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管理職の部下育成を強化する際に押さえておきたいこと

管理職の部下育成を強化する際に押さえておきたいこと

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「管理職の育成力をあげたい」という人事担当者からの相談が上がってくるようになってきました。「エンゲージメント向上」「キャリア自律」「心理的安全性の向上」「人的資本の最大化」と、組織開発を進めていくうえでこれらのテーマは、人事担当者の皆様にとっては、馴染み深いものになってきているのではないでしょうか。そして、それぞれの課題を解決していくうえで、キーとなってくるのが管理職の育成力だと言われていますね。
一方で管理職の育成力に課題を感じている人事担当者が多いのも事実です。管理職の部下育成を強化する際にはどんなポイントがあるのでしょうか。

  1. 管理職の部下育成力向上に悩む企業に起きていること
  2. 管理職の部下育成を強化する際に押さえておきたいこと
  3. 管理職の育成力向上を支援するためのポイント

管理職の部下育成力向上に悩む企業で起きていること

そもそもなぜ管理職の育成力が上がらないのか。
育成に対して、特に現場でお伺いする管理職の方の特徴は以下の3パターンです。

①「他に業務が山ほどあって育成に割く時間がない。」という育成に対する優先順位が上がらない方
②「私のやり方を真似してくれたらいいのになかなかうまくいかない。」という自分のやり方に固執してしまう方
③「どうしてただでさえ忙しい管理職が育成をしないといけないのか?」というそもそも育成に関わる必要性を感じていない方

管理職の方の育成力強化にあたって、この3つの本音に向き合っていく必要があります。
まず、管理職の方の本音の背景を考えてみましょう。

育成に対する優先順位が上がらない方

忙しくても育成の時間を作っている管理職の方はいます。「週に1度、1on1を行う時間を30分だけ設け、部下のサポートを行う」、「月に1度1時間はチーム全員で集まり、対話の時間を設ける」など明確に「育成のための時間」を作っている管理職の方や、「普段の業務の中で、部下の様子を気遣うように意識している」といった、普段から育成の関わりを行う意識を持たれている管理職の方の事例もあり、多忙な中でも、育成のための時間を設けている方はいらっしゃいます。
「育成の時間を作れない管理職」と「育成の時間を作れる管理職」にはどんな違いがあるのでしょうか。育成に対するマインド不足が真っ先に上がってきそうですが、それとは別にそもそも育成に対する認識が不足している可能性もあります。育成とは部下のためだけの時間、としていると、忙しい中、育成に割く時間は取りづらいでしょう。また育成とは面倒なものだ、といった声もよく聞きますが、育成とは特別な時間を作り行うものではなく、普段の関わりを積み重ねていくプロセスです。
「時間がない」という管理職に起きているのは、単純な忙しさだけではなく、育成とは何か、そして育成がなぜ管理職に求められているのか、といった認識不足が関わっている場合が多いようです。

自分のやり方に固執してしまう方

もちろん育成に対して前向きな管理職の方は多くいらっしゃいます。現場を見てみると、しっかり部下との時間も作り、育成に取り組んでいるような熱心な管理職の方をよく見かけます。一方で、部下側に話を聞くと、「あの人の教え方は合わない」といった声を良く聞くのも現実です。一体何が起きているのでしょうか。
ここでは、部下側のスタイルと、管理職側のスタイルのズレが起きています。ビジネス現場での「育成」ほど曖昧なものはありません。それぞれに異なるバックグラウンドがあります。同じ仕事をしているようで、異なる見え方をしており、「教わる」と一重に言っても、見て学ぶスタイルなのか、教わって学ぶのか、考えさせて学ぶのか、状況や人によって、どのスタイルが適しているのか、はっきりしたものがありません。学ぶ側である部下にも、教える側となる管理職のそれぞれがこれが「育成」だと思うものが漠然と存在しており、それぞれの「育成」に対する微妙なズレが育成の失敗へと繋がります。
「自分が学んだように部下に伝える」といった属人的なやり方を続けていると、それに合わない部下は、育成が進まず、「あの部下は育たない」といった評価までついてしまうこともあり得ます。

