもらえる機会を作ろう」と施策を検討されることが多いのですが、結論、「当事者意識を持つ=役割理解をする」だけではほとんど効果が無く、行動変容にもつながりにくいと考えています。

研修実施後、行動変容を起こすために当事者意識を高めるには以下の3ステップを必ずワンセットとして設計していくことが欠かせません。

  1. 自分自身の役割を理解する
  2. 受け取った自分自身の役割を日常業務・行動レベルに言い換える
  3. 言い換えた内容を現在進行形で体現できているかを問い、「できていないorもっとできるはずの自分」に気づく

実際に様々な階層のご支援をさせていただいていますが、明らかに受講者の皆様に変化が起こるのは②⇒③の瞬間です。

これは仕事だけではなく、部活やアルバイト・育児等、仕事以外のシーンを含め皆様も体験されていることかと思いますが、

最初は「自分にこういう役割があるんだな、頭で理解はした(①)」から入り、
日常的に実践したり、工夫したりする(②)中で「これはうまくいった、これは必要だ」と取捨選択します(③)

もちろん、組織で働くからこその背景を理解したり、葛藤を吐き出す①の役割理解は欠かせませんが、それだけだと、結局その場で「情報をインストールして終わり」になってしまいます。
(研修の場で「わかった!」とスッキリしますが行動が伴わず、振るわない結果に終わる、というのがありがちなパターンです)

先日ご一緒した管理職研修でも、上記と同じステップで設計したところ
「組織から提示されている期待役割」に対して、「自部署で言い換えるとこういう行動だ」とグループごとに話していただいたのですが、ワークシートにまとめられている言葉だけをみると大差がないように見えても、その言葉に対するとらえ方や、その役割に対して「自分が」何をするのかが、目に見えて具体的かつ前向きに変化されていました。

是非、現在実施している施策に、

・役割だけをインストールして満足してしまう内容になっていないか?
・社員の皆様の当事者意識を刺激する3つのステップが盛り込まれているか?

をご確認いただく際の参考になれば幸いです。