最終更新日:

若手と話すのが「怖い」管理職が増えている背景には何があるのか

若手と話すのが「怖い」管理職が増えている背景には何があるのか

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

どんな研修があるか見てみる

はじめに

近年、多くの管理職が「若手と話すのが怖い」と感じるケースが増えています。以前は当たり前のように行われていた上司と部下の対話が、なぜ今では心理的なハードルとなってしまったのでしょうか。ここでは、管理職が若手社員とのコミュニケーションに恐怖を感じる背景とその解決策を考えてみたいと思います。

若手と話すのが「怖い」と感じる理由

1. ハラスメントへの過剰な警戒

企業におけるコンプライアンス意識の高まりとともに、パワーハラスメントやセクシャルハラスメントに対する規制が厳しくなっています。もちろん、ハラスメントを防ぐことは重要ですが、その意識が過剰になり、管理職が「何を言えばセーフなのか分からない」と萎縮してしまうケースが増えています。

特に、厳しい指導や率直なフィードバックがパワハラと受け取られるのではないかと不安になり、若手と適切な対話ができなくなる管理職も多いのが現状です。

2. 世代間ギャップの拡大

現在の若手社員は、デジタルネイティブであり、多様性やワークライフバランスを重視する価値観を持っています。一方、管理職層は「努力すれば報われる」「厳しい環境でこそ成長する」という考え方を持つことが多く、価値観の違いがコミュニケーションの障壁となっています。

例えば、仕事に対する考え方について話そうとしても、若手が「プライベートを大切にしたい」と考えていると、「やる気がない」と誤解してしまうことがあります。こうした価値観の違いを乗り越えることができず、「どう接すればよいのか分からない」と悩む管理職は少なくありません。

3. 直接的な対話の減少

リモートワークの普及やデジタルツールの活用により、メールやチャットでのやり取りが増え、対面でのコミュニケーションの機会が減少しました。その結果、管理職は若手との関係を築く機会が減り、いざ話そうとすると「何を話せばよいのか分からない」「距離感がつかめない」と感じることが増えています。

また、対話の機会が少ないため、誤解が生じやすく、管理職が「下手に話して誤解されるよりは、距離を取った方が安全」と考えてしまうケースもあります。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。

開催中のセミナーを見てみる

管理職が若手と向き合うために

若手と話すことへの恐怖を克服し、良好な関係を築くためには、若手側からも主体的に管理職に働きかけることも重要ですが、管理職側の意識改革と具体的な対策も必要です。

1. 傾聴と共感を重視する

若手社員とのコミュニケーションでは、まず「話を聞く」ことが重要です。管理職はアドバイスをしたり、指導をすることに意識が向きがちですが、若手社員がどのように考え、何を感じているのかを理解することが先決です。

傾聴の姿勢を持つことで、若手も「この人は自分の話を聞いてくれる」と安心し、対話がスムーズになります。また、共感の言葉を交えることで、価値観の違いを乗り越えやすくなります。

2. フィードバックの方法を工夫する

厳しい指導がパワハラと受け取られるのではないかと不安に感じる管理職は多いですが、フィードバックは土台作りと伝え方が重要です。

フィードバックとは、本人との信頼関係を前提とし、合意した目標に対するギャップを伝えることです。

例えば、「何がダメなのか」だけを指摘するのではなく、「目標に対してどうすれば改善できるのか」を伝えることが重要です。

また、ポジティブなフィードバックと改善点をバランスよく伝えることで、若手が萎縮せずに受け入れやすくなります。特に「いいからやれ」で育ってきた世代の方にとってはフィードバックの前提が異なることも多く、フィードバックに対する認知転換も必要かもしれません。

3. 対話の機会を意図的に増やす

日常的な対話の機会を増やすことで、管理職と若手の間の心理的な距離を縮めることができます。

例えば、定期的な1on1ミーティングを設け、業務に関する話だけでなく、キャリアや価値観についての対話を行うことで、信頼関係を築くことができます。また、雑談の時間を意識的に作ることで、リラックスした雰囲気の中で自然な会話ができるようになります。

4. 世代間の違いを理解する研修を導入する

企業として、管理職向けに「若手世代の価値観」について学ぶ研修を導入するのも効果的です。

例えば、Z世代の特徴や彼らが重視するポイント、その価値観が育った背景について学ぶことで、管理職が適切なコミュニケーションを取るためのヒントを得ることができます。

まとめ

「若手と話すのが怖い」と感じる管理職が増えている背景には、ハラスメントへの警戒、世代間ギャップの拡大、直接的な対話の減少といった要因があります。

しかし、傾聴と共感を重視し、フィードバックの工夫や対話の機会を増やすことで、管理職と若手の関係を良好にすることは可能です。

企業としても、管理職が若手と適切にコミュニケーションを取れるよう、研修やサポート体制を整えることが重要です。管理職が恐怖を感じず、若手と前向きに向き合える環境を作ることができます。階層別研修の一部分等、一つの要素として盛り込んでみると良いですね。