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働きやすい職場づくりに力が入れられている昨今、このような動きとは裏腹に人事様の声として多いのは、「心理的安全性が高いようで高くない」という状況です。
- 業務的なコミュニケーションは問題なくできるし、気軽に話しかけることもできる
- ただし問題意識や違和感は言ったら負けの雰囲気がある(平穏を乱さないようにしている)
このような状況は、一見何でも話せる関係性のようで、実は言いたいことを言えていない「見せかけの心理的安全性」と言えるかもしれません。多くの企業のお悩みとなっているこの状況をどのように変えることができるのでしょうか。
そもそも、この「見せかけの心理的安全性」の難しさは、当事者は問題ととらえているものの、組織の一種のカルチャーと化している部分もあり、そこに居心地の良さも感じてしまっているということです。
つまり、極論、当事者にとって抜本的に変える緊急性も必要性も感じられず、抜本的に変えることが本当に良いのかも分からない、という状態になってしまうことが、この問題の難しさだと思います。
この問題を変えるためには、「居心地の良さをシフトする」ことが必要です。
人間には、現状をできるだけ維持しようとする性質(ホメオスタシス)が常に働いています。
そのため、問題意識は感じていつつも、あえてこの状態を変えよう!と声を上げることがない状況は当然と言えます。
このような特性を乗り越えて、本物の心理的安全性を構築していくためには、「今感じている居心地よりも、変化した方がさらに良い居心地を感じられる(現状を維持するよりもメリットが大きい)」という意識の転換と、行動による手ごたえを感じる必要があるのです。
- 「問題提起すると自分がやる羽目になるから、言わないでおこう」ではなく「問題提起して、より良い方法をみんなで考える方が長期的に考えて働きやすいな」と感じられる
- 「本当は若手のこのような態度が気になるが、問題になると面倒だから黙っておこう」ではなく「きちんとフィードバックすることで彼のパフォーマンスが上がるなら伝えてあげよう」と感じられる
- 「こんなことを聞いたら内心嫌な思いをされるかもしれないので聞かなくて良いかな」ではなく「もしかしたら他にも困っている人がいるかもしれないので、聞いた後に社内に展開しよう」と感じられる
このように、今よりもっと良い居心地があることに気が付き、それを実行することによって、変化への手応えを感じることが大切です。
心理的安全性の問題は、現状に居心地の良さを感じてしまっているからこそ、日々の意識だけではなかなか変わらない問題と言えます。先述の通り、このような状況は一種のカルチャーであるため、それを変えることになると思うと、何から始めれば良いのだろう、と思うかもしれません。
少人数のメンバーからでも、ちょっとした行動から変化への手ごたえを獲得し、より良い居心地の良さを求めて変革していくことが必要であると思います。