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エンゲージメントを高める”組織内対話習慣”とは?~管理職の意識変革で終わらない組織変革~

エンゲージメントを高める”組織内対話習慣”とは?~管理職の意識変革で終わらない組織変革~

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著者

青木 美奈

著者

青木 美奈

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員・若手から管理職まで幅広い階層の研修設計を支援。特に女性活躍、ダイバーシティ推進に注力している。社内では、メソッド記事の作成を推進している。

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近年、組織と個人の関係性が変化し、エンゲージメントの概念が着目されるようになってきました。今回は、エンゲージメントを高める、組織内対話習慣についてご紹介します。

※本内容は、2024年2月7日実施したセミナー「エンゲージメントを高める”組織内対話習慣”とは?~管理職の意識変革で終わらない組織変革~の内容をまとめたものです

エンゲージメントと組織カルチャー

エンゲージメントとは、組織と個人の対等なつながりを表します。

エンゲージメントを高めるためには、エンゲージメントサイクルを循環させることが重要です。まずは、仕事や会社に対してポジティブな感情を持ち、「自分で決めている」という自己決定感を持った行動を起こします。その結果、感謝・賞賛や成長実感・貢献実感等の手ごたえを得ることでエンゲージメントが高まっていきます。このサイクルを回していくことで、エンゲージメントが高まっていきます。

エンゲージメントサイクルについて詳しくはこちら

エンゲージメントサイクルを回す基盤となっているのが組織カルチャーです。

例えば、甲子園出場を目指している野球部であれば、朝練を毎日がんばることは「当たり前」のカルチャーであり、甲子園に出場するための仕組みづくり、個人の行動、上司的立場の監督からのかかわりのレベルが「甲子園出場レベル」へと上がっていきます。

管理職の意識変革だけでなく、組織の体質(カルチャー)変革をすることで、組織全体で高いエンゲージメントレベルを目指すことが重要です。

組織カルチャー変革とは

人が集団になると、自分たちの行動パターン(=カルチャー)が形成されます。どんな組織の中にも、暗黙の不文律(明文化されていない暗黙の行動規範)が存在しているので、まずは自組織の今のカルチャーを棚卸していくことが重要です。カルチャー変革においては、これまで自組織にあったカルチャーを「終わらせて始める」ことが必要となってきます。『両利きの経営』の著者であるチャールズ・A. オライリー氏は、組織カルチャーは、その会社、組織に見られる行動パターンのことだと定義しています。

このように、カルチャーを変革するためには、自組織における行動パターンを「終わらせて始める」ことが重要なのです。

カルチャー(行動パターン)を変えるのは誰か?

多くの日本企業は、階層主義×合意形成型であると言われています。組織内における階層がしっかりと別れていますが、トップダウンでガラッと変革するよりは、上位層から合意形成をしながら変革を起こしていくことが効果的です。

上位層が変わらないままカルチャー変革を起こそうとすることは難しいですし、逆に上位層だけ変わっていても、組織全体にカルチャーが浸透していかないため、上位層からアプローチし、組織内に共通言語(共通の目的)を作ることが重要です。

カルチャーを変える方法として、経営主導の組織開発、現場(管理職)主導の組織開発の2つの動かし方があります。

経営主導の組織開発では、経営チームがミッション・ビジョン・バリューの見直しや浸透等を通じて、全社的に組織開発を進めていきます。これは、長期的にじっくりとカルチャーを変えていく動かし方です。

現場(管理職)主導の組織開発では、部署やチーム単位等の各組織ごとに管理職が中心となり、組織サーベイ等で課題を可視化し、カルチャー変革ビジョンを掲げて動かしていきます。小規模単位でのカルチャー変革になるので、比較的取り組みを始めやすいです。

では、組織・カルチャー変革は、どのように進めるのでしょうか。

組織変革には大きく3つのステップがあります。

  1. カルチャーの重要性や課題を共通認識にする
  2. カルチャー変革のビジョンを掲げる
  3. 組織としての成功体験を生み出す

1. カルチャーの重要性や課題を共通認識にする

課題の共通認識をとるために、エンゲージメントサーベイ等によって組織状態を可視化することが一歩目です。そのうえで、現状のカルチャーをどのように変えていきたいのか、を考えていくことが重要です。

