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【内製研修にも使える】研修プログラムのストーリー「5つの型」とテーマに適した選び方

【内製研修にも使える】研修プログラムのストーリー「5つの型」とテーマに適した選び方

NEWONE事務局

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テーマに適したストーリー構築をする重要性

 研修プログラム設計において、「どのようなことを学習要素として盛り込むか」も大切ですが、同時に大切なのが「どのような流れで進むと、受講者にとって納得感が高いか」のストーリーを考えることです。

NEWONE流WHYの作り方:研修に対して斜めな受講者を前向きにする方法でもお伝えした通り、「このテーマに対して、なぜ自分がこの研修を受けるのか?」「なぜ、このスキルを学習する必要があるのか?」を受講者が納得しないと、いくら実のある話をしていても受講者に届きません。

 研修は多くの場合、「セクション」というパーツが組み合わさって構成されています。1日研修であれば大体3~5つほどのセクションが組み合わさって出来ています。受講者の納得感を高めるためには、各セクションと各セクションの内容がつながっており、全体のストーリーの構成が分かりやすいことが大切です。

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ストーリーを構築する際の観点

 ストーリー構築の観点は大きく2つあります。1つ目はテーマの特性です。組織の問題や業務にかかわる内容なのか、自分自身のキャリアや強み・価値観等内面を扱うものなのかによって適切な構成は異なってきます。

もう1つは受講者の状態です。これから新たに研修で学習する内容に対して、そもそも課題認識があるのかないのか、モチベーションが高いのか低いのか、これによっても適切な構成が異なります。

では、具体的にどのように研修の構成が変化するのでしょうか。ここでは代表的なストーリーの5つの型を見ていきたいと思います。

代表的なストーリー「5つの型」

(1)役割認識→現状認識→必要なスキルの学習→まとめ

◆適したテーマ・受講対象者:新たな役割に転換した時、転換する前に役割認識をさせたい
◆代表的な研修:階層別研修(新任○○職研修)、OJTトレーナー研修等

 新任管理職研修等、新たな役割認識をしてほしいというテーマに対してよく見られる構成です。

このタイプの研修で最も重要なのは、最初の役割認識で、これまでの自分が求められてきた役割期待からの「変化」に腹落ちし、視座や視野、スキルの点で「自分自身がまだ不足している点があるかもしれない」と、自分に対する認知の揺らぎを与えることです。

そうした感情の揺れが、学びに対する”渇望感”につながり、後半のスキルを学習する際の動機付けになります。逆に言うと、役割認識と現状認識が甘いまま進んでしまうと、受講者にとってスキルを学習する意義が生まれづらいので、上滑りしてしまうことにつながります。

NEWONEのプログラムは、深い腹落ちを得意としています。

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(2)過去→現在→未来(ありたい姿)

◆適したテーマ・受講対象者:自分の内発的動機を基にありたい姿を描く、自己効力感を高めたい
◆代表的な研修:キャリア研修

 キャリア研修等、自分自身の内面と深く向き合うテーマに対してよく見られる構成です。

最初に自分のこれまでの経験を掘り下げて、無意識に大事にしてきた価値観や培われてきた強み、キャリアの資産等を棚卸し、それが現在の仕事にどのようにつながっているかを明らかにし、最終的には未来のありたい姿を自分の言葉で描いていきます。

自分と向き合う時間が長く、また過去を棚卸しする過程で自分が気づいていなかった強み等に気づくことになるので、自己効力感が高まり、受講者自身の感情がポジティブになることが多い構成です。
そのため、自分に自信がないことが多いベテランの女性社員や、少し仕事に対するモチベーションが下がっている若手層等にフィットすることが多いという特徴があります。

キャリアに対する自信を高め、漠然とした未来への不安を解消することでエンゲージメント向上につなげる 若手社員向けキャリア研修

(3)実践演習(腕試し)→振り返り→必要なスキルの学習、考え方を身につける

◆適したテーマ・受講対象者:課題認識が弱い、研修に対して後ろ向き
◆代表的な研修:ビジネスシミュレーション実践研修、ゲームを通じたキャリア研修等

 「わかる」と「できる」の違いに気づくという目的や、ゲーミフィケーションを取り入れて取っつきにくいテーマでも楽しく取り組めるようにするといった目的で選択される構成です。研修の冒頭にいきなりある程度の時間を取り実践をしてもらうところからスタートし、そのうえで実践のプロセスを振り返り、必要なスキルや考え方の学習につなげます。課題認識が弱く、「自分はできている」と捉えている受講者にとっては、実践シミュレーションで腕試しをし自分の現状を突き付けられることで、適切な課題認識を持つことができます。

また、若手層やシニア層向けのキャリア研修でもよく活用されます。「なぜキャリアについて考える必要があるのか」の腹落ちをするうえで、これからの人生を楽しく、模擬シミュレーションする仕掛け(人生100年時代ゲーム「MIRAIZ」)が有効で、最初は後ろ向きだった受講者が、徐々に前のめりになっていく様子を見ることができます。

(4)理想の姿・あるべき姿→問題発見・原因追求→解決策立案→実行計画

◆適したテーマ・受講対象者:管理職、リーダークラス
◆代表的な研修:組織診断を使用した組織のエンゲージメント向上研修

 これは組織風土の改善や、職場の問題発見解決のためによく用いられるストーリーです。まずは理想の組織の状態や目指す姿を描き、そこに対する現状を分析してギャップとなる課題を発見し、課題解決に向けた具体的なアクションプランに落とし込みます。現状分析の際には客観的なデータとしてエンゲージメントサーベイが使われることも多く、いかに理想と現実のGAPに向き合うかが大事な点となります。
弊社でもエンゲージメントサーベイを使ったワークショップは多数実施しておりますが、サーベイを読み解く際のポイントも合わせてお伝えすることで、職場に戻ってからの自走も後押ししています。

エンゲージメントサーベイを使った組織風土開発ワークショップ

(5)振り返り→あるべき姿・現状認識→必要なスキルの学習→まとめ

◆適したテーマ・受講対象者:職場実践期間を挟んだ後に、知識やスキルの定着化を推し進める
◆代表的な研修:○○フォロー研修

 最後はフォロー研修でよく使用される型です。どんなテーマのフォロー研修であっても、職場実践期間に行動をしてみて得られた気づきや学びを振り返り、全体に共有することで学びの幅だしをすることから始めることが一般的です。上手くいった手ごたえを得ている人もいれば、なかなか手ごたえを得られなかったり、壁にぶつかり思うように職場で行動できていなかったりする方も一定数います。そういった方々がまた行動実践への意欲を持てるような追加の武器(スキル)をしっかり与えることが最も重要です。どのような武器を渡せば受講者のためになるのか、職場実践の状況を直接ヒアリングし、ぶつかっている壁が何かを吸い上げてを設計することも弊社ではよく実施しています。

ぜひ、研修を設計する際にはテーマと受講者特性を踏まえて適切なストーリー構造になっているか見返してみてはいかがでしょうか。

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