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リーダーのセルフアウェアネスを高める~「ランク」の概念で組織を紐解く~

リーダーのセルフアウェアネスを高める~「ランク」の概念で組織を紐解く~

<a href=小野寺 慎平" width="104" height="104">

大学卒業後、(株)シェイクに入社。企業の人材育成や組織開発のコンサルティングを行う。2018年1月(株)NEWONEに参画。商品開発・マーケティング、組織開発、研修のファシリテーターなどで活動する傍ら、「仕事そのものが面白いと思う20代を増やす」をテーマに20代向けの能力開発の新規事業を立ち上げる。

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プロセスワークの提唱者であるアーノルド・ミンデルは、「ランク」という概念を提唱しています。

ランクとは、個人の持つ特権の集合体である。 社会的もしくは個人の能力やパワーであり、文化、コミュニティー、個人の心理など何らかのパワーによって形成される 

引用:対立の炎にとどまる(アーノルド・ミンデル)

つまり、ランクとは「人間関係において、その人が有している特権やパワー(影響力)」のことです。

このランクには本人が気づいているものと気づきにくいものがあり、無自覚にランクを使うことがトラブルのもととなります。

アーノルド・ミンデルはさらに以下のように言っています。

  • ランクに注意が払われないとき、コミュニケーションは混乱し、人間関係の慢性的な問題がさらに悪化する
  • 会社組織において、部下がなぜ不平を言うのかを理解しているトップの人間はほとんどいない。経営者は自分が持つパワーを忘れ、会社の問題の責任は階級の低い人たちにあると思い込んでいる
  • ランクは麻薬である。自分のランクが高くなればなるほど、それがいかに他者へ負の影響を及ぼすかに気づきにくくなる
引用:対立の炎にとどまる(アーノルド・ミンデル)

このランクとは、相対的にランクが高い人と低い人で、ランクそのものに関する感じ方が大きく異なります。

相対的に高い人は、自分のランクが高いことに気づかず、周囲に対する自分の影響力を自覚しづらい傾向があります。

逆に、相対的にランクが低い人は、高い人からの抑圧を感じる分、ランクの低さを自覚しやすく、他者の影響力を繊細に捉える傾向があります。

このランクの”差”によって、以下のような事象が多くの組織で起こる傾向があります。

1.ランクが高い人が、(無意識に/悪気なく)課題の原因とする
(例)部下の主体性が不足している/人手不足は採用の問題

2.直接的に、または水面下で、復讐(リベンジ)が行われる
(例)上司の方針があいまい/あの部署は辞めて当然の風土だ

このようにランクの”差”によって、組織システムは悪循環に陥ることが多々あります。

そしてこういった悪循環にあることを、ランクが相対的に高い人は(低い人も)認識できず、双方が「なんだかより良くできるイメージが持ていない」という組織効力感(自分たちならばより良くなれる/できるという期待感)の低下につながります。

アーノルド・ミンデルはランクは脱げないと言っており、フラットな組織というのは言うほどたやすくありません。

だからこそ、タイトルの通りですが、セルフアウェアネス(自己認知)が不可欠です。

相対的にランクが高いリーダーが組織のシステムと自身の影響力の関連性を、特にランクが低い人の発している声の誘因となってしまっている自身の影響力を認識することが重要です。

弊社のリーダシップ開発プログラムでも、ご自身の(無意識も含めた)影響力に自覚的になる、というパートをよく実施していますが、多くの方が、うう、、と唸られます。


楽しいことではありますが、「なぜか上手く組織を動かせない」というリーダーに、ぜひ向き合って頂きたいと思います。

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