NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。
目次
メンバーの行動変容を促したいけれども、「研修ってどれも同じに見えて違いが分からない」、「ほんとうに人が変わるの」こんな疑問やお悩みをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。そこで、NEWONEが研修プログラムを開発する際に、行動変容を促すために用いる考え方を学術的根拠と共にご紹介します。
★弊社のケーススタディを使った研修プログラム例はこちら
研修の意義とは?本を読む、YouTubeを見る等との違い
研修を受ける意義とはなんでしょうか?研修を受けるには時間も労力もかかるため、良いイメージを持っていない方もいらっしゃるかもしれません。本を読めば十分に学ぶことができるし、最近ではYoutubeで新しい知識を得ている方も多くいるでしょう。
しかし、研修を受けることは、大人の学び、つまり成人学習に効果的です。子どもの学びは、新しい知識を供給して、知能面での発達を促しますが、大人の学びでは、自分の器を拡大させて自己成長を促します。大人には、これまでの経験から形成されたその人独自の価値観やモノの見方がありますが、これまでの経験で培われた認知にはズレがある可能性が大きいと言われています。
大人の学びでは、自分を疑い、自分の考えが異なるかもしれない、と思わせることで、認知をアップデートすることに繋がります。その認知のアップデートこそが大人の学びであり、そのきっかけを与えてくれるのが研修の意義だと言えます。
大人の学び=認知のアップデート
研修の意義は、認知のアップデートを促すこと
だと言うことができます。
大人が学ぶ時、人の頭の中で何が起きているのか?
認知主義と認知的不協和
認知主義では、人は何か行動を起こす時に、認知をして行動している、つまり自分で選択をし、考えて行動しているとされています。人の行動選択の源となる意識には、その大部分である90〜97%を占めるとされる潜在意識と、3〜10%の顕在意識があります。
認知主義で人の行動を変えるためには、この大部分を占めている潜在意識、つまり過去の経験などによって形成されたその人の無意識的な価値観や習慣などにアプローチする必要性があります。NEWONEでは、この無意識的な価値観や習慣などのことを「考え方・捉え方の癖」と呼んでいます。
では、どのように考え方・捉え方の癖に触れるのでしょうか。NEWONEでは、認知的不協和を起こすことを通じて、その人の癖を考えるきっかけを提供しています。認知的不協和とは、人が認知主義であることを利用して、認知を変える手法の一つです。何らかのモヤモヤを生じさせて、それを解消したい、というエネルギーを生み出すことで行動変容に繋げます。モヤモヤを生み出す、ことが重要です。
モヤモヤ(認知的不協和)を起こして、考え方の癖(潜在意識)に触れる
参考資料:「潜在意識の特徴と顕在意識の違い あなたが行動できない原因とは?」ビジネスのためのweb活用術
認知主義的学習観
人には、一人一人に考え方・捉え方の癖があるため、真っ白なキャンバスに知識を入れるという学習方法で学ぶことは難しいです。考え方の癖は、その人の過去の経験や記憶などから形成された考え方や価値観といったものを概念として捉える、一般的にはスキーマと呼ばれるものです。人には考え方・捉え方の癖がある、という前提に立ち、学習を考えたのが「認知的学習観」です。
そもそも、学習理論には2種類存在し、行動主義的な考え方から学習を捉える行動主義の学習理論と、認知的な学習理論があります。行動主義では、外的要因によって条件反射的な反応が起きることを学習だと定義しており、行動上の変化が起こることを指します。認知的な学習理論では、「モノの見方」が変わることを学習だと定義しており、表に現れた「行動」を見るだけではなく、「心の中で起こっていること」「頭の中で考えていること」を推し量って説明しようとする特徴をもっています。
具体的には「ある瞬間にそれまでの捉え方が急に変わり、『あ、わかった』という感覚を体験する、もしくは心の中にストンと落ちたように、またはもやもやしていた霧が一気に晴れるように、一度わかってしまうと、どうしてこのような簡単なことがわからなかったのかと不思議に思うくらいに、学習の前後で「モノの見え方」が突然変化する」、といった状態を学習と定義します。
引用:「学びの可能性を開く授業づくり」
