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対話を通じて真の組織課題をとらえる~関係性から生じる「適応課題」とは?~

対話を通じて真の組織課題をとらえる~関係性から生じる「適応課題」とは?~

NEWONE事務局

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「組織課題は山積みだが、何から手を付けたらいいかわからないんです。」

このような悩みを抱えている人事様は多くいらっしゃいます。
組織で起こる課題は、表面的には気づかない根深い原因が潜んでいるからこそ、手を付けづらいことが多いです。

そこで今重要視されているのが「適応課題」という組織課題の考え方です。
今回は、適応課題という考え方と対応策についてまとめていきます。

組織の課題に何から手を付ければいいか漠然と悩んでいる方の一助になれば幸いです。

適応課題とは?

適応課題とは、ロナルド・A・ハイフェッツ氏が『最難関のリーダーシップ』で提唱した課題の分類です。
ハイフェッツ氏曰く、そもそも「課題」とは、適応課題と技術的課題の2つに分けられると考えられています。

■適応課題
自分自身のもののとらえ方や価値観の違いによって生じている課題のこと

■技術的課題
知識やスキルの不足により生じている課題のこと

このうち、適応課題はさらに以下の4つに分類することができます。

①ギャップ
大切にしている価値観と実際の行動にギャップがある例:女性活躍を謳っているいるにもかかわらず、女性マネジャーが少ない

②対立
組織におけるコミットメントの対立例:営業部と企画部の間で対立が起こる

③回避
問題のすり替え、責任転嫁例:エンジニアの離職率が高いため、採用数を増やす

④抑圧
言いにくいことを言わない例:会議中に言いづらいことを言わないままにしている

ただし、組織内の課題が必ずしもいずれかに分類されるとは限りません。というのも、技術的課題と適応課題が複雑に絡み合っているケースが多いからです。だからこそ、技術的課題の側面だけに目を向けて、既存の技法や個人の技量で解決しようとしても、解決の見通しは立たないことが多いのです。

例えば②の例を挙げてみましょう。顧客からさらなる要望を受けた際に、営業職の社員は「売上目標を達成するために頑張ろう!」と思います。一方で品質管理の立場からすると、「品質が担保できないから断るべきだ」と感じるかもしれません。このような状況は、立場によってとらえ方が変わるというのが最も身近な例でしょう。

自分の枠組みからは自分の主張が正当なように感じるのが、人間のとらえ方の傾向です。「なぜ相手がそのように主張するのか?」を一歩引いて考えなければ、相手の主張にも一理あることに気づくことができないのです。

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適応課題を解決するには

適応課題はとらえ方の違いという複雑な要因を持つからこそ、容易に解決できるものではありません。ここからは、適応課題とどのように向き合わなければいけないのかを考えていきましょう。

メンタルモデルをとらえる

同じ組織内の人同士でも、適応課題が絡んでいる以上「とらえ方の違い」が生まれていることは明白です。ここで大事になる考え方が「メンタルモデル」という考え方です。

メンタルモデルとは、「とらえ方の癖」のことであり、過去の経験によって形成された「思い込み」から生じています。関係性の間には「とらえ方の癖」があるという前提に立つことが、組織課題に踏み込む第一歩になります。

メンタルモデルについて詳しく知りたい方は、こちらのページをご参照ください。

対話する

さらにメンタルモデルの違いに気づくためには「対話」が必要になります。

「対話」とはただ「会話」をすることとは異なります。

NEWONEでは、対話を「多様性という違いを発見すること」「相手と自分とは違うという前提に立ち、その違いを尊重すること」だと定義しています。

「自分と相手のとらえ方は違うんだ」という前提に立ち、課題が生じたときに「どうしたら相手に受け入れてもらえるか?」という視点を持つことで対話が生まれます。

先程の例を振り返ると、別部署に所属している相手にはその人なりの考えがあるという前提に立つことで、相手の主張を受け入れることができます。そのうえで、「どう伝えれば自分の考えを分かってもらえるか?」を考えて話すことにつながります。

NEWONEの事例とのつながり

ここまで、適応課題と向き合うためには対話が重要であるということを伝えてきました。とはいえ対話を通して「とらえ方の違い」に気づくことはそう簡単ではありません。

弊社では、対話ツール「Cocolabo」を使用し、組織での対話の円滑化をサポートしています。

「Cocolaboオバケ」

関係性や環境から生まれた目に見えない組織課題を14体の「オバケ」に客体化し、ゲーム感覚で課題を発見していく対話ツールです。

例えば「表面的な会話しかできず、お互いを深く知れていない」という課題感を持っている時、客体化された「仲良しサークルオバケ」を挙げて話すことができます。

上司と部下での課題のとらえ方の違い、コミットする業務によるとらえ方の違いなど、同じ組織にいても課題の感じ方が異なることがオバケで明白になります。普段はなかなか口に出せない「実は…」という課題感を、客体化されたポップなオバケを使うことで話しやすくなるのです。

弊社では適応課題の解決に取り組めるツールや事例を幅広くご紹介できますので、まずは対話を促すことから始めよう、という方はお気軽にご相談下さい。

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