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OJTの主導はトレーナー側?新人側? 感覚から脱するOJTのアプローチ

OJTの主導はトレーナー側?新人側? 感覚から脱するOJTのアプローチ

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著者

高藤 賢

著者

高藤 賢

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員から管理職層まで幅広い階層を支援。社内では提案書の集約システムの構築、社内マニュアルの管理等、業務効率化に向けた仕組みづくりを行っている。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

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背景

新入社員が成果を出せる一人前のビジネスパーソンになることを願ってOJTトレーナーになるものの、以下のような悩みを抱えることが多々あります。

  • 指示待ちの状態が多く、自分から声をかけるしかないと感じている
  • 本人は「成長したい」と言うものの、プライベートを優先し、なかなか目標にコミットしてくれない
  • 何を大事にしているか、何がモチベーションになるかが分からず、どう関わればいいか途方に暮れる

これらは、OJTトレーナー研修をご一緒するなかでよく聞かれる受講者の声です。では、新入社員が成果を出せるビジネスパーソンになるためには、どのような関わり方が必要でしょうか。また、OJTの主導はトレーナー側でしょうか、それとも新入社員側でしょうか?

本記事では、OJTの主導がどちらにあるべきかを考えながら、新入社員と関わる際のポイントを紹介します。

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OJTの主導はどちらか

この問いかけをした時点でどちらかを察していらっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、OJTの主導は「新入社員」であるべきだと考えています。その理由は、新入社員が「成果を出せる一人前のビジネスパーソンになること」をゴールとする場合、彼らの「主体性」と「内発的動機」が不可欠だからです。

主体性: 新入社員が指示待ちや受け身の状態では、成果を出すことはできません。自分で主体的に考え、行動することが成果を出すための第一歩となります。

内発的動機: 若手世代の傾向の一つとして、「意味・価値」を重視する傾向があります。それは、自分にとっての意味・価値に肚落ちし、その内発的動機があってこそ、自ら主体的に動き出す力が湧きやすい、と言い換えることができる、と考えています。(参考:リクルートマネジメントソリューションズ 2021年新入社員意識調査)

しかし、OJTの初期段階では、右も左もわからない新入社員に対してトレーナーがある程度主導することは避けられない部分もあります。そのなかでも、OJTトレーナーはどんな工夫ができるでしょうか。

OJTトレーナーとして関わる際の工夫ポイント

OJTトレーナーとしてできる工夫の1つとして、コーチングの手法である「GROWモデル」の活用が挙げられます。GROWモデルを活用することで、新入社員の自己決定を促し、目標設定から現状把握、選択肢の検討、行動計画の策定までをサポートすることができます。

(参考)GROWモデルの流れ

1.Goal/目標: 新入社員に対して、この仕事を通じてどんな価値を提供したいか、どんな経験にしたいかを一緒に考えます。長期的な目標や、目標達成によって得られるものについても話し合います。

2.Reality/現状: 現在の状況を新入社員と共有し、何が問題か、目標達成に向けてどの程度進んでいるかを確認します。

3.Options/選択肢: 目標達成のための方法を複数提案し、新しい方法や他社の事例なども参考にします。新入社員が自ら考え、選択することを促します。

4.Will/実行: 具体的な行動計画を立て、日々の行動やマイルストーンを設定します。達成感を感じられるようにサポートします。

また、新入社員向けにGROWモデルを活用する際の質問例も作成致しましたので、質問例を参考に自己決定を促すかかわりにつなげていただければと存じます。