2. カルチャー変革のビジョンを掲げる

課題をとらえる際には、自組織が本来どのような状態が望ましいのか、認識をそろえることが重要です。自組織の理想状態に照らして現状を見ることで、今重視すべき課題が見えてきます。

3. 組織としての成功体験を生み出す

近年、理念浸透やパーパスの浸透に注力する会社も増えてきていますが、従業員の方々にとって手ごたえが感じられないと、変革を推進していくことは難しくなります。組織変革は長期的に取り組むことが必要になるからこそ、「自組織のカルチャーが変わってきている」という短期的な手ごたえを生み出すことが重要です。

対話によって組織カルチャーを変える

組織内における立場が違えば、見える情報が異なるのは当たり前です。大切なのは、全体像をとらえて、まずは人・立場によって見えている状況、問題が異なることを認識し、見え方の違い、ズレを埋めていくことが重要です。

組織の課題は、自分自身のものの見方や周囲との関係性が変わらないと解決できない適応課題がほとんどです。適応課題は、起こっている事実に対して、人によって解釈が異なり、その結果見え方が変わってしまうことから発生します。

例えば、管理職がメンバーの仕事を引き受けた事実があったとします。ある人は、メンバーが困っているところを助けてあげた、という解釈をしますが、別の人はメンバーを信頼しないで、仕事を奪った、と解釈をするかもしれません。

組織とは、人と人との関係性であり、組織開発とは、組織内の関係性を再定義し、ズレをなくしていくことです。1人ひとりズレているものの見方の差を埋めていくために、定期的に対話をして、組織内における見え方のズレをなくしていくことが重要です。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。

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対話の価値

対話とは、お互いの前提や意見の「違い」を見つけ、「違い」を知り合うことであり、ダイバーシティ・コミュニケーションとも呼ばれます。お互いの見え方の違いを知ることで、関係性を再定義する、ズレをなくしていくことにつながります。

現代は多様性の時代になってきて、1人ひとりの見え方、とらえ方に違いがあり、ズレが生じ続けてしまいます。そこで、大切なのは、対話を習慣化することです。

例えば、業務プロセスの改善について定期的に対話する、マネジャーとメンバーでキャリアについて毎月対話する、エンゲージメントサーベイを元に対話する、等、対話を習慣化することで、組織の行動パターンを見直し続けることができます。組織内での認識はズレ続けてしまうので、認識のズレを埋めていくための、対話習慣を持ち続けることが重要なのです。

対話の習慣を持ち続けるためには、仕組み化をする等、組織内で対話習慣を維持する努力が重要です。

NEWONEでは、対話習慣を持つ一歩目として、良い対話の成功体験を生み出す研修や、対話の支援をするCocolaboというツールを用いてご支援しております。

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セミナーアンケート(一部抜粋)

・経営からの浸透と、職場単位での対話の両方から組織カルチャーを変革していく手法が学べてよかった。
・組織の課題を対話の継続によって解決していくプロセスの大切さを痛感しました。
・カルチャーや対話について、意味、意義、内容等を整理できて良かった。
・エンゲージメントに対する基本的なところと、新しく意識できるところがあり勉強になりました。
・サーベイでスコアが低い項目ばかりに対策するのではなく、まず理想の状態を考えるということがとても納得できました。
・エンゲージメントを効果的に上げる手法というより、そもそも「組織カルチャーの変革」という点に焦点を置いた話は大変興味深かったです。

登壇者の声

働き方改革が重要視された前後から、管理職の意識変革が求められ続けています。しかし、管理職だけが意識を改めるとエンゲージメントが高い組織になるかというとそうではなく、組織の体質、カルチャーが変わっていく必要があります。このカルチャーというもの正体があいまいゆえに、変革が進まないことが多いのではないでしょうか。本セミナーではこのカルチャーとは、「行動パターン」であり、「会議体(コミュニケーションのデザイン)」であると定義し、変革のポイントをご紹介しました。

まとめ

組織変革を起こすためには、管理職の意識変革だけでなく、組織の体質(カルチャー)を変革することが重要です。カルチャーとは、組織の行動パターンであり、その行動パターンを変えるためには、組織の中に必要な対話習慣を根付かせる事が重要です。

組織に対話習慣を根付かせるための一歩目として、対話の手ごたえを掴むことをNEWONEではご支援しておりますので、ご興味がある方はぜひこちらからお問い合わせください。