NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。
目次
弊社では2023年度も多くの企業様でエンゲージメント向上のご支援をさせて頂きました。
ホットなテーマとして、社員のエンゲージメントを向上させるためのキャリア自律や、キャリア支援管理職の育成、1on1、権限移譲(エンパワーメント)等を多くご相談いただきました。そして、実はかなり多くの企業様でご相談いただいたテーマが「360度サーベイを活用した研修」でした。
今回は、“360度サーベイ”を活用した管理職育成の効果と落とし穴についてご紹介いたします。
(※本内容は、2024年2月21日実施セミナー「“360度サーベイ”を活用した管理職育成の効果と落とし穴とは」の内容をまとめたものです)
各社が360度フィードバック研修を企画している背景
多くの会社の研修企画者様が「360度サーベイのフィードバック内容を踏まえた研修」で狙っていることとは、
①役割定義を軸に、自己認識と他者認知のズレを無くす
②そのうえで、新たな行動を起こしてもらう
の2つです。360度サーベイは自分が無意識にしてしまっていることを含め、日頃の行動や関わりを自己客観視する機会になり、新たな行動を起こすうえで非常に強力なツールとなります。
では、360度サーベイに関するご相談が増えている理由として、どんな時代背景があるでしょう。
それは、「人的資本情報開示の要請によるエンゲージメントスコアの開示」「人材流動の激化による組織と社員の関係性の変化」等に対応するにあたり”管理職”の重要性が高まり、管理職に自己課題に向き合ってもらう必要が出てきた、という背景です。
その具体的なご相談の声としては、
「管理職の方に、自分たちの行動や関わりのアップデートが求められていることに気づいてもらえない」
「管理職が自分に矢印を向ける機会が少なく、客観視できずに、できているつもりになってしまっている」
という声でした。
これらの背景から、360度サーベイによって自己課題と向き合ってほしいと思う人事様が多い一方で、360度サーベイを上手く扱うことが非常に難しい現実があることがわかります。ここからは、360度サーベイを扱う上での落とし穴と、上手く活用していくためのポイントをご紹介します。
360度フィードバック研修の失敗例と設計ポイント
そもそも360度サーベイを上手く扱えないと、どんな状況が生まれるのでしょうか。
各社様とご一緒するなかで聞かれた現象としては、
「自分が思っていた評価と違い、モチベーションが低くなってしまう人が出ている」
「そもそもなぜこんなサーベイなんかするんだ、と人事や会社に攻撃的になる人が出る」
というものでした。
このような状況に陥る原因として、360度フィードバック研修における落とし穴を4つご紹介します。
①360度サーベイ研修を実施するwhyの説明が不明確
落とし穴の一つ目は、360度サーベイの結果を本人に機械的にお返ししてしまう、という落とし穴です。このことにより、360度サーベイの結果が本人に刺さらなかったり、結果を無視してしまったりすることにつながります。
この落とし穴を防ぐ方法としては、360度サーベイを導入しているWHY(狙い)を説明し、ただ評価するだけのツールではなく、「組織全体の方針」「自分たち管理職の役割認識」「自己客観視のためのツール」の3つがつながっていることを理解してもらうことが重要です。
②研修内で管理職を深く内省させる仕掛けや工夫が設計されていない
2つ目の落とし穴は、研修内で管理職を深く内省させる仕掛けや工夫が設計されていないという落とし穴です。深く内省させる仕掛けがない場合、
「こんな回答をしたのは誰だ?」魔女狩りの状態になったり、
「忙しいときに、なんでこんな研修を受けなければいけないんだ」と研修そのものを敵対視することにつながります。
この落とし穴は、管理職に自己分析を促したり、品質の高い質問によって自己課題に向かわせることで、防ぐことが出来ます。
③360度サーベイ項目が自社の管理職のあるべき姿と合致していない
360度サーベイの質問項目を初期設定のまま使用し、自社の管理職のあるべき姿と合致していない。これが360度サーベイの3つ目の落とし穴です。質問項目があるべき姿と一致していない場合、管理職が「できてないことが多いと感じ、必要以上に凹む」ことにつながります。360度サーベイの質問項目を設計する時点から自社の等級制度を意識していくことが大事になります。
④360度サーベイのフリーコメント欄が辛辣すぎる
落とし穴の4つ目は、360度サーベイのフリーコメント欄が辛辣すぎる、という内容です。360度サーベイのフリーコメントに何を記載されるか、はコントロールすることは難しいと思っている方も多いかと思います。実際、
・日頃の文句、悪口が並ぶ
・目安箱だと誤解し、実現の難しい要望が記載される
といった事象が起こっています。この落とし穴を回避する上で必要となるのは、「事前に回答する側へのガイドを丁寧に出す(事実をベースに記載させる等)」ことです。
以上が、360度フィードバック研修の各社の失敗例と設計ポイントでした。その他、「同じ点数の羅列」「フリーコメントに特になしが多い」「上長と部下で同じ項目の点数のGAPが見られる」等、いくつか注意しなければいけない状況もございますが、本記事では割愛させて頂きます。
具体的にどんな研修プログラムを実施しているか、組織戦略や人材戦略を踏まえてどんな質問項目にするか等、本記事には記載できなかった内容もございます。もしご興味ございましたら、お気兼ねなくご相談頂ければと思います。
NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。
セミナーアンケート(一部抜粋)
・これまでの研修実績の英知が凝縮されており、とても参考になりました
・360度サーベイに対してネガティブを払拭するための事前説明が重要と理解しました
・失敗例がどれも起こりそうで、本当に慎重に設計しなければと思いました
・昨年にサーベイを実施し、注意してしないといけないなと考えていたところがポイントとして挙げられていたので納得感のある内容であった
・360度フィードバックの実施後の活用方法として有益な情報でした。フィードバック単体だけでは内省~アクションに結び付きにくいと感じていたため。
登壇者の声
今回、ご相談が増えている360度サーベイに関するセミナーを開催しましたが、360度サーベイの扱いに悩む会社様も多いかと思います。ぜひセミナーの4つの落とし穴をふまえて設計していただき、受講者の行動変容が起きやすい場を作っていただければと思います。
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