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「推せる職場」はどう作る?――人が“心から関わりたくなる”組織の条件

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「推し」という言葉は、もはやアイドルや趣味にとどまりません。

職場も「推せる存在」になりうる、つまり、人が「情熱を持って応援したくなる場所」になることができると我々は信じています。

ただ、現状は多くの人が職場についてそれほど興味はなく、職場環境は会社の上層部の問題であると思っている人も少なくないと思います。そのため、職場が活気づけば、自分も元気になり、会社の状態も良くなることは頭では分かっていても、それ以前に社員がなかなか振り向いてくれないという悩みを抱えている方も少なくないのではないかと感じます。

では、どうすれば社員が”推せる”と思える職場が実現できるのでしょうか?

今回はクリエイティブディレクターとして「言葉」を武器に数々の企業を変革してきた小西利行氏のセミナーをもとに、”言葉”で「推せる職場」をつくるためのヒントを探ります。

  • カルチャー醸成が形骸化していると感じている方
  • 理念浸透がうまくいかないと感じている方
  • 組織内で仕事をただこなす社員が多いと感じている方

(※本内容は、2025年6月23日実施セミナーの内容の一部をまとめたものです)

推せる職場をつくるための6つの要素

推せる職場をつくるにはどんな要素が必要となるのでしょうか?

小西氏は以下の6つだと言います。

  1. 憧れ: この組織の一員になりたいという憧れがある。外から見て「ここで働いてみたい」と思わせるような魅力
  2. ワクワク:ワクワクできる組織の目的(パーパス)である
  3. 共感:時代に即したその会社の「らしさ」に共感できる
  4. 成長:この組織であれば、自分も成長できるのではないかと思える
  5. 居場所:家族や友人のように自分がいて安心できる居場所である
  6. 役割:組織の目的を達成するために自分の役割があり、貢献することができる

6つの要素を生み出すうえでの意識・工夫

「憧れ」「ワクワク」「共感」「成長」「居場所」「役割」という6つの要素を職場や組織の中で生み出していくために我々ができることは何でしょうか。今回は、そのヒントとして、今回のセミナーで取り上げられた内容の一部をご紹介します。

小西氏はこれまでの経験から人を動かす際に意識していることとして2つのことを取り上げました。

①「良い商品が売れないのは、商品を使う行動がないから」

良い商品が売れないということはよくあります。どれだけ魅力ある商品やサービスであっても、それだけでは人はすぐに動かないということです。その際に大切になるのは「行動を生み出す仕掛け」をつくることであると小西氏は言います。

例えば、サントリーが1970年代に世に向けて提案を行った「金曜日はワインを買う日」というキャッチコピーがあります。今でこそ、ワインを家で飲むというのは当たり前にできることとなっていますが、ひと昔前はワインを家で飲むという行動は一切ありませんでした。どれだけ良いワインがあったとしても、ワインを飲むという行動がなければ売れることにはつながりません。

「金曜日はワインを買う日」という言葉は、今までとは異なる行動をすることに対するワクワク感を醸成することで、金曜日にワインを買っておしゃれな生活をするというイメージがが定着し、ワインブームが巻き起こりました。

では、どのような言葉が人を動かすのでしょうか。小西氏によると人を動かすための言葉を作るうえでのコツがあるようです。

②「人は『X→Z』で話されると行動しやすい」

人をわくわくさせるにはこれからどんな変化が起こるのか、自分はその変化を起こすために何ができるのかをイメージさせることが大切になります。その際に「X→Z」という型を用いることが非常に効果的です。

実際に以下の例で実際に考えてみましょう。

『自動車をつくる会社から「モビリティカンパニー」へ』

上記は日本最大手の自動車メーカーのトヨタが掲げているビジョンです。この言葉を見たときに、トヨタは自動車をつくるだけの会社ではなく、モビリティ、つまり移動のしやすさを生み出していく企業であるということをイメージすることができます。

では「トヨタはモビリティカンパニーになります」という言葉はどうでしょうか。

おそらく、この言葉をみて、トヨタはどんな変化を遂げるかイメージがしにくくなったのではないでしょうか。きっとトヨタの社員もこの言葉だとワクワクする気持ちはなく、自分もこれに参加したい、貢献したいという気持ちにはならないと思います。

「X→Z」は、どんな変化が起きるのか、どんなワクワクが待っているのか、自分はそのビジョンに対してどんな貢献ができるのかをイメージさせる力を持っています。この力は推せる職場をつくることへの大きな一歩につながるでしょう。

推せる職場をつくるにあたって、何をすればよいかわからない、何をしても周りが動いてくれないということで悩みを抱えている方は、現状と将来の状態を整理し、「X→Zへ」という構造に当てはめてみるとよいかもしれません。

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セミナーアンケート(一部抜粋)

  • 小西さんのすごい思考ツールを購入し、今回のセミナーを楽しみにしておりました。職場に感じている閉塞感、帰属意識の低さを改善に向けていけるように動き出そうと背中を押してもらえました。
  • ミッション、パーパスなど、分かるようで腑に落ちない言葉を関西弁にしたのが面白く、型に囚われていたなと気付きました。
  • 共感できる内容が大変多かったです。特に、「効率よりも愛着へ」は、今私の部署で最も大事にしている「みんなで創る」の本質的な部分でした。会社のカルチャーは、街を創ることに似ているなと気付かせていただきました。
  • 視点を変える、発想を変える、言い方・ことばを変えるの影響力を実感しました。ありがとうございました。
  • 難しく考えすぎず、大人だからこそ、職場だからこそ、「やってみたい!」、「ワクワクする!」といった人が抱く自然な気持ちにもっと目を向けて考えてみたいと思いました。
  • これから中期経営方針を策定するにあたり受講させていただきました。どんな経営方針を創ればいいのか、どのように進めればよいのかのヒントがちりばめられてたと思います。

まとめ

今回、この記事では”言葉”で「推せる職場」をつくることをテーマにセミナーで取り扱われた内容の一部をご紹介してきました。”言葉”はたった数文字で、人の行動に変化を生み出す力を持っています。「推せる職場」を目指すうえで、魅力的な制度や福利厚生等で働きやすさを追求していくことももちろん大切だと思いますが、同時に人の働くに対する情熱を生み出すことも大事です。

職場を「ただの仕事場」から「応援したくなる場所」にしていく第一歩目として”言葉”の力を信じてみても良いのではないでしょうか?

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