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トップ層を味方に!エンゲージメント向上を加速させる巻き込みの秘訣

トップ層を味方に!エンゲージメント向上を加速させる巻き込みの秘訣

NEWONE事務局

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エンゲージメント向上や人材開発・組織開発全般に関するお役立ち情報やメソッドを発信してます!

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エンゲージメントサーベイの導入が進む中で、「経営層が本気になってくれない」「現場との温度差が埋まらない」といった声が多く聞かれます。

中長期での施策推進が求められる今、鍵となるのは“トップ層の巻き込み”です。

本セミナーでは、経営や上位層からの理解を得る、巻き込むためのポイントを、他社の取り組み事例や構造的な視点を交えてご紹介します。

(※本内容は、2025年7月実施セミナーの内容をまとめたものです)

1.エンゲージメントを高める必要性

近年、エンゲージメント向上が求められる背景には、大きく三つの社会的変化が挙げられます。

① 労働市場の売り手市場化

少子高齢化に伴い労働人口が減少し、企業側が人材を選ぶ時代から、働き手が企業を選ぶ時代へと移行しています。採用競争が激化する中で、「選ばれる企業」であるためには、給与や福利厚生だけでなく、働きがいや心理的安全性といった“働く環境”そのものの質が問われるようになっています。

② キャリア観の変化

これまでのように、組織内での昇進や長期雇用を前提としたキャリア観ではなく、個人の自己実現が主のキャリア観に変化してきました。新しい環境や成長の機会を求めて転職や副業を選択する人も増加しており、組織と個人の関係性が対等になってきた昨今では、組織側の「求心力」を強めることが不可欠になっています。

③ 人的資本開示の義務化

2023年以降、上場企業を中心に人的資本に関する情報の開示が義務付けられ、社員のエンゲージメントやスキル開発、ダイバーシティといった要素を社会に対して可視化する必要が生まれています。これにより、単なる社内施策としてのエンゲージメント向上ではなく、「企業の信頼性」や「中長期的な成長力」を示す戦略的な取り組みとしての位置づけが強まりつつあります。

2.エンゲージメントサーベイ活用がうまく進まない要因構造

こうした背景を受けてエンゲージメント施策に取り組む企業が増える一方で、「サーベイを導入したものの活用がうまくいかない」という声も多く聞かれます。

エンゲージメントサーベイは、現状を可視化するための大切なツールですが、それ自体が目的ではなく、“活用してこそ意味があるもの”です。

しかし実際には、「結果をどう読み解くか」「どのように施策へとつなげるか」が定まらず、止まってしまうケースも多く見られます。

エンゲージメントサーベイがうまく活用されない背景には、いくつかの要因が複雑に絡み合っています。表面的には「上手く分析できない」「取り組みが組織全体に広がらない」といった課題が見られますが、その土台には経営層のコミットメント不足があります。

さらに深掘りすると、そのコミットメント不足の背景には、経営層特有の葛藤が存在しています。「エンゲージメント向上」よりも「業績へのプレッシャー」「戦略目標の達成」など、より直接的・短期的な成果を優先せざるを得ない状況があるのです。

このような現状を打破するために重要なのが、「エンゲージメント向上 or 業績向上」というトレードオフの思考を、いかに「エンゲージメント向上 and 業績向上」へと転換していくかです。この思考転換こそが、最も大きな突破口となります。

そのためには、「エンゲージメントと業績は連動している」ということを、データをもとに示していくことが有効です。エンゲージメントのどの要素が業績、パフォーマンスと関係しているのかを可視化し、現場と経営層の間で共感と合意を築いていくことが大切です。

3.上位層を巻き込む際の壁とその対応策

エンゲージメントと業績を両立していくためには、現場や人事だけでなく上位層の巻き込みが不可欠です。しかし現実には、「理解はしているつもりだが動けていない」「やりたいがどう進めていいか分からない」といった声も多く、なかなか行動に結びつかないという課題が多くの組織で見られます。この背景には、大きく3つの“壁”が存在しています。

壁①:現状を正しく理解できていない

上位層がエンゲージメントの重要性を本質的に理解しておらず、腹落ちしていないケースがあります。「エンゲージメント向上より業績を上げることが大切だろう」と、結果・業績を最優先とするマネジメントスタイルに縛られ、後回しにされがちです。

対応策:

まずは、時代背景や他社事例などの客観的な情報とともに、エンゲージメントが業績とどう結びついているかを丁寧に伝えることが必要です。加えて、「今組織が向き合うべき課題は何か」「どんな未来を目指すのか」を対話ベースで真剣に語り合う場をつくることが重要です。

