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改めて、研修/ワークショップの価値とは?

改めて、研修/ワークショップの価値とは?

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著者

渡部 亮太

著者

渡部 亮太

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員の育成体系構築から、管理職主導の組織開発まで支援。社内ではスキルの可視化等、若手が自律的に成長する仕組みづくりを行っている。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

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有難いことに年間を通じて、各企業の皆様と多くの研修、ワークショップをご一緒させていただいております。またその中で受講者様の生の声を聞く機会も少なくありません。

そんな中で研修、ワークショップという場がどんな価値を持っているのかに改めて私が感じていることを述べてみたいと思います。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。

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過去の経験を再定義し、未来の経験に意味づけを行うもの

結論から申し上げますと、研修、ワークショップは、これまで経験を再定義し、未来の経験に意味づけを行うものであると考えます。

研修後のアンケートを見ていると、「○○という考え方は新しいことだと気づいた」というコメントよりも「これまで何となく理解していたことがこの研修の場で体系化された」「今やっていることや、これからやっていくことに目的を持って頑張ろうと思った」などといったコメントの方が多い印象があります。

単なる情報のインプットであれば、他の手段(e-learning等)を用いて進めている人も多く、研修の場で新しく知識やスキルを増やすというよりは、知っていることを講師や受講者同士の対話の時間の中で持論として整理を行うことに繋げている人が多いのではないかと考えます。

このようなコメントを受けて私が感じるのは、研修やワークショップの本質的な価値は「対話」と「振り返り」にあるということです。特に、受講者同士や講師との双方向のコミュニケーションを通じて、これまで何となく自分の中にあった考えや経験を言語化し、他者の視点を取り入れながらそれを再評価する場として機能していることが多いと感じます。

例えば、あるスキルや知識についてはすでに知っているつもりでも、異なる経験を持つ他者との意見交換を通じて、自分が見落としていた側面や応用の可能性に気づくことがあります。これは単に新しい知識を得るだけではなく、自分の過去の経験を再定義し、それを未来にどのように活かすかという「再構築のプロセス」を促しているのです。

さらに、研修やワークショップでは多くの場合、参加者が自らの行動を振り返り、今後の課題や目標を明確にする時間が設けられています。この振り返りの過程こそが、過去の経験を単なる「出来事」から「学び」へと昇華させる鍵となります。振り返りを通して、これまでの自身の選択や行動に対して意味づけが行われ、それが未来の目標設定や行動計画に繋がっていくのです。

特に、チームで取り組むワークショップでは、他者と共に考えることで自分一人では得られない気づきや新たな視点を得ることができます。その結果、個々の考え方やアプローチが「新たな視点の追加」や「再構築」を経て、より多角的で実践的なものへと進化していくのです。こうしたプロセスは、受講者の内面的な成長を促進し、結果として組織全体の変革や成長にも寄与するものだと感じます。

ですので、研修やワークショップの価値を再定義するならば、「過去の経験を再定義し、未来の経験に意味づけを行うもの」であり、「経験を学びに変える場」と言えるでしょう。情報を得るだけでなく、それを他者との対話を通じて深く内省し、未来に向けた行動や選択に結びつける。このプロセスこそが、研修やワークショップを通じて得られる価値だと考えます。
学びを獲得する場としてではなく、経験を学びに変えていく場として研修、ワークショップをデザインしていってはいかがでしょうか。