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組織変革期に効果的な階層別研修の工夫

組織変革期に効果的な階層別研修の工夫

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著者

青木 美奈

著者

青木 美奈

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員・若手から管理職まで幅広い階層の研修設計を支援。特に女性活躍、ダイバーシティ推進に注力している。社内では、メソッド記事の作成を推進している。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

どんな研修があるか見てみる

組織変革期において、人事の皆様が特に着目するテーマとして、理念浸透やマネジメントの強化があるかと思いますが、今回は組織変革期において階層別研修を実施する際にできる工夫について考えていきます。

階層別研修は、組織状態に関わらず、年次や役職ごとに用意されている企業様が非常に多いと思います。組織変革期に実施する階層別研修を少し工夫することで、各レイヤー視点での組織に対する率直な意見を可視化し、組織変革を推進する力に変えることにつながります。

例えば、新任管理職研修にて、「新任管理職になった率直な気持ちは?」という問いかけをすると、「新任管理職として気持ちをさらに引き締めて頑張っていきたい」、という前向きな声もあれば、「組織改編でできた新しい部署のため、これからどのように管理職として組織作りをしていけばよいか、不安」という声も挙がります。

また、上位方針と紐づけながら自部署のビジョンを考えるワークでは、上位方針が状況に合わせて変わりやすい中、そもそも今の上位方針、組織として大切にしていることが何か見えていない、という率直な声も挙がってきます。

このように、新任管理職級では、これからの自組織の状況を見据えたり、今、どのように変わっているのかを把握しなければならないものの、難しさがあるという声が見られます。

新任管理職の一段下のレイヤーにあたる新任評価者の研修では、今後の組織変革をけん引してほしい、という期待がかかっていると感じる一方で、実践するのが難しいという声も挙がっていました。

組織全体が変わっていく状況をキャッチしつつ、メンバーに近い立ち位置から現場の声を吸い上げてほしい、という期待があるものの、現場の声が上層部まで届いていない感覚に歯がゆさを感じている方もいらっしゃる状況でした。

最後に、若手層向けの研修では、組織に新しい風を吹かせてほしい、と言われながらも、実際は変革が組織上層部のどこかでつっかえてしまっている感覚がある、という声も出てきました。組織は時間をかけて変わっていくものですが、見えている視野が上位者と比較して狭くなりがちな若手にとって、変化が感じにくいことは組織に対する諦め感にもつながりかねないことが分かります。

各階層からの意見を踏まえると、それぞれの人がそれぞれの立場で組織変革に向けて頑張っているものの、なかなか上手く進められていなかったり、手ごたえを感じることが出来なかったりと、難しさを感じている方も多くいる組織状態が見えてきました。

そして、各階層の人が全力を出しているということは、他の階層の人からは見えにくく、組織状態が悪化すると、他責思考に陥り、他階層の人を攻撃しかねない状況でもあると言えます。

そんなバッドシナリオを防ぐため、階層別研修の中でも一貫したメッセージを伝えることが大切です。

組織変革期においては、変わりゆく組織状態に多くの人がモヤモヤを感じているが、他階層から見える視点を研修内でファシリテーターから共有し、今は過渡期であり、変わっていっているからこそこのモヤモヤが出てくることを認めることで、組織で一丸となって変革を突き進めていく力へとつなげることが重要です。

このように、組織変革期においては、階層別研修の機会を活用することで、組織変革に対するモヤモヤの吐き出しと各階層間での見え方のズレを整えていくことが重要です。