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人事戦略とは不平等である

人事戦略とは不平等である

NEWONE事務局

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(株)NEWONEの上林です。
10月より、戦略人事をテーマにNEWONE HRアカデミーを開始しました。
初回のコースは、定員通り15名の方に3か月全6回ご参加いただいております

・戦略人事とは何か
・経営戦略と人事・人材戦略の紐づけはなぜ難しいのか
というようなお題をもって、本アカデミーを開始しましたが、
戦略人事に関する情報を整理し、アカデミー内での対話を実施し、その上で感じたポイントをまとめてみたいと思います。

戦略とは何か

戦略とは、ビジョンや目標に到達するための手段・道のり・プロセス、と定義されることが多いです。
東京から「大阪」という到達地点に対して、飛行機で行く、新幹線で行く、車で行く、自転車でいく、在来線でいく、九州に寄ってから行く、というように手段やルートが様々ある中で、どれかを選び、どれかを選ばないものです。
新幹線を選んだならば、飛行機からの景色は見ることはできないという決断です。

また、ビジョンや目標、上記の大阪のように“到達地点”があることが戦略の大前提です。

その到達地点という観点で、経営戦略とは何かを見ると、
長期的な成長、生き残りを踏まえ、企業の目的を達成するために、持続的な競争優位を確立すべく設定された戦略
というような定義が多いです。

一方で、人事戦略とは何かを見ると、
採用や人材の育成・配置等、人事全般にまつわる業務やオペレーションを改善し、組織の生産性を高めていくための戦略
というような定義が多いです。

この人事戦略における「組織の生産性を高める」というのは、良いことですし、人事の役割と感じますが、一方で、経営戦略における「企業の目的」や「持続的な競争優位性」という観点で見たときに、一番連動する観点とはならない場合があります。

ここが人事・人材戦略を一生懸命推進しているつもりでも、実は紐づいていないのではという実態になる要因だと思います。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。

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経営戦略の紐づけに重要なKSF

経営戦略を考える上で、主要成功要因であり、事業を成功させるための必要条件という意味のKSF(Key Success Factor)という概念があります。

例えば、弊社NEWONEは、企業向けに研修などの集合スタイルのワークショップを提供しています。事業が成長し、仮に売上が増えていくために重要な要因は何かというと、
① 良質なコンサルティング営業ができる社員の数
② 無形商材であり”問い合わせ”が重要で、それを実現できるブランディング力
③ 長いお付き合いになることが多いので、取引社数
という点がKSFになり、高まるほど事業の成長につながります。

経営戦略と人事・人材戦略を紐づけるということは、
このKSFを実現するために必要な人・組織面のポイントを明らかにし、それを実現するための人事・人材戦略を立案することが大事です。

例えば、先ほどの弊社の例でいうと、KSFを実現するための人・組織面のポイントは、
・コンサル提案できる人材の採用・育成・活用
・高品質サービスを目指すカルチャーづくり
・理論の持論化と発信ができる人材の活用
が目指す姿になり、それを実現するための戦略や施策を考えて推進することになります。

もちろん、上記以外にも、コンプライアンス対応や離職防止など様々な施策は行う必要があります。
大事なことは、そういった施策の中でも、KSFと紐づく戦略や施策の重要度を上げることが紐づける上でのポイントです。

HRアカデミー内では、
このKSFに紐づく目指す姿や戦略・施策が明らかになると、事業部のトップやマネジャーと前向きに話しやすく、協力関係になりやすいのでは?
という意見が出ておりましたが、まさしくその状態を作ることが大事です。

戦略とは不平等である

経営戦略と人事・人材戦略を紐づけるにあたり、KSFから目指す姿を明らかにする必要性を述べましたが、その後は戦略を立案・推進するフェーズになります。

ここでポイントは、戦略は前述にあった通り、何かを選び、何かを選ばないということであり、
戦略を具体化し、推進していこうとすると、社員の誰かはハッピーになり、誰かはあまりハッピーでない、ということが当然起こります。
(先ほどの弊社の例でいうと、コンサル職で活躍している人はさらにスポットが当たりますが、それ以外の職種はあまり当たらない)

一方で、人事という職種を担うと、社員全員を平等に大切にしようという意識が働き、KSFに紐づくエッジのきいた人事・人材戦略を立案・推進できなくなることがあります

すなわち、ここが経営戦略と人事・人材戦略の紐づけの難しさです。

経営戦略と紐づく人事・人材戦略を推進するためには、
・戦略としての不平等さを受け止めることができるか、
・受け止めた上で戦略に好意的になる人をきちんと育て上げ、一方で戦略に好意的にならない人には別の対策や配慮を行う打ち手ができるか、
といった点がポイントであり、すなわち、戦略人事とはリーダーシップが問われる仕事だということがわかります。

弊社NEWONEは、不平等を受け止め、推進していくことが難しい中で、
アカデミーという場で、ともに切磋琢磨できる仲間を集めることを通じて後押しをしております。

興味ある方がいらっしゃれば、1月から第2期がスタートしますので、ご参加くださいませ。


■プロフィール
上林 周平(kambayashi shuhei)

大阪大学人間科学部卒業。
アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。
官公庁向けのBPRコンサルティング、独立行政法人の民営化戦略立案、大規模システム開発・導入プロジェクトなどに従事。
2002年、株式会社シェイク入社。企業研修事業の立ち上げを実施。その後、商品開発責任者として、新入社員〜管理職までの研修プログラム開発に従事。
2003年より、新入社員〜経営層に対するファシリテーターや人事・組織面のコンサルティングを実施。
2015年より、株式会社シェイク代表取締役に就任。前年含め3年連続過去最高売上・最高益を達成。
2016年、若手からのリーダーシップを研究するLeadership Readiness Lab設立し、代表に就任。
2017年9月、これからの働き方をリードすることを目的に、エンゲージメントを高める支援を行う株式会社NEWONEを設立。
米国CCE.Inc.認定 キャリアカウンセラー

【書籍出版情報】
2022年7月に、弊社代表上林が「人的資本の活かしかた 組織を変えるリーダーの教科書」を出版しました。