そもそも育成に関わる必要性を感じていない方

最終的には「育成をする必要はない」として、全く育成に関わろうとしない管理職もいるようです。上記の自身の学んだ経験に依存している場合が多いのですが、そもそもこういった方は育成をされておらず、とにかく見よう見まねの観察・模倣学習によってスキルアップしてきた方が多いです。そのため、部下の方に対しては「自分で学べ」といった姿勢を取る傾向が強いのですが、「自分で学べ」だけでは難しくなってきているのが現代のビジネス環境です。
VUCA(Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性))の時代において、先の経験者を真似ればうまくいく、ということはまずありえないでしょう。一昔前は、(特に製造業を中心にして)とにかく目の前の業務を一生懸命取り組めば結果が出た世界において、先の経験者のやり方を踏襲すれば、うまくいく確率は高かったのです。ですが、今日の正解が明日の不正解になってしまう現代において、先人の知恵をそのまま流用することは難しくなっています。

「自分で学ぶ」だけでは、スキルアップが難しい現代と、「自分で学んできた」管理職の方とのギャップが、「育成をする必要はない」という管理職に起きている実際のところなのでしょう。

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管理職の部下育成を強化する際に押さえておきたいこと

一方で、実際に「部下育成が上手い」とされる管理職の方の特徴から、管理職の部下育成を強化する際に押さえておきたいことは、「育成」とは「教えることではなく、かかわること」である、ということでした。
「育成」とは「教えることではなく、かかわること」

上手い部下育成に共通して存在していたものは、「かかわり」でした。「かかわる」とは「対話する」「見守る」「関心を持つ」などがありますが、最も重要なことが「対話」という関わりです。
「対話」はそれぞれの「違い」を明確にする働きがあります。部下との対話を通じて、その人がどんな強みを持っているのか、そしてどんな意向を持っているのか、といった部下それぞれの特徴を把握することができます。そしてこれは、自分と部下は違うということを明確にすることに繋がります。自分と部下が違う、という認知は、自分が学んできたように教えれば良い、という経験依存の育成スタイルからの脱却に繋がります。部下と自分は違うのだから、自分と同じように育成をしても育たない、ということが分かるからです。
また、対話には、信頼関係を築く、という側面も持ちます。信頼関係は育成の基盤です。管理職がどんなに良い関わりを行ったとしても、信頼されていなければ、意味を持たず、むしろ逆効果となる場合もあります。
最後に対話には、次の適切な関わりを引き出す、といった効果もあります。部下の現在地を把握することが、次にどんな関わりをするのが適切なのか、見極めることに繋がるのです。管理職の方から「次はどうかかわるといい?」という問いかけと部下側からの「もう少し教えてほしい」「少し任せてもらっても大丈夫」といった返答があることで、次の関わり方が決まっていきます。
育成とは教えることではなく、かかわることである。そして、対話という関わりを通じて、それぞれの違いを明確にする、信頼関係を築く、次の適切な関わりを引き出すことが重要になってきます。

管理職の育成力向上を支援するためのポイント

どんな組織においても、管理職の部下育成力を向上させるために、試行錯誤を続けて、施策を練っています。ここでは各組織において、管理職の育成力向上を支援していくために、これだけは押さえておきたいポイントを紹介します。

育成にかかわる共通言語を持つこと

「育成とは教えることではなくかかわること」など、育成に対する認識を組織レベルで合わせていくことが重要です。ここまで管理職の部下育成力に焦点を絞って述べてきましたが、育成は、管理職だけで行うものではありません。職場全体を巻き込んで進めていく必要があります。育成のゴールはどこなのか、育成を進めていくうえで必要なことは何なのか、「育成」という曖昧なものに対する共通言語を作り、浸透させることが重要となります。
管理職同士の対話会、ワークショップを通じて、それぞれの共通言語を浸透させる動きが重要となります。

忙しい管理職に武器を渡すこと

育成には管理職にとってもメリットがある、といっても、管理職の忙しさが変わるわけではありません。育成を進めるうえで重要な部下への関わりの最低限の質を担保することが、忙しい管理職の皆さんが育成を続けるためには重要な要素となります。弊社では、Cocolaboという対話ツールを使うことで、管理職の皆さんの対話支援を行っています。こういった、対話支援ツールを武器として渡し、忙しくても、取り組める育成環境を整えていくことも、管理職の部下育成力向上を支援していくうえで重要なポイントとなります。
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