壁②:何をすべきか迷子

上位層の中には、「重要だとは思うけれど、自分は何をすればいいのか分からない」という状態に陥っている人もいます。階層ごとの役割が整理されておらず、社内に共通言語がないことで、動きが止まってしまうのです。

対応策:

上位層の想いや認識している課題・現状を言語化し、会社としての共通言語を整理することが必要です。そのうえで、現場や他の階層の声も可視化し、意見をすり合わせていくことで、役割の明確化と施策の浸透に繋がっていきます。

壁③:武器が不足している

取り組もうという意思はあっても、実行に移すための「武器」が不足している場合もあります。たとえば、風土的にチャレンジがしづらい、前例がない、やってみたけれど成果が見えず手応えが得られなかったなど、環境や仕組みが整っていないことで継続に至らないことがあります。

対応策:

まずは、環境や風土、仕組みを整えるため、自社の「不文律(無意識の前提や行動)」を言語化し、良い文化は活かしつつ、改善すべき慣習には働きかけることが必要です。さらに、小さな変化を見つけて発信・称賛していくことで、手応えを感じやすくし、行動の定着を促していきます。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。

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4.支援事例

弊社では、エンゲージメント向上に課題を感じている企業様に対して、単なるサーベイの実施・分析にとどまらず、経営層や管理職を巻き込んだ伴走支援型のコンサルティングやワークショップをご提供しています。

事例①:大手携帯販売代理店における「上位層の巻き込み」支援

・経営層(社長・役員)へのインタビューを行い3月と5月にワークショップを実施

・管理職(約200名)に対し、組織風土向上に向けたワークショップ(計10回)を実施

このような組織活性化コンサルティングを通じて上層部の方の意識、行動変革を促した結果、1on1の実施や個別相談の増加といった実際の行動変化が現場にも波及し、組織風土の改善に向けた動きが着実に進んでいます。

事例②:全社的な「共通言語化と行動の見える化」ワークショップ

・社長から若手社員まで、全員が「自分が考える理想の職場像」と「そのために自分ができる行動」を言語化・宣言

・宣言内容を写真+メッセージで掲示することで、全社での可視化・共有を実施

・単なるトップダウン施策ではなく、全社的な対話の場をつくり、価値観や方向性を揃える機会に

このように、弊社では企業様のご状況に合わせて、エンゲージメント向上に向けた幅広いご支援をさせて頂いております。上記に限らず、貴社の状況やお悩みに合った具体的な対応策が知りたい、という方がいらっしゃいましたら、是非お気軽にご相談ください。

セミナーアンケート(一部抜粋)

  • 5名分程度抜粋して挿入 イトップ層を巻き込むことの重要性を改めて認識することができましたが、一方で忙しい人たちなので巻き込み方の難しさもあるなぁと感じました。
  • エンゲージメントサーベイを活用するためには、その後の対話や施策の重要性を改めて感じた。
  • エンゲージメント向上に必要なポイントが理解できました。ありがとうございました。
  • 経営幹部のマインドセットに有効
  • 求心力と遠心力の話が腹落ちした

登壇者の声

エンゲージメントを高めて良い会社・職場にしたいという想いを持つ人事の方が増えている一方、会社ぐるみで中々上手く進められない…といったお悩みを聞くことも増えました。そうしたお悩み解決への一助となれれば、という想いで今回のセミナーをお送りしております。今後も「経営層を巻き込みどうエンゲージメント向上を進めるべきか」という論点は根強く残るかと思います。ぜひお悩みの方はご相談いただけたら嬉しいです。

エンゲージメント向上においては、組織一体になって推進していくことが重要です。組織変革は一筋縄ではいきません。直ぐに成果を求めることも難しいので、だからこそ、経営層・上位層と一体になりながらプロセス面にも目を向けて、少し進んだ、変化があった点をポジティブに伝えていく、そういった小さなことから始めていく、そんな組織風土を根付かせていけるとよいと考えます。

まとめ

近年、労働市場の変化やキャリア観の多様化、人的資本開示の義務化を背景に、エンゲージメントの重要性が一層高まっています。一方で、多くの企業ではサーベイを導入しても、十分に活用しきれないという課題も見受けられます。こうした状況を打開する鍵となるのが、業績とエンゲージメントを両立させる視点と、上位層の巻き込みです。弊社では、経営層や管理職を対象としたワークショップや、全社を巻き込んだ対話の場づくりなど、企業様に合わせた幅広い組織変革のご支援をしております。

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