認知的な学習観では、学習は主体的な行為であり、知識の変容(累加または再構造化)だと考えます。つまり、真っ白なキャンバスに知識を入れていく、のではなく、元々その人が持っている知識や経験に新しい知識を付け加えることで、その人が持つ「モノの見方」に影響を与える、というのが認知主義の学習観です。
NEWONEの研修は、認知的学習を起こすことを目標に開発されています。
認知的学習観を図式化すると、上のように考えられます。私たちは日々情報をインプットします。その情報を頭の中でどのように処理するのか、その処理方法や方針は各個人の「モノの見方」や「捉え方」などの考え方の癖に基づいており、行動につながります。最終的なアウトプットである行動を変えるためには、一人一人の頭の中での情報処理、判断の基準となる考え方の癖にアプローチし、「捉え方」を変えることが重要になります。
NEWONEでは、研修受講者本人が持つ考え方の癖に気がつき、その偏りを改善することで、行動変容を促す、そのきっかけ作りとして、研修を行っています。
認知的学習観=人が情報を処理する時に用いる考え方の癖に影響を与え、そこから導き出される判断、行動を変えること
参考資料:「学びの可能性を開く授業づくり」「認知学習論 〜学習とは何か〜」今井むつみ
「学習とは何か②認知主義的学習観・状況的学習観」イマージョン実践経営大学
NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。
大人の学びを促すポイント
大人の学びは、自分自身の考え方・捉え方の癖、認知の偏りに気がつき、物事の「捉え方」を変えることで起こるとお伝えしましたが、自分の癖を変えるには労力がかかります。そのため、癖に気がつく、変えるための動機づけをする必要があります。ポイントは、①自己効力感、②有意味発見学習の2つです。
①自己効力感
自己効力感とは、何らかの課題に直面した際や特定の状況下で、自分の可能性を認知することです。心理学者のアルバート・バンデューラによって提唱されました。
自己効力感を生み出す要因は大きく分けて以下の4つが挙げられます。
■成功体験
自分で何かを達成したり、成功したりした体験を指し、「できていること」「やれていること」を認識する。
■代理経験
他者の成功や経験を観察する。
■言語的説得
自分に能力があることを繰り返し説得される。
■情緒的喚起
自分の感情をコントロールして不安や恐怖から開放する。
自己効力感は、人が何か行動を起こす際のモチベーションとなります。つまり、人に何かしらの行動をさせたい時には、自己効力感を生み出すことが重要です。
②有意味発見学習
心理学者のオーズベルは、学習を機械的学習ー有意味学習、受容学習ー発見学習という独立した次元に分類しました。有意味学習とは、学習内容をそのまま記憶するいわゆる詰め込み型の教育の機械的学習の反対で、学習者がすでにもっている知識に学習材料をうまく関連づけることによって新しい概念を獲得しようとする学習のことを指します。
受容学習は指導者によって提示される学習内容に基づいて進められる学習であるのに対して、発見学習では主要な学習内容はあらかじめ提示されず学習者自身がそれを発見していく学習のことを指します。この2次元を組み合わせることで「機械的受容学習」「機械的発見学習」「有意味受容学習」「有意味発見学習(いわゆる発見学習)」の四つの学習型に分類されます。
つまり有意味発見学習とは、なぜこれが必要なのか、意味づけ、意義づけを、学習者が持つ自分の既存の知識に紐づけて発見していく、学ぶ行為のことを指します。
大人の学びを促すには、自分ならこのくらいできる!という自己効力感を感じさせ、この学習が意味あることだと実感させることが重要
参考資料:「自己効力感」看護roo!
「有意味受容学習」コトバンク
「学習とは何か②認知主義的学習観・状況的学習観」イマージョン実践経営大学
まとめ ~NEWONEの研修の背景にある考え方とは~
今回は、NEWONEが研修プログラムを開発する際に、行動変容を促すために用いる考え方を、学術的根拠を用いてご紹介しました。大人の学びを促すために認知的不協和を起こしてそのモヤモヤを晴らすための行動を促す、それこそがNEWONEの研修で提供していることです。次回は、実際にNEWONEの研修開発メソッドをお伝えします。
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